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イカの刺身とアニサキス【被害を防げ】鮮魚部門での正しい理解と対応法

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皆さんイカ刺し食べてますか?

ただアニサキスのおかげで正直イカ刺しが食べにくいです。

アニサキスは人間の体に深刻な被害をもたらします。

その中でもイカにアニサキスがよく多くついているということで注意が特に必要です。

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イカ刺しは特にアニサキス被害の危険あり!

いか刺身
リッキーのスルメイカお刺身ドーム型(西村バージョン)

刺身になるかならないか判断するとき、鮮度がいいから大丈夫!っていう人多いけど寄生虫の問題も見逃さないでください。

特にイカのお刺身は根強いファンが多いです。

春にはスルメイカ(マイカ)ソーメン、夏にはアカイカの刺身、秋にはアオリイカ、モンゴウイカと続き、冬にはヤリイカの刺身に、スルメイカ(マイカ)の塩辛など年中いかの刺身が食べられています。

そしてみなさん鮮度がよければいかの刺身も美味しく食べられる!って思っていると思います。

例えばスルメイカ(マイカ)が大きくて肉厚になるのが晩秋の時期。

肉厚のいかを刺身にしたらおいしいでしょうね。

いか塩辛も仕込むにも最適な時期です!

でも実はそのおいしさの陰に大きな危険もいっぱい潜んでます。

イカの刺身は身近に食べられる分アニサキス被害の発生も非常に多いのです。

イカ刺しを売る立場としてそう実感するのです。

アニサキスが特に多いのがスルメイカの刺身

このスルメイカに特に寄生虫が多いんです。

やりいか、あおりいか、紋甲いか、あかいかでは(食物連鎖の)理論上は同じ割合でいてもおかしくないですが実務で見ることは少ないです。

正直あまり気にしていないです。

実際刺身を作る現場で多く見るのがスルメイカということです。

※アニサキスは時期を問わず魚の身に潜んでいるものですが、暑い時期もそうですが意外と晩秋の時期などするめいか(真いか)のサイズも多くなるせいかよく見ます。

ではそのアニサキスというものはどんなものなのでしょう?

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アニサキスの画像(実物)

先にアニサキスの実際の写真を見てみましょう。

これです。↓ ↓ ↓

イカ刺しから出てきたアニサキスです。

刺身のパックの中で這い出ているのを見たことがある人も多いかもしれません。

アニサキスは身からでてきます。

実際魚の身のどこについて、どうやって取り除けばいいのでしょうか?

早速この写真をご覧ください。

するめいかの裏側(内臓があるほう)です。

どこにいるかわかります?

よく皮の間にいますか?という質問を受けます。

リッキーの経験上イカの皮をむいた外側にアニサキスをみたことはありません。

ただ皮の間にはニベリン条虫という比較的害のない寄生虫がいることがあります。(つまんで取り除く)

同じ写真です。

丸で囲んだところに奴は潜んでます。

イカ刺し用に皮を剥いたイカの内側です。

ここに棲家を作ってます。

少しわかりにくいと思いますが慣れれば気づきます。

刺身初心者などは気づかないためそのままスルーして売場に並んでしまいます。

現在スーパーに並んでいるイカ刺しはほぼ冷凍解凍物なのでアニサキスの危険はありません。ただイケイケの鮮魚店などではいまだに生のスルメイカ刺しを冷凍かけずそのまま出していたりするので要注意です。

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アニサキスの取り除き方

楕円に曇ったところをつめで掻いてみます。

ピンセットを使わなくても爪で引っ掻いて取り除けます。

出てきました。

わかるかな。

細い糸状のものがアニサキスです。

まだ幼生、子供のアニサキスなので小さいです。

通常は丸まってとぐろを巻いた状態で潜んでることが多いです。

これが怖いアニサキス。ゆっくり動いてるよ。

これを見ると「イカ刺し」しばらく食べれなくなるかな。

でもこれを機会に正しい知識を身につけて安全にお刺身を食べてほしいですね。

アニサキスより大きな糸状の寄生虫もまれに見ることがあります。タラとかにいます。アニサキスと似ているので勘違いする人よくいますがシュード・ティラノーバという別の寄生虫です。大きいのですぐ見分けがつきます。食べることもないと思います。

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いかそうめんにする

体の一部を傷つけるというのは非常に実効性の高い対策方法です。

アニサキスは体の一部でも傷つくと死ぬと言われているからです。

いかを細切りにするいかソーメンはアニサキス対策として考えられた調理法、先人の知恵とも言えます。

イカ刺しでなくあえてイカそうめんにするということです。

確かに細く切ることでアニサキスを傷つける可能性は増えるので一理ある調理法と言えます。

ただアニサキスはご覧の通りとても小さいので細く切ってもその間をすり抜ける可能性は否定できません。

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アニサキスと他のイカ

赤いか

ヤリイカやアカイカ(ケンサキイカ)も海の中の食物連鎖の中にある以上アニサキスはいるはずです。

ただ実際の現場ではあまり見ることはありません。

もちろんたまたまかもしれないでしょうがあまり気を遣わず刺身にしているというのが現状です。

アオリイカや紋甲いかでも全くいないとは断言できませんが見ることは少ないです。

あっと!わすれるところだった。

ホタルイカ ボイルなら安心

春が旬のホタルイカの生食は非常に危険です。

アニサキスだけでない寄生虫がたくさんいます。

>>旋尾線虫症とは 〜国立感染症研究所

どうしても刺身で食べたい場合は内臓を取らないとやっぱりアニサキスにやられる可能性あります。

料理屋さんでも普通に刺身で出てるけど自己責任とでもいうんでしょうか!

※2023年最近はさすがに飲食店でも内臓つけたまま出すことは少なくなったようです。

刺身用で仕入れるときの箱には必ず生食危険の注意事項が書かれたものが入ってるものです。

食べる人も自己防衛として内臓は食べないようにしましょう。こそ正しい知識を持ってほしいと切に願います。

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最後に

イカ刺しは身近な身近なもので頻繁に食べられるからそこその影響も大きいわけです。

いろいろな知識がつくとやはり生でイカ刺しを食べるというのは非常にリスクが高いいうことがわかります。

ただ幸か不幸かイカ刺しは冷凍解凍してもそんなに食感や味わいに変化がみられない刺身といえます。

冷凍解凍してもほぼ変わらないおいしさと言ってもいいでしょう。

であるならば、無理して冒険してまで生のスルメイカを刺身で食べなくてもいいのかなと思います。

お店であればなおさらリスクを犯さない方向で考えた方がいいのかなと思います。

で、自分でしっかり取り除けるという人だけ生のイカ刺しのおいしさを堪能すればいいのです。

少量であれば生だけどアニサキスを完全に除去するということは専門家なら可能だからです。

それはそれで素晴らしいことだと思います。

むしろ、そういったものが付加価値となりビジネスチャンスに繋がるように思います。

イカに限らず他の魚の刺身でいえることです。

生の方が絶対おいしいですからね。

生で天然の刺身の希少価値がますます高まる時代が来るでしょう。

そこに気づいていただければこの記事を作った甲斐もあるということです。

みなさんもこれをきっかけに正しい知識を身につけておいしいお刺身楽しく安全に食べましょうね!

参考文献:↓非常にわかりやすいです!

>>食中毒を考える4 ~寄生虫 アニサキス~ 平成30年度 水産会

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<終わり>

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リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属