ゴールデンウィークも近づいてくると魚屋さんでは子供の日の準備をし始めます。
と言ってもひな祭りや母の日と比べると取り立てて売るようなものはなく、子供達が好きなマグロが中心になるのだと思います。
あとは出世魚関連ということですね。
子どもたちの成長を見守る意味でも出世魚にあやかりたという気持ちは親としては当然だと思います。
ところで出世魚っていうとブリやカンパチを思い浮かべる人も多いと思いますがマグロはどうなのでしょう?
いつもこの時期になると考えてしまいます。
今回ちょっといい機会なのであらためて出世魚について考えてみたいと思います。
出世魚一覧
世間で出世魚と言われる魚には次のようなものが挙げられます。
- ブリ
- カンパチ
- スズキ
- ボラ
- イワシ
- コノシロ
それぞれ見ていきましょう。
ブリ
ブリが出世魚としては一番メジャーな存在でしょう。
ブリをよく食べる北陸の例を参考にすれば次のように変わっていきます。
コゾクラ→フクラギ→ガンド→ブリ
地域によって若干サイズ感と名称は変わりますが大体3〜4段階で区別するようです。
詳しくは記事で。
>>天然ぶり 【プロの扱い方公開】〜冬は日本海、春は太平洋が美味しい!〜さかなのさ
カンパチ
カンパチも一般的には出世魚と言われています。
ショッコ→シオゴ→アカハナ→カンパチ
このように80cm以上になるとカンパチといわれます。
地方名も多い魚です。
ブリとよく似ていますがカンパチは深緑色の独特な色をしているので区別しやすいです。
ただカンパチは魚編の漢字がつかないので出世魚でないという説がある点は書き添えておきます。
>>天然カンパチ 〜高級魚とされているけどブリとどう使い分ける? 〜さかなのさ
スズキ
スズキも出世魚の代表魚の一つです。
釣りをされる方は詳しいと思いますが一般の方にもわかりやすいように説明します。
これも北陸を例にして申し訳ありませんが次のようになります。
セイゴ→ハネ→スズキ
各地で似たような感じになるのではないでしょうか。
市場で取引されるのはハネからです。
生存競争を生き抜いたスズキクラスになるとさすがに野生味溢れた存在感ありますね。
近海で揚がったセイゴのお刺身も美味しいものです。
>>天然すずき クセのないあっさりした味わい 意外と料理方法の多い夏旬魚〜さかなのさ
ボラ
出世魚を語るときにこのボラは欠かせません。
というのもボラの一番大きなものをトドと言うからです。
トドと聞いて思い出すのが、「トドのつまり」という言葉です。
聞いたことありますね。
もうこれ以上ないという状態を「トドのつまり」というと思いますが、このトドはボラの一番大きなサイズのことだったのです。
オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド
地域によって若干違うかもしれませんがこんか感じが一般的です。
ボラが日本書紀の別伝にも書かれたということなので古くからいた魚ということのようです。
日本書紀の別伝に彦火火出見尊(山幸彦)の針を口に入れていたのはこの魚(イナ)で、それで海神がこの魚に餌を食うことと天孫のご膳に加わることを禁じた、とある。
ウキペディアより
カラスミはボラの卵でしたね。
イワシ
イワシも実は出世魚です。
シラス→イワシ
シラスを持ち出せばアナゴやウナギもシラスあるじゃないかということですが世間一般的な漢学としてはイワシのイメージ強いですね。
コノシロ
コノシロも出世魚にと言われています。
シンコ→コハダ→ナカズミ→コノシロ
江戸前の鮨に欠かせないのはコハダです。
私もよくコノシロを釣りますが、酢〆にすると骨も気にならず美味しいと思いました。
それ以外の出世魚
他にどんな魚がいるか調べてみると、黒鯛や鰆などが出世魚とされているようです。
そもそも出世魚どうやって認定するのか認定するのはどんな機関がするのか興味あるところです。
調べてみますね。
出世魚は生活との深い結びつきの中で生まれる
どんな魚でも多かれ少なかれその名称が変わるものです。
学術的にいえばなおさらです。
とするならほとんどの魚が出世魚といってもいいかもしれません。
ただ、その中でも特定の魚を出世魚とすることで区別しているように思います。
出世魚とする魚はそれだけ私たちの生活との結びつきが強いものに限定されるのだと思います。
生活の中で出世魚と考えることで特に意味持たせたいという気持ちの表れなんだと思います。
名前は変わっていくけど出世魚とされない魚
今ほどほとんどの魚の名前が変わると言いました。
その中で出世魚になりきれない魚もあるようです。
その代表的なものは次のとおりです。
マグロ、カンパチ(一部の説)、アナゴなどなど
この中で特に面白いのはマグロです。
マグロは出世魚とされません。
小さいマグロをシビと言いますがシビというのが死日を連想させて縁起が悪いからと昔からいわれています。
シズ→カンパチ
この辺は生活との密着度の関係でしょうか。
まとめ
出世魚でまとめて魚を見てみました。
いかがだったでしょうか?
自然界は厳しいもので弱いものから自然に淘汰されていきます。
大きな魚に成長することというのはとても大変なことだと思います。
それは人間の世界でも同じことなのかもしれません。
少なくとも魚を食べながらお子さんの成長を見守れるっていうのは幸せなことだと思います。
海に囲まれた島国日本ならではの感覚なのかもしれません。
<終わり>