船を一艘(いっそう)丸ごと買い付ければ魚も安く買えるような気がします。
たまに新聞誌面を賑わすこともあります。
しかしながら長く続けているところはありません。
いつの間にかやめています。
どんな問題があるのでしょうか?
船一艘買いの問題点
船一艘丸ごと魚を買い付けするとすごく安く買えるような気がします。
中間マージンも不要でかなりのメリットがあるように思います。
しかし船一艘丸ごと買うのは次の点で問題があります。
- シケや水揚げが少ない場合のリスク
- 未利用魚が多い
- 魚の仕分けコストが思った以上にかかる
- フグの混入の危険
それぞれ詳しくみていきましょう。
シケや水揚げない場合の負担が重い
たっぷり魚の水揚げのある船を買い付けるのであればメリットも非常に大きいでしょうがそういうわけにはいきません。
契約の内容にもよりますが一艘丸ごと魚を買い付ける場合は一定の期間の操業にかかる費用など負担したりしないといけなかったりします。場合によっては営業保証をする場合もあるでしょう。
それなりの経費がかかります。
シケが続いたり水揚げが少ないことが続いたりする場合のリスクは甚大です。
まず、ここが問題になります。
未利用魚が思った以上に多い
仮にたくさん水揚げあったとしても未利用魚の処理に困ります。
網を揚げると結構未利用魚が多いものです。
未利用魚はいってみれば商品価値のない魚です。
B級どころかC級D級魚までたくさんいます。
市場流通にのらない魚群です。
美味しくない、骨だらけ、固い、食べると臭いなど見た目だけでなく味が問題なものが多かったりするのです。
最近では未利用魚の有効活用も図られていますが、使えるならすでに使っているはずなのでなかなかその利用価値は低いです。
処分するにも費用がかかる点リスクをはらんでいます。
魚の仕分けコストが高い
使える魚があったとしてもそれを仕分けるのが大変です。
同じ大きさに揃えて集めたりしなければいけません。
店で販売する時は規格が揃っていた方が売りやすいからです。
本来この仕分け作業は水揚げ港や市場でなされます。
実は魚の仕入れにおいてはここが非常に大事なのです。
一見すると中間業者を省いた方がコストが安くつくように思いますが魚に関していえばこの仕分け作業を誰かがしなければらない点が問題になります。
そのための人員を手配したり、その処理専門の会社を作らなければいけなかったりします。
思う以上にコストがかかるものです。
フグや危険魚の混入の危険
何よりも仕分けが不十分でフグが混じったりする点が大問題です。
仕分けが発生するといいましたがそれを仕分ける人も慣れてなかったりすると変な魚が混じったりします。
それがフグだったりすると非常に大変なことになります。
実際小アジなどを販売する際にフグの混入事件が後を立ちません。
新聞やメディアでよく取り上げられです。
やはり仕分けるのも素人では難しいのです。
市場流通の重要性
以上のことから船一艘丸ごと買うのはいろいろデメリットの方が多いといえます。
おそらくほとんど経費倒れでやめていくものと思います。
また。魚の場合、仕分けが非常に大事です。
これを省くとかえって大変な目にあうのです。
市場を経由すべきなのもそこにあります。
市場ではしっかり規格が揃って仕分けされたものが流通するからです。
まとめ
マスコミに取り上げられる船一艘買いは思うほどメリットないということです。
かえってコスト高になって採算ベースにのらないことが多いでしょう。
自分のところだけ儲けようというのはなかなかうまくいかないものですね。
まずはなぜその仕組みが昔からあるのか考えたいです。
少なくとも目先の儲けに走ってはかえって損をすることになると思っていた方が良さそうです。
<終わり>
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