鮮魚を販売しているとみんな値入率のことは結構真剣に考えますが、この見切り値引きのことはバイト任せで二の次にしている店が多いです。
ところがこの見切り、値引きがまさに荒利確保の最終決戦場になることはあまり重要視されてないように思います。
もしかしたらわかっているのかもしれないですが現実はキチンとなってないようです。
そのためにせっかくの商品=お金が無駄になってしまうことも少なくありません。
しかも慢性的にそんなような状態であれば月間の収益も芳しくないことになります。
少なくとも「攻める鮮魚」提唱している我々にとってはまさにここが利益を残せるかどうかのキーポイントだと思っています。
見切りこそが利益を残せるかどうかの最重要業務になると認識すべきです。
なので、見切り値引きは真剣勝負で適切に商品を流すべき行為と考えたいです。
※見切りと値引きは厳密にいうと違うのかもしれませんが便宜上ここでは同じものとします。
そしてその見切りは基本2段階値引きであるべきです。
これが上手にできれば商品の流しもスムーズになり利益確保のコントロールもできてきます。
ということで今回ここの部分をしっかり解説してみたいと思います。
特に鮮魚部門の利益が継続的に低迷して悩んできる人にとっては役立つ情報になると思います。
>>消費期限と賞味期限の違いにつてい
目次
見切りの考え方 〜攻める鮮魚の教科書より
本来であれば生魚でいえば当日販売売り切りが原則です。
しかしながら加工品やメーカー製造品で消費期限があったりしますので値引き行為すなわち見切りが発生します。
パックの消費期限を前提とした値引き行為が前提です。
営業終了時間が20〜22時のローカルのスーパーとしてお考えください。
もちろんみなさん承知のところでそれぞれ基準がおありだと思います。
しかしながらよく考えるとこの見切りタイミングどうしたらいいか悩むんですね。
また鮮魚運営に慣れてない読者さんでどうしたらいいのか全く解らないという方もいらっしゃるでしょう。
まずは見切り行為が利益を左右するものとご認識ください。
その上で、結論から言えば、値引きは2段階値引きが最適でありそれで十分です。
この2段階値引きについては後ほど解説しますが注意しないといけないのがこの2段階の基準があるとしても計算通りにいかないという点です。
鮮魚の入荷量はその日その日によって違います。
それによって製造量も変わってくるわけですから残り具合を見ての調整が必ず必要になるわけです。
なので商品の特性ごとに分けてみていく必要があります。
いずれにしても、この見切り行為(=値引き)は入荷量が不安定な鮮魚においてはその担当者の的確な判断に委ねる部分がとても多いです。
さらにはその教育の部分にも関わるのでないがしろにできないところといえます。
そして見切り能力の差で著しく利益状況が変化するという点を十分ご認識してほしいのです。
一発半額をするとどうなる?
先にこの一発値引き、おそらく半額になると思いますがこの一回しか値引きしないとどうなるのでしょうか?
一発値引きとは商品に対して一回の値引き行為しかしないことを言います。
割引率はそれぞれでしょうが通常は半額になることが多いようです。
これは私も新店でみんな不慣れで間に合わないときにやることあります。
通常月から言うと5%近い下落になります。
廃棄ロスが出まくって利益が残らないのです。
もちろんセールもあるので最終的な全体利益は通常月よりも10%はダウンするイメージです。
バイヤーや商品部の力量が弱いところでは15%も落とすこともあります。
※さすがにグランドオープン時でも鮮魚でマイナス利益になると言う話は聞いたことがありません。
結局消費期限何日前からするかにもよりますが期限当日に半額にしたところでほとんど残ると言う感じです。
もし一発値引きをするなら消費期限の2日前にしたいところですがそもそもD+3しかないところに2日前で半額見切りしていては何をやっているかわかりませんね。
ということもあって一発値引きは鮮魚のとってはダメージ大きいものというのがわかります。
見切りの基本は2段階
このように鮮魚の見切りのタイミングは2段階であるべきことがわかりました。
では見切り値引きの基本型はどんな形になるのでしょう。
このパターンが一般的でしょう。
1回目(初回) ・・・ 消費期限前日 ・・・ 10〜20%または金額値引き
2回目(最終) ・・・ 消費期限当日 ・・・ 半額 ※こだわりで40%という店もある
これをどの時間帯にするかも大事です。
私の攻める鮮魚売場においては1回目を一旦午前の部が落ち着いた13時頃で、2回目は夕方の16頃からやっています。
ただ、それぞれの店によって状況が違うので朝イチにやるのでもいいと思います。
いずれにしても2段階である点がポイントです。
1回目(初回)値引き
この1回目の見切りが最も重要です。
ここは大概慣れているパートさんがやる形になるのかなと思います。
というのはここで見切り損ねが出るとそのまま値引きされないままになってしまうからです。
2回目の値引きは割引シール貼っているものしか見てやらないからです。
1回目のシールが貼ってないものはほぼ確実にスルーされます。
よほど能力の高い人でないと値引きシール以外のものをフォローできないでしょう。
なので、できるだけ集中力のある人にやってもらうのが理想です。
私自身も何度ここで泣いたかわかりません。
指導といったところでみんな一所懸命やってはいるのであとは性分になるのかなとも思ったりします。
同じ担当者がやるようにすると解消されることもあります。
2回目(最終)値引き
ここが最後の砦です。
ただ、一般的にはここの値引きはアルバイトさんにやってもらうところがキモになります。
まあ、みなさんここで頭を痛めている方が多いでしょう。
見切り忘れ、値引き漏れ。
次の日の朝真っ青になった経験をおありかと思います。
夜間店長も知らん顔だったり誰を頼ればいいんだって感じですね。
またここでアルバイトの質を求めるのはなかなか難しいので仕組みで考えるしかないと思います。
リスト表を作るのも手ですがただでさえたくさんの業務がある中で実現性は低いかもしれません。
やはり、1回目の見切りの精度を上げるしかないと思っています。
そのうちAIが解決してくれる時代が来るかもしません。
なにを見切るのか?
