今回は珍しく心の叫びというか現状の嘆きを言葉にしたいと思います。
今水産小売り業界が置かれている状況はあまりにも悲惨な状況です。
去年の年末から続いている値上げラッシュに主要魚種の水揚げ搬入減少と魚屋にとってはプラス要素が一つもないわけです。
数字も伸びないし、そもそも魚が売れる気がしないという状況です。
たとえ魚を量販する実力がある店だとしてもヒドイ状況なのです。
いつも強気のリッキーも今回ばかりはさすがにめげそうです。
少なくともやっていて楽しくないのです。
目次
どこの魚屋も数字が悪い
まず最初に言っておきますが、今の厳しい状況は全国の鮮魚小売店で同じです。
既存店でいうとどこも悪いです。
悪いはずです。
自分ところだけ悪いと思って頭を抱えている人も多いでしょうが、実は全国どこのスーパー、百貨店、ディスカウンター、飲食業界、観光外食どこもかしこもかんばしくないのです。
直近でいうと2022年5月のスーパーマーケット主要3協会が出しているスーパーマーケット販売統計調査(月次)でも水産部門は既存店ベースで93.6%ということでした。
ほかの部門からみても低い数値です。
普通ここまで落ちることもなかなかないですが、6月、7月はさらに悪くなっていると実感します。
相当悪いと思っています。
なんでこんなことになるのか?
では、なぜこんなことになったのでしょう。
いろいろな理由が言われています。
温暖化の影響で魚全体の漁獲量が減ったとか
国の人口が伸びて消費が拡大している中国やアジア諸国に日本が買い負けているとか
何年後かには近海の魚がいなくなるとか
冷凍輸入物を中心に去年から芳しくない状況が続いているわけです。
それにプラスして近海生魚の水揚げが極端に減って魚価がなかなか下がらないという状況を経験してきているわけです。
いつも獲れていた魚種が水揚げ少ないという状況は去年から著しさを増した感が強くなっています。
特に後者については近海生魚の売りを得意としている我々にとってはそこそこの危機感を感じざるを得ません。
今まで経験してきた資源枯渇問題とはレベルが違う次元と感じています
間近におこったロシアのウクライナ侵攻や猛暑の影響、円高も拍車をかけた形になっていると思っています。
いずれにしても魚売れる気がしないのです。
魚屋売上を上げる要素がほぼほぼないという状況です。
何もしなくていいことはない
とはいえ、会社に言われるかどうかはともかく、このまま指を咥えてみているわけにはいきません。
この現状をどうにかして打破しないといけないのです。
それがミールソリューションの切り口なのかはたまた温故知新これまでのやり方の修正バージョンでいくのか、いずれにしてもこの難局を乗り越えないといけないのです。
で、どうするかということですが、その前に確認です。
価格体系の根本的変化に対応
みなさんもいろんな戦略に基づいて戦われていると思いますがここにきてある特徴が見えてきました。
価格体系の変化、再構築です。
まずはここの把握が大事だと思います。
それは、
今まで価格帯系がガラリと変わってしまうことです。
今まで298円、398円が中心だった価格体系が、
398円、498円、さらには580円、598円レベルにまでに上がってしまうということです。
昨今の値上げの要請の動きはデフレ下にあった価格体系の終焉を意味するものであり、インフレ化に向かうストーリーが既に作り上げられていたようにも思えます。
値上げの波はもう止めることはできず流れに乗りながら値上げの道を一歩一歩歩んでいくしかないのです。
考えようによっては今までが安すぎたのかもしれません。
言い方を変えると食糧を提供してくれる人達、食糧を作ってくれる人達の存在価値を引き上げようとしているのかもしれません。
こうやって割り切って考えるしかないのです。
舵取りが難しい時代に突入
このような状況の中でいろんな選択しつつ、自らの販売戦略を練っていく必要があるわけですが、この見極め次第で各々企業の存続が危ぶまれる事態になることも予想されます。
それだけ舵取りが難しい時代に突入したといえるでしょう。
それも新価格体系が落ち着くまで身動きとれないという難しさがあるわけです。
今まで定番だった値段で特売をしないといけないわけですからなかなか売上上げにくい状況になると思います。
しばらく新価格体系に慣れるまで販促かけにくいわけです。
今何をしたらよいか
このように価格体系が落ち着くまで何をしたらよいのでしょうか。
この状況下でもがいたところで効果は出にくいというのは先ほど説明しました。
こういう時にやるべきことは基礎力のアップです。
捌きの技術、陳列の技術、売場づくりの技術、売り方の技術、商品管理の技術、在庫管理の技術、鮮度管理の技術
これらの基礎力を磨くのです。
基礎を固めるしかないのです。
まず目の前にある大事なことをマスターするのです。
それが次につながります。
具体的にやるべきことはこれしかない!
で、この難局を突破するために具体的に何をすべきかというと、
自分達の得意分野をあらためて特化していくことです。
例えば刺身が得意であれば刺身の売場を充実させることを優先すべきですし、魚惣菜が得意であればオリジナル名物作りに全力を投ずるべきです。
それも自分達だけで言っているだけでは足りず、もっともっと外に向かってアピールすることです。
リッキーのところで言えば、近海丸魚を対面販売するのが得意なので更に魚種を増やしたり、調理技術、接客技術を磨いていくということに全身全霊をささげるのです。
とにかく○○が欲しい時には自分のお店を思い浮かべてもらうまで特化していくのです。
チラシに表現してもいいでしょうし、SNSを使ってもいいですし、とにかく自店の強みを印象付けるのです。
地域の皆さんに刷り込まれるまで直球勝負で突き進むのです。
いろんな飛び道具あるかもしれませんが、このイメージ戦略がこの苦境下において一番効果あるのです。
言い方を変えるとその地域でのその店の存在価値を作り上げるのです。
まとめ
転んでもただでは起きない
苦境にある時いつもこの言葉が響いてきます。
いつの時代も苦労苦難はつきものです。
順調にうまくいく方が稀だと思ってください。
いろんな失敗や困難を乗り越えて次のステージへ登っていけるのです。
七つ転んでも八回立ち上がる。
そう思い実践すれば必ず苦難を乗り越えられます。
ちょっと精神論になってしまいましたが何よりもあなたにはこのメンタルの強さが必要です。
<終わり>
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