彼岸も過ぎて過ごしやすい日々が続いているころでしょうか?
よく近所のばあちゃんが、
「今からの時期はひと雨ひと雨ごとに涼しくなるよ!」
といっていたのをこの時期になるといつも思い出します。
確かにいつまで夏の暑さが続くのかと思っていても雨が降るごとに気づかないうちに気温が下がって涼しくなっていきます。そのことを経験でわかっているんですね。
それと同時にお魚たちも動きやすくなるのでしょうか?
夏の間その姿をなかなか見せてくれなかった魚たちもこの頃になるとようやくその姿を見せてくれるようになります。魚の水揚げも増えてきます
魚を売る側としてはこの時期が一番魚が売れる時期ということで本来店も活気が出てくるはずなのですが、最近はなかなか思ったようにさせてくれないようです。
そんなこともあって今回はこの時期にどんな魚をどんな風に売ったらいいのかということともしあてにしていた魚が入荷なかったらどういう風にしてモチベーションを保ったらいいのかについてお話しさせていただきたいと思います。
ちょっと脱線するかもしれませんが、いろいろ思うところを共有してみたいと思いますので今回は随想録な記事にさせていただきたいと思います。
秋刀魚の水揚げ状況が最悪
今年の生さんまの水揚げが最悪ということです。生さんまを仕入れたのもほんの数回ということでほとんど解凍さんましか売ってないような状況です。
これはもうしょうがないです。去年もそういって生さんま少なかったですから昨対的にはそんな被害が甚大ということではないでしょう。
ちょっと当てが外れたのがあじの入荷。
実はある年にさんまがない時地物のあじをしっかり売ったらそこそこサンマに負けずおとらずの売り上げが確保できたということがありました。
用途が一緒なんですね。塩焼き、煮てもいいし、フライも美味しい。
ということでさんまがなければあじを狙っていたんです。
それがそれが、今年あじの入荷が全くといっていいほどありませんでした。
マジか〜!って感じです。
例年あじはこの時期安定して入荷あったのに!
そうなるとリッキーもさすがに少し右往左往するわけです。
さんまがダメであじもダメとなると…。
みなさん思いつきますか?
この時期に秋刀魚でもなくあじでもなくというと…。
なかなか思いつきませんよね。
リッキーはここで「かます」を攻めようとしました。
どんだけ魚売るんだって感じでしょ。
今どきこれだけ生魚攻めれる店ないですよね。
実際のところはかますもまだ早いのか入荷少なかったので無理でした。
そんなこんなでここまできたのですが、
幸い唯一入荷が比較的あったものありました。
結局今年は甘えびに救われたか(救われるか)⁈
それが甘えびです。
そんなにたくさんというわけではなかったですがそこそこ入荷あってしかも相場がメチャクチャ安い時がありました。今年はちょっと特別かも知れません。これはおそらく気付いている人少ないかも知れません。
市場の人に言わせるとない時はないし、ある時はいろんな産地のものが一気に重って入荷あるからということのようです。
ない時は甘えび1尾100円もするのにちょっと天気が良くて何日か入荷が続くと10円もしなくなったり、まあ、甘海老の相場は本当に怖いものです。
ともあれ何回か甘えびに救われたということが今年はありました。
売上の落ち込みを防いでくれたとまで言えるかどうかわかりませんがずいぶん貢献してくれたことは事実です。今のところ。
本当に甘えびを大事にしないといけないと実感しました。
ここちょっと意味深いので説明しますね。
金沢は甘えびの産地です。
そして魚屋にとって甘えびが絶対的に重要な位置を占めるのです。
甘えびが売れる店になることが金沢しいては北陸でスーパー、鮮魚店をまともにやっていける前提条件になるのです。
逆にいうと甘えびが売れない店はあまり成績がよろしくない店という形になりやすいです。
もう一ついうと口細かれいが大事でこの2つがとても重要になってきます。口細かれいについては別の機会に話します。
なんで甘えびが売れる店にならないといけないかというと、
その地域でその店の甘えびが売れるということは他の店の甘えびがみるみるうちに鮮度悪くなっていくからです。売れなくなるということになります。
この甘えび日持ちがしません。一日おくだけで色が変わります。
甘えびが売れる店が近くにあると他の店の甘えびが売れなくなってどんどん甘えびの色が悪くなっていきます。
そしてそれは一般の素人のお客さんでもすぐ分かるわけです。
一発でわかります。甘えびの色が悪くなると鮮度の悪いお店というレッテルを貼られてしまうのです。
鮮度が一目瞭然に分かるのが甘えびなのです。
だから甘えびが売れる店が近くあるような環境にしてはいけないのです。
また、金沢をはじめ北陸の人は甘えびが大好きです。需要が多いものです。
一番人気の魚を失った魚屋はなかなか浮上しないというのもわかりますね。
リッキーどれだけそんなお店見てきたことか。その店の鮮度は甘えびの鮮度で決まるといっていいほどなのです。
そんなことで甘えびは金沢北陸で最重要アイテムの一つになるのです。
甘えびに力入れれない店はイチゴが乗ってないショートケーキみたいなものです。
すごく残念な存在となってしまいます。
ともあれ、秋刀魚がない鯵がないリッキーのお店は甘えびが売上の落ち込みを救ってくれたわけです。
おそらく今年はこれからも甘えびに助けられそうな気がします。
秋鮭はどういう状況?
