みなさん「こぞくら」ってご存知ですか?
金沢でぶりの幼魚のことを「こぞくら」と言います。
ご存知の通り北陸はぶりがよく水揚げされてまた、このぶりをよく食べます。
大きなぶりをお刺身や照焼きなどで食べるのはご存知でしょうが、ぶりの幼魚を煮付けで食べるというのはご存知ないかもしれません。
と言うことで今回この「こぞくら」がどんなものであるか?どんな料理で食べられるのか少し紹介したいと思います。
こぞくらは出世魚ぶりの幼魚
ご存知の通りぶりは出世魚です。
北陸では小さい順に、
こぞくら → ふくらぎ → ガンド(天然小ぶり) → 天然ぶり
という風に大きくなるにつれて名前が変わっていきます。
それぞれの地域で違った呼び方をします。
自分のところ以外の呼び方はなかなか覚えられないです。
ちなみに「ふくらぎ」のことを、
- 関東ではイナダ
- 関西ではハマチ
- 中国地方ではヤズ
- 新潟ではフクラゲ
と呼ぶようです。多少大きさは前後するようですが大体40cmくらいと思ってください。
「こぞくら」はそれよりさらに小さいものを言うわけです。
ワカシ、ツバイソ、と呼ぶ地域もあります。
こんな小さいものをなんで食べるか!とかどうやって食べるの?
と言う人も多いです。
こぞくらはどんな風に売られているの?
こんな風にスーパーに並んでいます。これを調理受付口へもっていって頭とりやお腹出しをしてもらったりします。
小さいので5〜6尾くらいの単位でパックされています。
こぞくらのサイズはマチマチで大きめのときもあれば小さめのときもあります。
大きい小さいで好みがあるようですがそのときの漁次第でサイズが変わります。
なかなか思った大きさに出会うことは難しいのでみなさんとりあえず売り場に出ているものを買っていくというような感じです。
こぞくらはいつ頃売られるの?旬はいつ?
こぞくらが店先に並ぶのは6月くらいからです。
底曳漁が禁漁になるとこのこぞくらの出番がやってきます。
かれいなどが少なくなるのと入れ替えみたいな感じです。
最初は「はしり」と言われ県外ものから始まります。
今年で言えば三重産が主流です。
高知の時もあります。
主に「はしり」は太平洋側が多いです。
値段も最初高かったりしますが段々値段も下がっていくのが普通です。
ただその年によって最初から安い時もあるのでこればかりは水揚げの量次第で変わります。
7月の中旬くらいから「地物」が出始めます。そうするとみなさん喜んで買っていかれます。
ではこぞくらはどんな風に料理されるのでしょう?
こぞくらはどんな料理になるの?
この前片町に出た時の写真です。
煮付が食べたくてお店のメニューになくてもとりあえずなにか魚の煮付けないですかと注文したところ出てきたのがこの「こぞくらの煮付け」でした。
注文した時に温めますか?それともこのままにしますか?
と聞かれ、
そのままでお願いします。というと上のような感じで出てきました。
温めると煮こごりが溶けてスープになってしまうのでこの方が美味しいような気がしたからです。
作り置きの魚の煮付けは温めずに食べるが基本かな。煮こごりも美味ししね!
味付けはやっぱり金沢の味付けでした。
醤油をキリッときかせてで甘味控えめ。
生姜の風味がしっかり効いています。
これはこれで美味しいですが個人的には甘味が強い方が好きかな。
ついでに魚ではないですがこれも注文しました。
金沢の夏に美味しい「加賀太きゅうりのあんかけ」。
冬瓜でもしますね。
これが金沢の夏に欠かせないのです。
故郷の味。
まとめ
同じ石川県でも七尾のほうに行くとこのこぞくら人気ないとのことです。
金沢の人は本当にこの「こぞくらの煮付け」が大好きです。
蒸し暑い夏になると条件反射でこれが食べたくなるんでしょうね。確かにおいしいですけど。
こんな小さいもの食べなくてもいいのにと言われそうですが、これが昔から続いている食文化というものなので大目にみてあげてください。
まあ、この小さいのを三枚おろしにして揚げて南蛮漬けにしてもおいしいでしょうがちょっと大変です。
興味のある人だけ挑戦してみてくださいね!
夏に美味しい魚の紹介はこれからも続けたいと思いますのでご期待ください!
<終わり>
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