で、何を見切って何を見切らないか。
わかっているようでわかっていないということがあります。
もちろん、日付がついているものなら日付で管理すればいいわけですが日付のないものがありますし日付あっても調整が必要なものもあります。
それぞれ見ていきましょう。
消費期限がない商品 対面丸魚
これは対面に出した丸魚です。
物理的につけにくいものであり鮮度を見て判断でき説明できるものなので消費期限をつけなくて問題ありません。
たまにプリターシールを対面丸魚につける時があります。
仮に値段をつけるときシールをつけた場合でもついている消費期限は厳密でなくていいと思います。実際より短くなっていたりする場合の方が多いと思います。
厳密なことを言えば、消費期限の記載を消すか正確な消費期限をつけないといけないということでしょうがそこまで必要ないと思います。
※ここはあくまで経験則に基づいた私見です。
対面で説明することができるからです。
そもそも丸魚正確な消費期限なんて魚の状態によって違いますしおろしてみないとわかりません。
なので相当悪くなければあと1日くらいは大丈夫だよと案内すればいいでしょう。
本当は刺身であれば2日後、加熱用であれば4、5日持つようなものもありますが。
青果物も同様です。
当日消費期限の商品
それは当日のみの消費期限の商品です。
鮮魚でいうと刺身や寿司、魚惣菜です。
いずれも製造が必要なものです。
これが一番やっかいです。
ここままさに製造計画の精度と値引き勝負で利益状況が変わってきます。
別の管理手法が必要になるところです。
ボリューム大きいところなので別記事であらためてご案内させていただきたいと思います。
セール品
セール品の値引きも非常に技術を要するところです。
ここは本来セール品の販売計画の精度が高ければ問題になりません。
大概中途半端抽象的なのです。
ただ確かに予測不可能なことも起こり得るのでセール在庫が残るということはあるでしょう。
基本は中間値引きで流せるかにかかります。
鮮魚においてもこの中間値引きを駆使してベターな利益を確保することが大事になります。
それ以上に販売計画の精度が重要になる点は理解しておいてください。
ちなみ私の経験した店で食品グロッサリになりますがこの中間値引きをしないという店がありました。
粘り強く売っていくということのようですが生鮮の感覚からしたらダメだと思います。
生きた魚貝類
サワガニやどじょうなどを金沢では販売することがあります。
「元気のいい新人君がこの消費期限何日ですか?!!!」
と声高らかに聞いてくることがあります。
オイオイという感じです。
サワガニなどは空気穴のあるパックなどで流通しているからです。
もちろんこれらには消費期限はつけません。
というより生鮮品というより生物です。
なので死んだら処分いいです。
活魚とかもそうですね。
消費期限はつけません。
割引値引きと金額値引き
値引きにはパーセントで割り引くやり方と金額で割り引くやり方があります。
これの使い分けですね。
割引率値引き
前者は管理が楽というメリットがありますのでこれを採用する企業が多いです。
割引値引きは基準が明確なので誰でもできます。
どんな金額のものに対しても10%とか20%とか一つ決めるだけで対応できます。
ただ細かい設定ができないデメリットはあります。
割引金額値引き
それに対して金額値引きはお客さんにとってわかりやすくより売りやすくなるというメリットがあります。
1,000円の中国産うなぎ蒲焼きを2割引きで売るより200円引きで売った方が売れると言われています。
実際高額商品の場合は金額でで引きした方が売れます。
自由に金額を設定できる点もメリットと言えます。
たくさん残った3,000円の国産うなぎ蒲焼を1,000円引きにしたいとき金額値引きは楽です。
割引率割引では3割で900円しかできずインパクト薄いです。
それでいうと金額値引きのパフォーマンスが高いと言えます。
ただその自由度が逆にデメリットにもなります。
値引き金額の判断が必要になります。
物の見立てや技術が必要になるのです。
スーパーの選択は割引率値引き
ということで大多数のスーパーマーケットでは割引率値引きが主流となっています。
もちろん、金額値引きがいいという企業さんも多いので最後は企業の考え方になるのかなと思います。
かしこい見切りのやり方
見切りの小技もたくさんあります。
たくさん見切り商品があるときは全体値引きでPOPつけるとか色々あります。
後日追加してきます。
見切りの失敗談
見切りの失敗談は山ほどあります。
肝心なバーコードに見切りシールを全部貼ってしまってレジ通らないとか。
都度追加していきます。
まとめ
一言で言えば見切りに力を入れる前に、
販売計画、製造計画、売場計画
を充実させることが重要です。
ただ鮮魚部門としての出口をしっかり管理していかないと最終利益を確保することは難しいと言えます。
その意味で手を抜けない部分ではあります。
ここはいろんな経験を積みながら最適な見切りポイントを見つけものしていかなければならないでしょう。
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