秋鮭もどうなんでしょうか、少しは値段も下がってきましたが生筋子なんかは逆に相場も高騰しているようです。秋鮭の水揚げもちょっと少ないような気がします。
ちょっとわからないのが生秋鮭の相場が下がってきているのに、なんで生筋子の相場が下がらないんだというとです。
これは正直もう少し状況をみないとわかりません。
生筋子もこの時期に重要アイテムです。
この生筋子を制するものが北陸の魚屋を制するといって過言でないと思います。
ここまでいっていいんかいというくらいトップシークレットを公開しています。
ただそうはいってもこれを実践できる魚屋はおそらくその地域ではないかもしれません。
この施策をできる元気のいい魚屋は今ないんですよね。
それだけみんな疲弊してますね。北陸の魚屋さんは。全国でも一緒かもしれませんが。
コロナ禍というより魚屋や水産部門のコストカットという構造的な問題を抱えているんですね。なかなか元気な魚屋さんはないですね。
なんで生筋子が大事かという点はちょっとボリューム大きので別途記事にしますね。それまでお待ちください。
ヒントとしてはいつも値引きが多い生筋子発想を変えて最初から値引きして売ったら売上利益ともに貢献しますという点です。
まあリッキーがいつもいっていることですのでいつもご覧いただいている方はすぐに分かると思います。
売れるときはトコトン売る!
最近本当に魚屋はいいことないですね。逆風の雨嵐。自虐的にもなりそうですが精肉や青果の絶好調さを見てくると本当に立場ないって感じです。
ただ、魚さえ入ればしっかり売る自信ありますね。
勝利の方程式は必ず見えてきます。
やっぱり頭のついた生魚を売れるような仕組みを作ることです。
ただ、普段から頭のついた魚がしっかり売ってないと難しいのかな。
で、魚が入荷した時は、手を抜かずにトコトン売る!ですね。
しかも思いっきり売らないといけません。
肉屋さんみたいに冷凍が効かないので新鮮なもの仕入れて売り切る。
これしかないですね。
この時期は台風もいつきてもおかしくない時期なので魚の入荷も不安定になりやすいです。
シケになったらまた売るものがなくります。魚がないときにいくら売上あげたくてもないものはないのですから難しいですよね。
切身や冷凍物を売るといったところで金額は知れてるし手間もかかります。
手をかけたら売上利益が上がるというのはおそらく幻想です。
逆に298円、398円の単価にしかなりません。それもたくさん必要ないわけです。
我々の認識からすると手をかければかけるだけ値段下がるし、利益も撮れないという感覚です。
それに対して生魚なら3尾くらい入れたパックで500〜800円くらいになるのです。
しかも鮮度の信頼がつけばロスはほぼゼロ皆無です。※加工したところではロスは出ますよ。
そういうのがポンポン売れる方が売上利益ともに貢献しますね。
鮮度の評価が上がればこのようなことも当たり前にあります。
やっぱり頭のついた魚を売らなければ報われないです。
ない時はじっと我慢してあるときに一気に稼ぐ。
これで十分なんですよ。
そんな売り方の方が長い目で見るとその地域に必要な存在になれると思います。
地方の魚屋であれば今日仕入れたものを今日全部売るくらいのことはできるはずです。
大手の鮮魚部門のように計画計画で担当者を詰めるようではかえって魚屋を無力にしてしまうでしょうね。
萎縮するか冷凍物を使うしかなくなりますから。
また消費地というか都会の売り方もまた違うのは当然だと思います。
その意味で地方に限って言えば小さい魚屋鮮魚部門の方が大手スーパーマーケットより勝ち目があるというわけです。
お客さんにとっても地元の魚屋さんやスーパーマーケットの方が鮮度のいい生魚手に入れやすいということになるわけです。
ここでも「魚は地方がおもしろい」といえそうです。
まとめ
今回は久しぶりにリッキーの思うがままなところを記事にさせていただきました。
まあ、言い過ぎだよ!ちょっと違うよ!と思われる部分もあるかも知れません。
ただ書いている中にみなさんが今悩んでいるヒントがあるかも知れません。
もし一つでもみなさんのお役に立てる内容であればそれだけで嬉しいです。
これからも「さかなのさ」どうぞよろしくお願いします。
<終わり>
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