イカやタコの煮付けを食べる時
「あれっ!固い!」
と思ったことありませんか?
確かに煮過ぎたりすれば固くなるのもわかります。
でもそんなに煮付けてないのに固いことがあります。
それはみりんを使っているからなのです。
どういうことでしょうか?
詳しく見てみましょう!
イカ、タコの煮付けではみりんは使わない

イカやタコなどの軟体類を煮付けにするときはみりんを使わない方がいいとされています。
みりんの中に入っているアルコールが魚の身を固くする作用があるからです。
カレイなどを身が柔らかい魚を煮付けにする場合は煮崩れしないようにみりんを使う価値があります。
それに対してイカやタコなどの軟体類やカニやエビなどの甲殻類を煮るときにみりんを使うと身を固くしてしまうのです。
みなさんも何気なく経験されたことがあると思います。
「ふわっと炊けない」って。
煮付けには必ずみりんは入れるものだと思っている

煮物煮付けにするときは当然のように「みりん」ということで入れている人も多いと思います。
確かにみりんを入れるとテリが出ておいしそうになります。
また、甘味も入っているので重宝します。
しかし、イカやタコを煮付けにするといはみりんを使いません。
身を硬くする作用があると言われているからです。
例えば、みりん干しにするためにタレの中に魚の身を漬けて1日たつと身がカチッと締まったりするということは実務でよく経験します。
アルコールと糖の相乗効果で動物性タンパク質を引き締め、植物細胞では澱粉の流出を防ぐということです。
言い方を変えるとみりんには身を固くする作用があるということになります。
なのでフワッと炊きたいときはみりんを使話ないというのが料理業界の常識です。
イカタコだけでなくホタテやえびを煮る時もみりんを入れないほうがいいということです。
ちなみに、ラーメンで有名な大勝軒のやわらかいチャーシューも肉を固くするみりんを使わないというのがこだわりのようです。
ではどうしたらいい?

イカやタコを煮付けにする時に甘味をつけたいときは砂糖を使ってください。
合わせて魚の臭みを消す意味でアルコールを含んでいる日本酒を使うといいでしょう。
みりんを使うよりもフワッと煮付けることができます。
先程のようにホタテ(貝類)やエビなどを煮付けるときも同じです。
みりんを使うのはカレイや鯛など魚を煮付ける時でイカやタコ、甲殻類を煮付ける時は砂糖日本酒使うと覚えておいてください。
大きさは固さに関係する?
イカやタコの大きさは固さに関係しているのでしょうか?
関係します。
確かにいかなどは春先に生まれて秋に向かって大きくなるので春先は柔らかく、秋深まると固いということはあります。
タコも似たようなものでしょう。
その意味でイカタコの大きさは大いに関係あると思います。
煮る時間は?
イカやタコを煮過ぎてしまって固くなるのでしょうか?
よく甘露煮でもとても柔らかいものがあります。
煮る時間を長くするとチャーシューのようにやわからかくなるということも考えられます。
しかし、イカやタコを煮る時は脂分が少ないので長い時間煮つけても固くなるだけで柔らかくなりません。
甘露煮などで柔らかいのは圧力釜などなやっているんですね。
それで柔らかくなります。
普通イカタコを煮る時はふわっと炊いて火が通れば十分です。
味が染み込むのは冷ますとき
味を染み込ませるためには一度冷やすことです。
魚の煮付け全般に言えることですが煮付けた魚は冷めるときに味が染み込むものなんです。
したがってイカタコを長時間煮込むことはNGなのです。
柔らかくておいしい煮付け

もう一つそれでもやわらかくしたい場合煮る時に炭酸水を使うとよいということはご存知でしょうか?
弱酸性の炭酸水が魚の「タンパク質」に作用し、繊維の分解を促進することで柔らかくなりますと言われています。
重曹(炭酸水素ナトリウム)などを使っても同じです。
炭酸水も重曹も魚のヌル味や臭みをとることかもあったりしますので何かと利用しますので常備しておいてもいいでしょう。
いずれにせよ煮過ぎた固くなりますのでご注意を!
<以上>
参考記事 自分でさばいて刺身にしたい北陸の魚7選 5月下旬編
参考記事 魚をさばく主婦にオススメな包丁がこれ!使いやすくて重くない洋包丁「藤寅作」
商品紹介
イカやタコは甲殻類では無いが…
通りすがりさん コメントありがとうございます。
ご指摘の通りイカやタコは軟体動物で甲殻類ではありません。
誤った表記になっていましたので記事該当部分を訂正いたしました。
ご指摘ありがとうございます。
これからもご愛顧の程よろしくお願いいたします。