冬に旬を迎える天然ブリのおいしさはみなさんももうお分かりですね。
その中でも10kg以上のぶりの腹トロのおいしさは格別です。
特に氷見産の天然ブリは全国的にも名が通った有名ブランドでおいしいブリの代名詞のようにもなっています。
ただおいしいブリはひみぶりばかりではありません。
確かに基準がしっかりしているので特別感はあります。
ただ能登や佐渡のブリも同じようにおいしいです。
獲れる環境そんなに変わらないので。
今回はこの天然ぶりについていろいろ詳しく見ていきましょう!
目次
天然ブリの基本情報
分類 | スズキ目アジ科ブリ属 |
名称 | ブリ |
別名・地方名 | 鰤 詳細は別記 |
英語名 | yellowtail,japanese-amberjack |
学名 | Seriola quinqueradiata Temminck and Schlegel,1845 |
分布 | 大型の海水魚 |
主な漁法 | 定置網漁、巻網漁 |
備考 | ・出世魚 ・北陸で一番人気の魚 ・同種にヒラマサ、カンパチ ・長さはある程度で止まる |
天然ブリはどんな魚?
天然ぶりは全国的に獲れる魚です。
少し前は北海道にはいないといわれていた天然ブリも最近では相当数水揚げされて関係者をビックリさせています。
食材としても全国的にも人気ですが北陸、新潟で撮れるブリが特においしいといわれています。
その中でも特に富山県で天然のブリがたくさん食べられています。
というのは、金沢石川県ではお店の売場に刺身用サクが出るくらいですが、富山のお店ではブロックの状態で刺身用で出ていたりします。
ブリの大きな塊ですね。
それだけ消費量が違うということです。
いずれにしても北陸では日常の食生活の中にこのブリは欠かせないものとなっています。
成長しても長さはある程度で止まりあとは体高が増えることで重量が増えていきます。
ちなみに天然ぶりより小さいサイズを天然小ぶりといい、金沢ではガンドと呼びます。
日本列島を回遊する魚
大型の魚なので日本列島を泳いで回る。
うまくすると夏以外おいしいブリを食べられます。
ブリの頂点に立つのがこの天然ぶりです。
やはりその下の天然小ブリとは比べ物にならない別格のおいしさです。
特にブリトロと言われる腹身の部分の刺身は食通を唸らせるほどの味わいです。
この天然ぶり日本海側のものがおいしいというイメージですが、それは冬の場合で、春先になると実は太平洋側のぶりが脂がのっていておいしいです。
なので、それがわかっているとGWくらいまでぶりをおいしくたべられるということです。
天然ブリは出世魚
ぶりは出世魚でぶりの一番成長したものを天然ぶりいいます。
どのくらいの大きさになったらブリと言えるかですが、一般的には80cm以上のものをブリと呼ぶようです。北陸では5〜6kgくらいからブリと言います。
成長の大きさによって呼び名が変わります。
一般的なのが、
〔北陸〕 コゾクラ → フクラギ → ガンド(天然小ぶり) → 天然ぶり
〔関東〕 モジャコ → ワカシ → イナダ → ワラサ(天然小ぶり) → ブリ
〔関西〕 モジャコ → ツバス → ヤズ(天然小ぶり)→ メジロ → ブリ
※地域によって若干違う場合があります。
ただ、明確に大きさの基準があるわけではなく比べてみてどうだといういうことです。
魚の世界ではよくあることですがざっくり見てどうだというくらいなものです。
なぜかというと魚をとった船が戻ってくると一瞬で仕分け作業をしなければならずやっている人たちもアルバイトの近所のじいちゃんばあちゃんで細かい違いまで見てられないのです。
港に行くとわかります。
あくまで相対評価(比べてどうか)に過ぎません。
一応4段階か5段階に名前を分けるところが多いようです。
ブランドのぶりはさすがにしっかり基準を作っているようです。
天然ブリと養殖ブリとの違い
