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ガンドってなに?【北陸の魚】聞き慣れないこの魚がなぜ好まれるのか!

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ガンドってなんだろう?と思った人は多いと思います。

「がんどう」と聞こえたりもします。

私も金沢に来たばかりの時はさっぱりわかりませんでした。

どうやら魚の名前のようですが得体が知れないです。

リッキー

そもそも魚の名前なの?

ガンドは天然ブリの小さいサイズの地方名のことです。

ですが、フクラギというのもあるし、なにが違うのだろうと思っていました。

この「がんど」ってよくわからないという人も多いと思います。

今回はこのガンドのことを詳しく見ていきましょう。

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ガンド(天然小ブリ)の基本情報 ※天然ブリと同じ

分類 スズキ目アジ科ブリ属                
名称ブリ
別名・地方名ガンド、ガンドブリ、がんどう、天然小ブリ
英語名yellowtail,japanese-amberjack
学名Seriola quinqueradiata
Temminck and Schlegel,1845
分布大型の海水魚
主な漁法定置網漁、巻網漁
備考・出世魚
・北陸で一番人気の魚
・天然ブリの次に大きい

ガンドってどんな魚?

ガンド、天然小ぶり

ガンドはブリのことです。天然ぶりの一回り小さいサイズということです。

目方でいうと1〜5kg未満くらいまでのブリのこと言います。

天然小ぶりという方がわかりやすいかもしれません。

ブリは出世魚なのでその大きさによって呼び名がかわります。

能登や金沢あたりで獲れるブリの地方名なのです。

11月上旬が一番オススメです。

そこそこ脂のっていて相場安い時期です。

その後11月下旬になるともうすでに値段が高くなるのでその前がオススメです。

お歳暮需要の天然ぶりの高騰に連れられてガンドの相場も上がるのが通例です。

※2022年冬に能登寒ぶり「煌(きらめき)」がブランド化されます。「ひみぶり」と獲れるところはほぼ同じなので期待されます。

出世魚ぶりの大きさ別呼び方

地域によって3〜4段階に分けられるようです。

そして北陸ではこのガンドはブリの次に大きなサイズの呼び方ということです。

北陸でのブリの呼び方

小さい順に、

  1. コゾクラ ・・・ 刺身で使えるまでになっていないサイズ ・・・箱にたくさん入っている。
  2. フクラギ ・・・ ようやく刺身にできるようになったサイズ ・・・箱4〜10尾入のもの
  3. ガンド ・・・ フクラギより大きくてブリより小さいサイズ ・・・ 箱2〜3尾入のもの
  1. ブリ ・・・ 尾5〜6kg以上のもの ・・・ 箱1尾

と4段階になっていて大きくなるにつれて呼び名が変わります。

市場などでは長さ、重さというよりは1箱に入っている入数で区別することが多いです。

全国各地でもいろいろ呼び方があります。

ワラサやヤズがガンドに当たると思います。

天然ブリの記事の方で詳しく説明しています。

時間のある方はこちらで詳しく見てください。

>>天然ぶり 【プロの扱い方公開】〜冬は日本海、春は太平洋が美味しい! 〜さかなのさ

ガンドのサイズ感

ガンド頭とりお腹だし

ガンド(天然小ぶり)は2〜5kgくらいのブリで1箱に2〜3尾入ったものをいいます。

厳密なものでなく相対的なものだと思った方がいいでしょう。

つまり、比べてみて大きいかどうかということです。ざっくりした基準です。

もちろん、1箱の入数の区別は前提としますが、

氷見ぶりのようにブランドのものでない限り明確な基準はないので呼ぶ人がブリといえばブリだし、ガンドといえばガンドという具合になるわけです。

1箱に2尾入っているのが基本ガンド(天然小ぶり)になるとしても、1尾5kg近くあれば天然ぶりということもできるわけです。

ガンドの存在価値

存在価値というと堅苦しくなりますが、なんで小型のブリが価値を持つかというと、やはり天然ぶりからすると相当安いからですね。

要はガンドはお店の立場からいえば売りやすいですし、客さんの立場からいえば買いやすいのです。

天然ぶりはなんだかんだいって時期になるとメチャクチャ高い値段になります。

なかなかスーパーなどでは扱える値段でないのでガンド(天然小ぶり)の存在価値が出てくるのです。

北陸の人は日常的にブリを食べます。

毎日おかずとして買い続けられるぶりが必要なのです。

それがガンド(天然小ぶり)ということです。

ガンドは天然ぶりよりたくさん獲れますし、時期によっては脂がほどほどありそこそこおいしいです。

なので、後述のような寄生虫が多少いても取り除いてでも食べるのです。

ガンドのおいしい食べ方は?

