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スーパーの鮮魚で第二の開店がうまくいかない理由【やめとけ】理想と現実のギャップ

みなさん、魚売れてますか!

値上げラッシュが止まらず四苦八苦しているのではないでしょうか。

このブログではスーパーの鮮魚部門のさまざまな問題について取り上げてきていますが、今回は「第二の開店」はいらないという話をしたいと思います。

第二の開店ってなに?ということですが、これはスーパーの鮮魚売場でよくいわれることです。

夕方にもう一度売場を作り直す施策のことです。

要は朝作った売場を夕方16時ごろに再度新しく商品を追加したりして売場を作り直しましょうという考え方です。

ガラリと売場を変えたりするので、「第二の開店」という言い方をしたりします。

それに合わせてシフトも夕方を厚くしたり商品を充実させるということでお客さんにとってはすごく魅力的な話です。

ところがこの第二の開店はうまくいかないのです。

本当うまくいっている店は都会のごく一部のスーパーくらいなものです。

それ以外店で継続できているところ見たことないのが現実です。

やれているところは相当すごいと思います。

鮮魚を知らない店長や現場経験のないお偉いさんから「第二の開店」がお客さんに求められているからやれといわれたりします。

無理せず夕市程度にとどめておいた方がいいですよというアドバイスです。

※夕市程度という場合は一部の刺身や惣菜を夕方の作り立てで案内するといった感じです。

なぜ第二の開店がダメなのか理由を解説します。

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鮮魚は朝が大事

みなさんもお分かりでしょうが魚屋というのは朝が大事です。

仕入れから刺身切身の製造、塩干品の陳列など朝に集中して売場を作ります。

もちろん人員も朝に集中させて一気に売場を作ります。

鮮度が勝負なので朝売れるなら売れた方がいいわけです。

これはみんなそう思うはずです。

夕方も確かに大事

ただ、スーパーの場合夜20〜22時くらいまで営業します。

そうすると夕方にも一定のお客さんが期待できます。

そこで16時以降の売場もしっかり充実させ魅力ある姿にしなければなりません。

確かにこれはその通りです。

夕方のお客さんにも新鮮な商品提供すべきでしょう。

なので14時、15時ごろから徐々に夕方の売場を作っていきます。

具体的には刺身や惣菜で15時の作りたてや16時の作りたてシールを貼ってアピールしたりします。

それはそれでみなさん普通にされていると思います。

しかしそれでは足りず、「第二の開店」まで要求される場合があるのです。

イケイケの店長や業績を上げたい上司とかがいる場合です。

ガラリと売場を変えて新しい切身や商品を出しましょうといわれたりするのです。

で部門の人たちは切ない思いをして第二の開店に備えたりします。

しかしこれをフルマックスで受けてはいけないということです。

夕方は値引きありき

夕方のお客さんは新しい売場や商品を期待しているのでしょうか。

確かにそういう人も多いでしょう。

しかしながら夕方のお客さんはむしろ値引きの方に興味関心があったりするのではないでしょうか。

夕方スーパーに行って期待するものはやはり値引きなんだと思います。

毎日できるだけ安く買いたいわけですから。

もちろん、仕事帰りに新鮮な魚がほしいという期待があるのはわかります。

ただそれは第二の開店としてダイナミックに売場を切り替えなくても昼過ぎから少しづつ追加していく形でいいのではないでしょうか。

リスクの方が高いように思います。

地方のスーパーではムリ

来店が3,000人以上ある都会のスーパーなら第二の開店することもできるかもしれません。

しかし2,000人もいかないローカルのスーパーではそんな夕方再度売場を充実させるのは非常に難しいですしょう。

売上はともかく利益がまず残らなくなるはずです。

そんなことより朝をもっと充実させる方がベターと言えるでしょう。

折り返しが17時以降なら可能かも

地方のスーパーでも折り返しが17時のところなら第二の開店もありかもしれません。

折り返しが17時というのは意味わかりますか?

折り返しとは1日の来店数の丁度半分の来店数になるタイミングの時点を言います。

そしてそのタイミングが17時の場合「折り返しが17時」という言い方をします。

17時は少し遅めです。

21時か22時で閉店する普通のスーパーは14時半か15時くらいの折り返しが多いと思います。

これも夏場は16時になったりします。

折り返しの意味分かりましたか?

その店その店で違いますので自店の折り返しを確認しておきましょう。

折り返しが17時というお店は来店がかなり遅く夕方に来店ボリュームがある店ということです。

夕方からの来店数が多ければそこでもうひと勝負できるわけです。

理想と現実にはギャップがある

ただ、実際はそんなことないはずです。

ほとんどの店が15時前後でしょう。

その店が16時17時にもう一度売場を作り上げるというのは非常に無理があり、相当値引きを覚悟しなければできないということです。

なぜ第二の開店を求めるのか

ではなぜ店長や幹部の人たちは第二の開店といったりするのでしょうか。

夕方のお客さんを大事にしたいということでしょうが、おそらくそれはイメージか理想で言っているだけだと思います。

ほとんど意味はないと思います。

実際はそれを求める人は大きな店に行きます。

先ほど言った3,000人くらい来店数のある店なら夕方ガンガン新しい商品を出すだろうなと期待するかもしれません。

しかし地方のスーパーのほとんどを占める2,000人もいかない1,000人前半のスーパーにそれを求めたりしないのではないかと思います。

もちろん夕方遅い時間に新鮮な商品を求める人も一部はいるでしょう

むしろ大半の人は値引きを期待するのではないでしょうか。

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鮮魚は午前中が勝負

売場を管理する立場としてはやはり午前中の売場をしっかりと充実させるべきでしょう。

午前中のお客さんを中心に考えるべきです。

これは今までもそうでしたし、これからもずっと変わらないと思います。

これは地方のごく普通のスーパーマーケットの話です。

夕方に力入れるのも大事ですが朝の売場こそ力点を置くべきなのです。

午前中に買い物する人は値引きなしで買っていってくれわけですから。

人の体制も商品構成も午前中にこそ充実させるべきです。

夕方にすべきこと

感情論的にいうと夕方の売場も充実させてあげたいです。

夕方来る人にも新鮮なものを提供するサービスをしたいからです。

それはそれで目指すべきです。

ただ何をするかといえば、夕方作りたての刺身や魚惣菜を提供するだけでいいと思います。

それ以上全部の売場を切り替えるまでは必要ありません。

そんな第二の開店をする時間があるくらいなら、早く帰るか午前中をもっといい商品を出せる体制を作っていください。

とにかく地方の小さなスーパーであれば午前中をより充実させて、それで時間があまるようなら夕方作り立て商品の提案をするようにしてください。

夕方きったり作ったりするのは一部の商品だけでいいです。

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最後に

「第二の開店」

コンサルタントやマスコミはとかくこういう言葉が大好きです。

こういうもっともらしい言葉に振り回されないでください。

原理原則を考えればできることできないことわかるはずです。

鮮魚はなんといっても午前中の利用をどれだけ増やせるかが大事になります。

部門段階で利益を取りたいなら「第二の開店」という考え方は取り入れないようにしてください。

地方のスーパーで継続的にやれているところ本当にありませんから。

<終わり>

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リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属