ブリをあえて天然ぶりというのは養殖のぶりも結構流通しているからです。
養殖魚いろいろある中でも養殖のぶりは品質いいものが多いです。
実はリッキーぶりを食べるとしたら養殖ぶりを選びます。
それだけ養殖ぶりというのはおいしいものです。
ただ、冬場の10kg以上の天然ぶりの腹トロの刺身といわれるとやっぱり天然の方がいいかな。
ゲンキンなものですね。
詳しい両者の見分け方・違いについては過去に書いたこの記事をご参照ください。
ひみの寒ぶり
天然ぶりのトップブランドはやはり「ひみの寒ぶり」でしょう。
青箱に入った6kg以上の天然ぶりで販売証明書がついたものをひみ寒ぶりとして扱われます。
ひみ寒ぶり宣言されてから取引されるのですが宣言されない年もありました。
基準もはっきりしているのでお歳暮時は非常に高値になります。
その時期シケでも入ると昨日まで3万円くらいだったのが1尾10万円は楽にこえたりします。
タイミングによってひみ寒ぶり自体手に入らないこともあるのでその意味でも希少価値が高いといえます。
ただ富山湾内でとれたブリが石川県に入れば能登ぶりになるし、氷見に入って基準を満たせばひみぶりになるので獲れる場所は似たような海域ということになります。
そんなこともあり石川県近くで獲れた天然ぶりも相場の高くなる氷見漁港に持っていくのはよくあることです。
逆にいったら能登のブリなら品質もよく割安に買えるということでもあります。
ブリの半身返しという風習 〜金沢
金沢と能登の一部では娘が嫁いだ年のお歳暮に嫁ぎ先に大きな天然ぶりを1尾贈るという習わしがあるところがあります。
それでもらった方はそのぶりの半身をもらったうちへ返すという形になります。
これをぶりの半身返しと言います。
これがなかなかの大変な行事のようです。
もらった方は10kg程のぶりをおろして返さないといけないからです。
当然ご自宅ではできないので近くの魚屋さんかスーパーの鮮魚に持ち込むのです。
持ち込まれた方も突然持ち込まれてもなかなか大変だと思います。
基本持ち込み調理もお金取られます。
なので事前に連絡をして確認した方がいいと思います。
釣りなどのレジャーの持ち込みとは違うのでほとんどのお店は引き受けてくれると思います。
大きなぶりは日持ちするので焦らなくても大丈夫です。
氷しっかりしてあれば2、3日は持ちます。
調理代金はお店によって1,000〜3,000円くらいが目安です。
天然ブリのおいしい食べ方は?
天然ブリはやはり刺身、寿司、塩焼き、照焼きがおいしいでしょう。
ここは皆さんの方がご存知なところで、いろんなレシピもたくさんあるのでここでは少しだけ紹介するにとどめます。
個人的にはやっぱりカマの塩焼きが一番好きです!
ブリ大根、ブリしゃぶ、ぶりスキ鍋などもおいしいそうです。
天然ブリのしゃぶしゃぶ
これはもう最高ですね。
天然ぶりの脂非常に野性味ありがながら非常に上品質です。
10kg超えた天然ぶりの腹身の鰤しゃぶ食べてみたいです!
高知のブリぬた
リッキーがオススメするのはこのぶりぬたです。
以前秘密のケンミンショーでやっていたのを見て実際にぶりぬたを作ってみたらメチャクチャ美味しくてハマってしまいました。
店でやっていた調理教室でも3月ごろの定番レシピとして試食を作りながらやっていました!
そこでも大好評でした。
食べ方、作り方は下記の記事でご覧ください。
入手しにくいぶりぬたも紹介しています。
高知の読者さんから教えてもらったのは高知ではぶりの刺身には必ずギノーのぶりぬたが添付されているのことでした。
上の写真は養殖ぶりですが本当は脂の抜けた天然ぶりでも美味しく食べられるようにと考えられたもののようです。
ブリの昆布じめ
ぶりの昆布じめです。
天然ぶりを使っているということですが少し小さいサイズだったようです。
たまに市場にこういう加工品がでます。
意外と色変わりもせずおいしいものです。
天然ブリをどうやって買う?
