魚をパックして売るとき2つのパターンがあります。
- 魚適当に入れてグラム売りをするやり方 〜ユニットプライス販売
- 魚の重さを量って定額売りをするやり方 〜定額プライス販売
どちらが売れると思います?
どう使い分けるものかわかりますか?
この売り方実は魚に限ったことはありません。
プチトマトや天津甘栗のようなものを売るときと共通することなのです。
お肉もそうですね。
小売りの基本ともいえる販売方法です。
ところがこの点について書かれたテキストというか教科書はあまりないようです。
もしかしたらこういうノウハウをみなさん簡単には公開されないのかもしれません。
今回はグラム売り=ユニットプライス販売と定額販売の違いを解説したいと思います。
どちらがたくさん売れる売り方なのかみていきましょう。
ちなみにグラム売りは専門用語でいうとユニットプライス販売という言い方をします。ここでは略して「ユニット販売」と表現させていただきます。
目次
ユニット販売と定額販売は昔から存在していた。
昔でいうとお菓子やお茶なんかは全てバラ売りでした。
大きな入れ物に入った煎餅をほしい分取り分けて販売されていました。
その場合はグラム売り=ユニット販売だったんですね。
また同時にそれをいくつかザルにもって◯○円で売ったりしていたものがありました。
同じ重さで量ったりしていたので定量定額販売ということになります。
このように昔からこの2つのパターンの売り方があったのです。
今は煎餅もお茶もパッケージに入れられて定額で販売されていることが多いようです。
魚は形や重さが一定でない
魚の世界ではまだ昔の名残りというかユニット販売されていたり定額販売されていたりしています、
もともと魚は形や重さが一定でないからだとおもいます。
ということで魚の世界では今なお売り方としてこの2パターンが存在し、どちらでいこうか考えることもあるというわけです。
実はこの違いを理解することはものをたくさん売るときに非常に大事なところなのです。
どちらが良く売れるものなのでしょうか?
それぞれの特徴を見てみましょう。
ユニット販売の特徴
まず、ユニットプライス販売です。
いわゆるグラム売りは魚の大きさが不揃いの時などに使われる売り方です。
メリット
最大のメリットはパックが楽なので早く売場に並べられるということです。
その分早く売場が充実してチャンスロスが少なくなります。
もう少し詳しくみてみましょう。
素早くパックできる
このユニット販売のメリットはなんといってもパックが早くできるということです。
パックする前提としてトロ箱の魚をトレーに盛り付けしないといけませんが適当に入れていけばいいので時間はかかりません。
これは朝の忙しい時間にスピードを要求される魚屋にとっては大事なところです。
面倒くさくない
わざわざ量らないでいいので面倒くさくありません。
初心者でもやりやすいといえます。
盛り付けするお店の方としては楽ですね。
売場も早く充実する
素早くパックできるので売場にも早い段階で並べることができます。
チャンスロスを減らせます。
お客さんは好きな量目を選べる
グラムで量って売るので量がそれぞれ違わせることができます。
専門用語で言うとSKUが最大化たくさん作ることができます。
要はお客さんは選びやすくなります。
これは大きなメリットだとおもいます。
ではデメリットはなんでしょう?
デメリット
お客さんが選ぶのに
値段がパックごとに違うのでお客さんが選ぶのが大変
パックごとに量目が違うといい面もありますが逆にお客さんにとっては面倒くさいということも言えます。
買い物時間が短い方がいいという人が多いです。
売場に並んでいる商品の値段も一定の方が買いやすいということも言えます。
売れないものが残る
お客さんにとって選べるというのはメリットですが反対にお客さんが選びにくい大きいパックなどはいつも残るといったようなことがよくあるようです。
まあ、大きなパックだけが残った場合も小さく小分けして手をかければいいのですがなかなかそんなことしてられないというところでしょう。
次に定額販売の特徴を見てみましょう。
定額販売の特徴
定額販売は同じ大きさな器や容器、袋に一定の量目を入れて同じ金額で販売する方法です。
メリット
この販売方法のメリットはわかりやすいということです。
わかりやすい
売場に一つの値段しかなければお客さんは迷う必要がありません。
この値段として量目が満足できるかが購入の決め手になります。
ただ、定量定額販売だと値段が均一になるのでお客さんはどれを選んでいいか迷わなくていいです。
買う人に都合がいい
買い物もスムーズにいきやすいです。
例えば店全体も298円の売価を中心に構成されているとある意味わかりやすく安心でもあります。
売りを最大化できる
簡単にいうと売上を激増することが可能になるやり方です。
値段が決まっているので自分にふさわしい量目かだけ注意すればいいと言うことです。
ただその反面デメリットもあります。
デメリット 〜パックが大変
お店側からすると時間がかかって大変になります。
例えば小あじを300g入れて198円で販売するようなとき、
盛付け担当者ははかりを準備して、トレー給水紙の重量(=風体)を引いて300gを若干超えるようにして盛り付けしてパックするわけです。
数パックだけならいいですが大量となると時間もかかるし大変でもあるわけです。
朝の忙しいときに定量定額でパックするのは苦痛でもあります。
ユニット販売と定額販売の対比
ユニット販売 | 定額販売 | |
お店の視点 | 楽 | 面倒くさい |
お客さん視点 | 面倒くさい | 楽 |
爆発力 | そんなにない | かなりある |
使い分け | 魚価が高いとき | 魚価安いとき |
このようにユニット販売は売る側パックする側にとってメリットがあり、定額販売はお客さんにとってメリットあるということになりやすいです。
どちらの販売方法がたくさん売上を作れるのでしょう?
結局、定額販売の方がたくさん売れる売り方ということになります。
安さを強調して売りたい時に定額販売を使うと効果的です。
魚屋ではどうやって使い分ける
ここまでは一般論を話してきました。
ここからが一番伝えたいメインのところです。
魚屋にとってはどちらがメリットあるのか?
どう使い分けるのか?ということですね。
魚屋ついて言えば仕入値のキロ単価が高い場合についてはユニット販売をするとよく、仕入値のキロ単価が安い場合に定額販売をすると売りやすいと言われています。
実際実務で使われている原則です。
例えば、
はたはたが入荷したとします。
はたはたは小さいサイズもありますがだいたいが中くらいのサイズの場合が多いです。
売価でk1,000円超えるようなときにはユニットプライスすなわちグラム売りをした方がいいです。
少ない量で調整できるからです。
それに対してはたはたの売価がk1,000円を下回るようなら安いので定額で販売します。
例えば300gで298円という値段もつけられるからです。
500g 398円という値段をつけられなくもないわけです。
そうすると格段と売りやすくなります。
これらは魚屋の大原則なのですがこれはなかなか教科書に書いてはありません。
ベテランの人でも知らない人がいるかもしれません。
しかしながらこうやって考えると魚がスムーズに売れていくのです。
みなさんもぜひこの原則をやってみてください。
攻める鮮魚売場を作る時はこのようにしてやっているのです。
まとめ
今回もちょっと専門的な内容となりました。
でもこういうことはなかなか教科書に書いてないんですよね。
魚を売るといっても原理原則をしっかり考えてやると結果が思うように出てきます。
知っている人と知らない人で確実に差が出ます。
値段が高い時はユニットプライスで安いときには定額販売
ということです。
ぜひ実践で役に立ててください
「さかなのさ」ではこのような魚が売れるノウハウを可能な限りこれからも紹介していきます。
本当に魚屋の売上をなんとかしたいという方は日々投稿される「さかなのさ」の記事をチェックしておいてください。
不明な点ありましたらコメント欄か問合せページからご連絡いただけると幸いです。
<終わり>
コメントを残す