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刺身にできるか迷ったときチェックしてほしい5項目〜鮮度いいだけでは危険!

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みなさんは魚を釣ったり、もらったりするとき鮮度がよければ刺身にしたいと思いますね。

自分で捌けるよって方ならやっぱり腕を振るって家族を喜ばしたいと思うのも当然です。

ところが刺身は非常にリスクも高い食べ物でもあります。

アニサキスの問題や鮮度落ちの問題があるのはみなさんもご存知ですね。

鮮度がいいというだけで刺身になると判断してはいけないのです。

いくつかの条件をクリアしてはじめて刺身にできるものなのです。

毎日刺身魚をあつかうプロとして、

「どんな条件が備わったときに刺身にできるのか?」

について今回詳しく解説したいと思います。

実際釣り人などで

「鮮度がいいから大丈夫だろう!」

「いつも食べてるから大丈夫!」

という人多いと思います。

しかし実際刺身で食べて体調不良になったり、時には入院手術までに至ったという話もよく聞きます。

くれぐれも鮮度だけでないということをわかってほしいです。

あと一つ二つを判断基準に加えてほしいです。

余計なお世話だとお叱りを受けるかもしれませんが念を押させてください。

ぜひ最後までこの記事をご覧になっていただいて安全なお刺身ライフをお過ごしいただけるようにお願いします。

>>魚捌く包丁を買うならこれ!【主婦必見】プロがすすめる究極の1本!刺身もOK

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この記事を特に読んでほしい人

この記事は自分で捌く人に読んでいただきたいです。

具体的にいうとこのような方々です。

  • 釣った魚を自分(身内)でさばく方
  • 海の近くに住んでいて魚をさばく機会が多い方
  • 小売店で魚を扱う初心者の方
  • 飲食店で魚を捌く初心者の方

プロの方へもお届けしたい内容です。

ここでいう刺身はもちろん魚が前提です。

まず今回このテーマを考えるとき対象となるのは魚介類です。

牛や鶏のお肉なんかも生食するときに刺身(タタキ)という言い方をする場合ありますがここでは魚介類に限定させてください。

ちなみに魚介類というときは魚類、貝類だけでなく海藻類も含まれます。

刺身は古来よりその土地土地で培われてきた食べ方

まず、この問題を考えるとき刺身は非常に地域性の強い食べ物だという認識が必要です。

それぞれの土地で食べられている食べ方があり、おそらく昔からずっとその食べ方をされているのだと思います。

そう意味ではその地域での食べ方が正しいわけで、刺身になるならないもその土地土地のやり方がまずは正しいと考えます。

なぜならその地域の刺身の食べ方をしてきて、体壊すわけではないし食中毒事故に遭うこともなくこれまでずっときているからです。

それがたとえ火を通さない生の魚であってもです。

【刺身は日本の古来からの食文化】

刺身のように魚介類を生で食べるという行為は外国人から見ると非常に特異な行為に見えるようです。

しかし古来から日本人が慣れ親しんだ食べ方でさらにいうと日本の食文化の一つとさえ言えます。

ということは刺身になる条件も日本人のが一番よく知っていると言えるでしょう。

少なくとも刺身になるかどうかの判断は基本的に経験則が前提となるわけです。

副材料や付け合わせなども吟味しながら人間の英知を結集させて「刺身」という食べ方を現代まで存続させ続けてくれたんですね。

ここについてが先人たちに非常なる敬意を表したい気持ちです。

過去には魚を生で食べることによっていろんな悲劇が起こったり、問題が起きたりしたんだろうと思います。

しかしいろんな苦難を乗り越えて一つの「刺身」という魚の生食文化を確立してきたのは本当に素晴らしいことだと思います。

【地方、人によって違う】

刺身(魚の生食)は非常に地方の色合いが濃いものです。

まず地域で獲れる魚がそれぞれ違うからです。

そのため魚の食べ方も食べる種類範囲もとても地方色が強いものとなります。

その土地の人が一番詳しいということもありえます。

そしてその地域で行われている食べ方がおそらく正しいといってよいわけです。

その意味で刺身もいろいろ食べ方あり得るわけですがそれはそれで今までずっと成立してるものなわけです。

他の土地では刺身で食べないというものでもその土地では平気に刺身にして食べるということはよく見られます。

これまでずっと昔から刺身になると思って食べているものが実際は危険なものであったとしてもがまさか刺身にならないとはその土地の人はこれっぽっちも思わないでしょう。

そんな地域が日本全国たくさんあります。

また人の知識経験も千差万別です。それぞれの人がいろんな基準を持って刺身になるかどうか判断しているわけです。

言ってみれば現状ではいろんな基準が乱立している可能性があるわけです。

全国どこでも使える客観的基準(条件)必要!