ブリをラウンドで買うときは気をつけてください。
特に12月のお歳暮時期は青天井になります。
よほど信頼できるお店でないと買えません。
いずれにしてもある程度のお値段は覚悟してください。
普段は天然ブリは部位で買う形になるのかなと思います。
理想をいうと天然ぶりか見分けられるといいです。
というのは天然小ぶりと区別したいからです。
やっぱり天然ぶりと天然小ぶり(ガンド)では美味しさが違いますが表記が微妙です。
天然小ぶりを天然ブリと場合があるからです。
養殖ぶりの場合は必ず養殖表記が入るので区別できます。
問題は天然小ぶりと天然ぶりの違いです。
というのも店によっては全て天然ぶりと表記するところがあるからです。
先ほども述べたように普通の天然ぶりは明確な基準があるわけでなく意味としては全て天然ぶりと言っても間違いではないのでそういう表記をするお店が中にはあるのです。
もちろん品質は全然違います。おいしさも全然違います。
値段も違うのでわかると思いますがなんか安いなというときは要注意です。
天然ぶりのときは切身で100gあたり398円を割ることはないように思います。冬場ですよ。
定額販売の場合は1切200円以下にはならないような気がします。
寄生虫に注意!
この天然ぶりやっかいなことが一つだけあります。
それはブリ特有の寄生虫がいることです。
ブリ糸状虫というミミズみたいな寄生虫です。
それを避ける必要があります。
とはいっても身の中に入っている場合お店の人もわからないときあります。
天然ぶりをどうやって売る?
日本海側では冬場に天然ぶりを扱いますが11月下旬から12月15日のお歳暮のピークをめがけて徐々に値段が上がっていくものです。
買付の値段
私たちが店売り用に使えるのは仕入値でk2,000円までです。
意外と11月上旬に安い時期があるので狙い目です。それと12月お歳暮終わってからもチャンスです。
産地の選び方
年内はやはり北陸、新潟のブリがオススメです。
年明けは太平洋側のぶりが中心になります。
2月ぐらいまでは日本海側のものでもいいですがそれ以降日本海もの(地物)にこだわるとひどい目に遭います。
それ以降は太平洋側のぶりに切り替えます。
天然ぶりは冬というイメージですが太平洋側では春からが天然ぶりのおいしい時期といえるでしょう。
特に3、4月は三重のぶりが時期的に安くなりますしおいしいので間違いないです。
桜が咲く頃のぶりでも結構脂のっています。
上の写真は4月におろした三重産の天然ぶりの脂です。結構いいでしょう!
ブリの売価設定
ブリは切身、刺身、サクでそれぞれ売価設定しなければなりません。
それぞれ歩留り計算して販売売価を設定するのが基本です。
ただ仕入値ごとのパターンがあるので毎年それを使っています。
ここについては公開はしていません。
ただ詳しく知りたい方はLINE公式アカウントの方で個別にご案内します。
登録の上声をかけてみてください。
こちらから>>
天然ブリのおろし方、捌き方
天然ブリは10kg超えたりするので他の魚とおろし方さばき方が少し異なります。
基本は同じですが若干コツがあるのです。
一番大きな特徴は、
骨の節が大きい
ので普通のおろし方ではやりにくいということです。
尻尾から身を持ち上げて包丁で叩きながら切るという方法が必要です。
身も重いので扱いを丁寧にしないといけなかったりもします。
また上見を外した後はそのまま骨を上にしたままおろす必要があります。
この辺は別途ご案内します。
ポイントを押さえてやらないと怪我をします。
このブリの労災も多かったりするので正しいおろし方を学ぶ必要があったります。
このブリの労災が多くてなんとかしないといけないと悩んでいる方は一度LINE公式アカウントを登録してみてください。
解決方法ご案内します。
天然ブリの入荷状況
過去のブリの入荷状況のまとめを置いておきます。
2023年年末
この年は天然ブリかなり豊漁な年でした。
能登町に1,600本、800本上がっていました。
12月下旬に買値でk1,000円を割る時も何回かありました。
最初は佐渡の入荷なく能登だけ入荷がたくさんあったという感じでした。
後から山陰や佐渡も増えていました。
12月最後までブリが多かった年でした。
2022年年末
2022年も比較的ぶりは揚がっていました、
ただ買付でk2,000円のときもあったりそこまで相場崩れてはいなかったと思います。
最後に
天然ぶりについてはまだまだ書き足りないくらいです。
都度都度有益情報追加していきますね。
冬においしいぶりですが春先の太平洋側のぶりがおいしいということを地元以外の人は知らないかもしれません。
これがわかるとお刺身ライフももっと楽しめますね!
参考サイト ウィキペディアぶり
<終わり>
個人的には12kg以上になるとブリのトロも一段とおいしくなると思います!10kgくらいだと正直まだ物足りないです。