みなさん、スーパーのお寿司食べてますか!
最近はお寿司を食べよとするときに回転寿司に行こうかスーパーの寿司にしようか迷っちゃいますね。
それだけ双方ともおいしい寿司を提供しているのだと思います。
ところで、みなさんは寿司を食べるときわさび入りにしてますか?
それともサビぬきにしてますか?
回転寿司にいけばタッチパネルで選択できるようになっています。
便利ですね。
ところがスーパーの寿司の場合はほとんどサビぬきです。
これはなんででしょう?
もちろんお子さんが食べることを前提とするので刺激の強いわさびを抜きにするというのもわからなくはありません。
しかし以前はワサビ入りもよくあったように思います。
最近のスーパーの寿司はほとんどワサビ抜きになっているようです。
これはなんででしょうか?
ワサビ入りにしない理由
以前は8:2くらいの割合でワサビ入りの寿司が多かったように思います。
わずかだけ「ワサビ抜き」シールが貼ってある商品が並んでいたように思います。
ところが最近では逆どころかほぼほぼワサビを入れてない寿司ばかりになったように見えます。
なぜこれほどまでにワサビ入りの寿司がなくなったのでしょうか?
一番の理由はワサビの風味
やはりスーパーの寿司をワサビ入りにしない一番の理由は風味がとぶということがあります。
ワサビというのは時間が経つにつれ香りがなくなってしまいます。
ワサビをすりおろして数分ほどは香りがありますが30分ほどすると風味が抜けてしまうと言われています。
あのツーンとした辛味も時間とともに消えてしまうのです。
アリルイソチオシアネートは、和からしに含まれるシニグリンという物質に、水の存在下で酵素ミロシナーゼが働いてできます。
S&B公式サイト
粉からしや粉わさびを水で溶くと、辛味が出てくるのはこの為です。
この成分は揮発性があり、そのため辛味が鼻にぬけるのです。
それにスーパーも気づいたということがあります。
惣菜の寿司から鮮魚の寿司が主流
以前は惣菜でお寿司が出されていてどちらかというといなり寿司や巻き寿司が中心でした。
海鮮寿司もありましたが惣菜部門の寿司なのでどちらかというと鮮度とかこだわり美味しさよりも安くてそれなりの味であればいいということでした。
惣菜の担当者もそこまで求める人は少なかったんだと思います。
ところが最近は鮮魚の寿司、魚屋さんのお寿司が全盛の時代を迎えました。
そうすると海鮮メインなのでネタにこだわったり味や美味しさにこだわるという志向が強くなっていきました。
実際作っている人たちも鮮度感覚のある人たちなので味のわかる人が多かったということもあります。
別に惣菜の人が味音痴というわけではないですが冷凍ネタを前提としていたのでやはり感覚が違っていたのです。
そうすると作り置き寿司を前提とするスーパーの寿司では時間が経つと風味がとぶからワサビは入れないほうがいいという意見が主流になり、次第に寿司にワサビを入れなくなっていきました。
その代わりワサビの小袋を添付していく形になりました。
こんな感じで、スーパーの寿司にワサビ入れずに小袋を添付するという今の形が出来上がっていったのです。
これが第一の理由です。
おわかりになりましたでしょうか?
ここまではいいですね。
実は風味だけが大きな理由ではなかった!
それはそれで理解いただけたと思いますが、これは一般的な話です。
おそらくここまでは想像ついていた方もいらっしゃると思います。
しかしながら実はスーパーが寿司にワサビ入れない理由はこれだけではなかったのです。
むしろもっと根本的なところの問題があったのです。
ここからさらに深堀りしていきたいと思います。
実はYahoo!ニュースでもこれと同じテーマの記事がありました。
私もこの根本的な大きな問題を解説してくれているのかと期待して読んだのですが残念ながら一般的な解説にとどまっていました。
それ以上は解説していなかったです。
なんか物足りないなあということでこの記事を上げたということでもあります。
「さかなのさ」が専門家としてもう少し深いところを解説しないといけないと思ったからです。
というのもここは結構大事なところだからです。
今回の肝になるところです。
それでははじめましょう。
スーパーのコスト意識が寿司をサビ抜きにした
寿司にワサビを入れなくなった大きな理由はスーパーが寿司にワサビを入れることでコストが上がるのを嫌ったからなのです。
別にワサビの原価が高いとか安いとかの問題ではありません。
作業にかかる人件費を抑えたかったのです。
簡単にいうと、ワサビを入れると作業が一つ増えてその分労働時間=人件費が増えるのを嫌った結果なのです。
どういうことでしょう?