ただ、今の時代いろんな人がいろんな場所地域を行き来しています。

そしてそのときその地域で食事をすることもあるわけです。

そのときその地域に住んできる人は大丈夫だとしてもそれ以外の土地の人には刺身で食べるのは危険というものがあっては好ましくないでしょう。

そうするとやはり一定の客観的基準(条件)は必要となるわけです。

ただ、先ほどの地域性が強いせいかあまりこの基準っていうものがはっきり確立されてないようにも思えます。

鮮度がよければ大丈夫みたいなざっくりしたものでしかないのではないでしょうか?

そこで今回全国誰にでも共通な刺身の条件を考えてみたいと思います。

魚のプロとして長年数々の魚を扱い、捌き、刺身を作ってきたリッキーの経験則を生かして一つ提案させていただきたいと思います。

特に自分でさばく方への判断材料として刺身に必要な5つの条件を提示させていただきたいと思います。

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刺身で食べるための5つの条件

そこで今からお刺身に必要な5つの条件を挙げさせていただいきます。

前述の通り魚介類が今回の対象です。

また可食可能な部位でなければ刺身といえません。骨とか内臓かどうかとかはそもそも対象外になります。

それを前提として、刺身になる条件とは次の5つです。

刺身の5条件
  1. 毒がないこと
  2. 鮮度が悪くないこと(鮮度がいいこと)
  3. まずくないこと(おいしいこと)
  4. 寄生虫の問題がないこと
  5. アレルギーの問題がないこと

いかがでしょうか? 思った通りの条件だったでしょうか?

通常1.2.3.のことまでは考えると思います。ですが4.5.のことは見落としがちです。特に釣りをされる方は注意が必要です。

その点も含めてそれぞれどういうことか見ていきたいと思います。

1.毒がないこと

これは当然といえば当然ですね。

テトロドキシン

例えば、ふぐなどは毒があるというのはみなさんご存知ですね。

テトロドキシンという猛毒を内臓に持っているから一般の人がふぐをさばいて食べたりしませんね。

また、ソウシハギというカワハギの仲間も毒があります。まれにスーパーで誤って売られていてニュースになったりもしています。これも毒があるため食べられません。

イクチオヘモトキシン

うなぎの血にも毒があると言われています。

イクチオヘモトキシンというタンパク質の毒です。

穴子やハモもそうです。

これを刺身で出すお店もあるようですが基本毒がある魚なので注意してください、。

ウナギの新鮮な血液を大量に飲んだ場合、下痢、嘔吐、皮膚の発疹、チアノーゼ、無気力症、不整脈、衰弱、感覚異常、麻痺、呼吸困難が引き起こされ、死亡することもあるといわれている。

厚生労働省HPよりhttps://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_det_06.html

毒があるかどうかは今の時代ネット検索すれば出てきます。似たような魚もあるのでよく見て判断してください。

魚介類に毒がないことが揺るぎない刺身になる条件の一つです。

>> 刺身で食べない方がいい魚7選 この魚の刺身には注意しろ!〜プロの実体験より

水銀

あと、金目鯛なんかも水銀を含む場合があるといわれているので妊婦さんには避けてほしいです。

食べてすぐどうなるというわけではありませんが避けたほうが良いようです。

厚生労働省のHPが詳しいのでURL載せておきます。

>> これからママになるあなたへ 魚について知ってほしいこと 厚生労働省HP

2.魚の鮮度が悪くないこと(鮮度がいいこと)