ガンド(天然小ぶり)の刺身

基本お刺身で食べます。

ただ脂がのってないと赤味が強くさっぱりした感じになります。

地元の人は醤油漬けにして焼いたりして食べます。

それはそれでおいしいものです。

味噌漬けにしたりもします。

ただ、このガンド(天然小ぶり)は時期によっておいしさが変わります。

もともとあっさり感の強い天然小ぶりですがやはりそこそこ脂がないとおいしく思えません。

5,6月になっても水揚げ自体ありますが千葉や高知や山口などの小ぶりが入荷したりします。

昆布じめも日持ちしないだけでできないことはないようです。

また、刺身や寿司の盛合せには入れない方がよいです。皮を剥いたら色が変わるのが早いので一つのために高額な全部がダメになったりすることもあるからです。

大根寿し、かぶら寿し

北陸地方で作られる大根寿し・かぶら寿しにはこのガンド(天然小ぶり)を使います。

皮を剥いてロイン(1/4)にして塩をたっぷりします。

そして10日〜2週間ほど塩しておきます。

塩を洗い流して一口大にスライスして大根、かぶらに挟んで漬け込みます。

金沢でも人気な大根寿しはこれです!

\ 万人受けするのはこのメーカー /

\ どちらかというとかぶら寿しの方が人気 /

天然小ぶりの昆布じめ

基本的に青魚は昆布じめにしませんが、翌日くらいにすぐ食べるならこのガンドも昆布じめにできます。

意外とおいしいものです。

詳しくは下の記事でどうぞ

>>天然ぶりの昆布締めを食べてみた! 〜色変わりは?味は? 〜さかなのさ

ガンドをおいしく食べられる時期

年中水揚げありますがやはり11月頃が値段も安くオススメです。

年末から3月いっぱいくらいまでが日本海側、4月あたりから太平洋のものがおいしくなります。

リッキー

冬は日本海側、春から初夏は太平洋側と覚えてください!

4月から北陸日本海のブリは身が赤くなっていて寄生虫だらけなのであまりおオススメしません。

ただ、売ればやはり金沢ではは地物贔屓の人も多いので身が赤いブリでも地物とつけば売れていきます。

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ガンド食べる時には注意が必要! 【グロ画像注意】

ガンド(天然小ぶり)の寄生虫

ここからは少しちょっとみなさんに不快感を与えることになるかもしれません。閲覧要注意です。

今ほど申し上げたように北陸のガンド(天然小ぶり)は春先から身が痩せるのでそれに伴って身の中に寄生虫をもったりします。

写真のような状態でほとんどの個体に潜んでいます。害はありませんが見た目がすごいですね。

どうしてもガンド(天然小ぶり)は真っ赤の身の中にミミズのようなブリ糸状条虫を見かけることが多いです。

ガンド(天然小ぶり)の寄生虫

基本的に無害というか見つけたら食べないと思います。

そこそこの大きさがあり見つけやすいです。

魚屋さんで捌くときに見つかることがよくありますが該当箇所を取り除いて処理します。

あまりひどいものは廃棄することもあります。

扱う側にとっても厄介なものです。

身の中に入っていて除去しきれずにお客さんの手に渡ってしまうこともあります。

食事中にギャー!ということでクレームを受けたりすることもあります。

私の行っている理髪店のマスターはそれを経験して以来ぶりの刺身が食べれなくなったと聞きました。

自然のものを生で食べる以上起こり得ることですが、どちらにとっても悲劇であることには変わりません。

幸い体調を崩すというようなものでない点が救いといった感じです。

そんなこともあってリッキーぶりの刺身が食べたい時は養殖のブリの方買うことにしています。

養殖のぶりにも全く寄生虫がいないことはないですがミミズみたいなブリ糸状虫はいないし、滅多に見つかることもないので比較的安心だと思っています。

天ブリになると少なくなります。

まあ、安い分こういったものに出会うリスクがあるわけです。※健康被害はあまりきかない

イナダ(ガンドの加工品) 幻の乾燥珍味

イナダ 天然小ぶりを塩漬けして乾燥させた珍味

ここで少し変わったガンドの加工品を紹介します。

イナダと呼ばれる乾燥加工品です。

一般的な鮮魚のイナダとは違います。

ガンドの加工品です。

天然ぶりまたは天然小ぶりを肩身におろして塩水処理してから乾燥させます、

5〜6月ごろの脂の抜けたブリを使います。

薄くスライスして食べますがこれは大きな原体サイズです。

2万円ほどです。

ご当地の人くらいしか知らないかもしれません。

太平洋側でいう塩鰹を更に乾燥したようなイメージです。

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最後に

ガンド(天然小ぶり)のことわかったでしょうか?

何度かミミズのような寄生虫に遭遇すると食べる気も失せてしまうと思います。

これさえなければいいんですけどね。

食べるならやっぱり冬に限定したほうが良さそうです。

随時情報追加していきますね!

参考サイト ぼうずコンニャク市場魚貝類図鑑

<終わり>

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リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属