わずかワサビをつけるだけでそんな大変な作業?と思う人もいると思います。
しかし、スーパーで寿司を作ったりするのは時間給のアルバイトさんかパートさんがやっています。
時間が増えればそれだけ人件費が上がるという構造になっています。
例えば、ワサビをつける作業が10秒とします。
8貫入りの寿司を50パック作るとしたら400個ですね。
400個 × 10秒 = 4,000秒 = 67分 =1時間7分
1時間以上かかるわけです。
全部が全部ワサビを入れるわけではないけれど大体1時間ほど増えるわけです。
要領が悪い人がやればもっとかかるわけです。
見方を変えると6時間パートの場合その1時間を引いた5時間で一定の作業をしないといけないということでもあります。
ワサビを入れないければ6時間まるまる他の作業に使えるわけです。
さらにその1時間も時給900円で換算すると1ヶ月22日勤務としたら19,800円になります。
1ヶ月2万円くらい多くなるわけです。
しかも風味もなくなって美味しくなくなる作業に2万円もかけるんですか?
ということなのです。
そしたらその無駄な作業省くことにしましょう!
ということになるわけです。
結果このような省力化のためにスーパーは寿司にワサビを入れるのをやめていったのです。
実はこの理由が一番大きいのです。
添付用の小袋もそこそこおいしい
添付用の小袋のワサビもそこそこ美味しくなりました。
メーカーでいうと万城食品、金印、S&Bなどありますがそれなりに風味があって美味しいものとなっています。
なんといっても封を切る時まで香りと辛味を損ねないというのがいいですね。
ということもあってスーパーの寿司にワサビを入れない方向へ後押ししてくれたわけです。
結果的にですが。
さらにもう一つの理由
これで終わろうと思いましたが、
もう一つのスーパーの考えを述べておく必要があります。
これは最近のスーパーの考え方というか傾向というか、リスクマネジメントにかかわるところになります。
業界の人が見ていたらチェックしておいてほしいのですが、スーパーはというかスーパーの製造部門は製造物責任を可能な限り負わないようにする傾向にあるのです。
わかりやすくいうと、
スーパーはできるだけ自分の手をかけないもの=メーカー品を使うようになっているということです。
コストが多少増えたとしてもあえてメーカー品を使うようになっているのです。
※ここでいうコストは人件費のコストよりは安いという前提です。
なぜかというと、
今回の寿司でいうとワサビに品質不良があった場合メーカーが作ったものであればメーカーに責任を押し付けられるのです。
まあ、寿司自体を作っているわけですから、もしなにかあったら全体の製造物責任は負わざるを得ないです。
ただ少しでも他に非の所在を持っていけるなら持っていきたいと思っているのです。
ワサビが不良があるならうちじゃないくてメーカーに文句を言ってくれって感じです。
ここわかりますか?
最悪の場合でも少しでも責任を逃れようにしておくということなのです。
地方のスーパーではここまで考える人少ないでしょうがみなさんの知っている大きなスーパーなどではこういう考え方が一般的です。
悪知恵が働くというか抜け目ないですね。
ここはスーパーとこれから取引する人にはわかっていてほしいところです。
まとめ
いずれにしてもスーパーの寿司にワサビを入れないのは風味だけではなかったんですね。
スーパーの都合、これが真実です。
スーパーも裏の事情いっぱいありますからね。
この辺もやっぱり専門的にやってないとわからないと思います。
それにしてもYahoo!ニュースでここまでやってくれたらこの記事は書く必要ありませんでした。
いいのか悪いのかわかりませんが、この記事を書けたことで皆さんのお役に立てるのなら書いた甲斐があるといえるでしょう。
なんか記事を書いていたら海鮮寿司が無性に食べたくなってきました。
明日の昼でもスーパーの寿司食べようかな。
<終わり>
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