次に刺身になるかの条件としては大事なのは鮮度です。

ただ鮮度の見方はなかなかわかりにくいですね。

K値

科学的にいうとK値という専門的な判断基準があります。

生菌検査

また、生菌数で判断するやり方もあります。客観的な基準としては検査機関で行われる培養検査の結果で科学的に判断すべきあるという意見があるのもその通りだと思います。

ただ、これを条件にしたところでスーパーならともかく一般の人がそんな検査をするわけにいかないですし、事後的なの判断基準にしかなり得ませんのでここでは参考程度に留めたいと思います。

ちなみにスーパー小売店で販売する時は一般生菌数が10の5乗以下でなければ刺身として販売できません。イメージでいうと古いまな板を使っているとか水洗いをしっかりしてないとか常温で刺身をしばらく放置するのが常態化しているとかいうほどでないとこの10の5乗を超えることはないです。

結局は自分で鮮度を判断する目を養う必要があるわけですし、その基準(条件)も実務的なものから考えていく必要があるということになります。

釣りをする人はいつ獲れたかわかるのであまり問題になりませんが、普通に店で買う時は売っている魚がいつ入ったのか分からないので判断にくいところです。

魚の鮮度を見分けられるという人はいいですが、それ以外の人は信頼できるお店を選ぶかお店の人に聞くのという形がいいでしょう。

熟成

ここでちょっと確認です。

刺身になる鮮度についてみなさんがよく誤解される点があります。

それは鮮度というとすごく鮮度良くないというふうに思ってしまいがちな点です。

しかし刺身になるかならないかの基準としてはとても鮮度がいいというのは好ましいことですが、すごく鮮度いいことまで必要なくて鮮度が悪くない程度でもお刺身になるということです。

例えば、甘えびやマグロなんかは獲れたばかりのものより1日2日は置いておいたほうが断然美味しくなります。実際水揚げされたばかりの生きているほど新鮮な甘えびを食べても味も素っ気もないものです。

実際、魚をおろして2、3日後に食べても温度管理をしっかりしていればいわゆる熟成するので刺身としておいしく食べられるわけです。

その意味でこの条件の表現としては、「鮮度が悪くないこと」としたほうが良いかもしれません。

3.まずくないこと(おいしいこと)

毒がなくて鮮度が良くても美味しくなければお刺身になるとはいえません。

まず、鮮度は悪くないけれど身が変質している場合があります。

焼け、のり、しらた

「焼け、のり、しらた」と言われる場合です。

水揚げの際、魚が暴れて体温が上がりその後身が変質する場合です。

これは鮮度悪いわけでないのですが美味しくない食べるに値しない場合です。

まずい刺身

もう一つ、そもそも味が美味しくない刺身というものがあります。

これは私が実体験したことですが、とある漁港から新鮮な珍しいいかが入荷したことがあります。

確か黄金イカとかいう名称だったと思いますが浜の通称で正確な名称ではなったと思いますが赤いかに似たイカだったと思います。

いわゆる浜(港)から来た珍しいイカというとこでそのうちの一つをみんなで皮を剥いて試食したところ、あまりにもまずくて吐き出してしまったことがあります。鮮度はいいけれど水っぽくて嫌な後味が残るイカだったということで今でもそのまずさを覚えているくらいです。

やはり刺身になる条件として「味がまずくない」という項目はいれるべきと思いました。

そんなことで刺身になる条件としては「おいしい」とまでは言わなくても「まずくないこと」は最低限必要だと思いました。

4.寄生虫の問題がないこと

で、問題は新鮮ならお刺身OKみたいな風潮がある点です。もう一つ大事な条件としてアニサキスなど寄生虫の問題がないということは入れたいです。

アニサキスにはくれぐれも注意

よくあるのが朝どれの魚を刺身にしてアニサキス被害にあったという事例です。

2020年5月の直近でも北陸のスーパー回転寿司でアニサキス被害が出たという話は3件ありました。

私に言わせれば朝どれ魚ほどアニサキス危ないものはないということです。というか最近まわりで起きたアニサキス被害事例は朝どれの魚ばかりでした。

朝どれ=新鮮=胃の中にいるアニサキスは身に入らない 

と思うんでしょうね。新鮮神話とでもいえそうですね。

しかし新鮮なら大丈夫と思ったら大間違いで、基本すべての魚がアニサキス を持っているものです。食物連鎖の中にあるわけですから。特にいわし、カツオ、さばなどが傾向として多いというのはあります。

意外と多いのが車だい(まとう鯛)という点はあえて書いておきます。

これを防ぐには寄生虫を完全に取り除くか冷凍をかけるなどをして死滅させるしかありません。

この点に関しては下記の参考記事が詳しいです。どうしても気になる方はこちらをご覧ください。

以上のことから、この「アニサキス の問題がない」も当然刺身の条件に入れないといけません。

一般の方はこの条件をスルーしてしまうことが多いのであえてご注意いただきたいです。

淡水魚の生食は避ける

あと忘れてならないのが川魚の生食です。

これも寄生虫が多いので控えるようにしてください。

実際地域に根付いている食べ方もありますがくれぐれも注意が必要です。

どじょうの踊り食い、あゆの刺身、コイのあらいなど

5.アレルギーの問題がないこと

この点も見落としがちですが、これは「毒」「鮮度」と近いところにある問題かもしれません。

カジキやマグロの切身などを常温に長く置いておくとヒスチジンというアミノ酸がヒスタミンを生成し、それを食べた人がヒスタミン中毒の蕁麻疹など起こすということがあります。

サバで蕁麻疹が出たという時もこれが原因のことが多いです。

これを防ぐにはしっかりとした温度管理以外にありません。

夏場など暑い部屋に出しっぱなしにするのが一番危険です。冷蔵から出した後はできるだけ速やかに調理処理をしてしまいましょう。

ちなみにこれは加熱しても死滅したりなくなったりするものでない点注意が必要です。悩んだら使わずに廃棄したほうがよいでしょう。

事例としてあり得るので今回の条件に入れておきたいです。

ヒスタミン食中毒は、ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品、特に魚類及びその加工品を食べることにより発症する、アレルギー様の食中毒です。

ヒスタミンは、食品中に含まれるヒスチジン(タンパク質を構成する20種類のアミノ酸の一種)にヒスタミン産生菌(例、Morganella morganii)の酵素が作用し、ヒスタミンに変換されることにより生成します。

そのため、ヒスチジンが多く含まれる食品を常温に放置する等の不適切な管理をすることで、食品中のヒスタミン産生菌が増殖し、ヒスタミンが生成されます。

ヒスタミンは熱に安定であり、また調理加工工程で除去できないため、一度生成されると食中毒を防ぐことはできません。 

厚生労働省HPより

刺身にするか迷う場合

通常だとお店で買えばお店の人が教えてくれるので刺身にできるか悩む必要はないと思います。

ただ、もらった魚とか旦那さんが釣ってきた魚とかになると自分で判断しなければならないわけです。

昔からばあちゃんに教わったよという方ならともかく誰も聞く人がいないときは無理せず煮付けや塩焼きにしてください。

もしどうしてもという方はこの記事をしっかり見てもらってご判断いただければ解決すると思います。

くれぐれもこの条件に一つでも当てはまらないものがあれば刺身で食べないでください。

慣れている方も多いと思いますが再確認の意味でも刺身になる5つの条件を挙げさせていただきました。

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最後に

刺身を食べておいしい時みんな笑顔になります。どんどんお魚捌いてお刺身作ってほしいです。

でも自分で魚を捌いて自分で刺身にするということはリスクも自己責任ということになります。

迷った時はやめるという判断も大事です。

その前にこの記事が役に立ってくれると嬉しいです。みなさん身体の不調を来すことがないようしてもらえればそれで十分です。

まだまだわからないこといっぱい出てくると思います。そんなときのご質問ご要望は問合せコーナーで承ります。コメント欄でも結構です。

遅くなっても必ず返信いたしますのでお気軽にご連絡ください。

長文ご精読ありがとうございました。

本日はこの辺で終了とさせていただきます。

参考記事 自分でさばいて刺身にしたい北陸の魚7選 5月下旬編

参考記事 さんまの刺身の美味しさと恐怖 〜アニサキス被害を防ごう!第2弾 画像付き

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リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属