
みなさん、カジメって海藻聞いたことありますか?
知らない方も多いと思いますが昆布に似たような海藻です。
北陸地方では2月中旬ごろになるとカジメという表面がブツブツの昆布のような海藻が入荷します。
この時期ワカメ、メカブ、ギバサ(アカモク)は常時入荷あってみなさんもお馴染みでしょうがこのカジメはなかなか使うことが少ない海藻です。
今回はこのカジメのことを見てみましょう。
目次
カジメ自体知らない人が多いはず
カジメはごくたまに市場に並びますが気づかれないことも多いです。
リッキーも珍しい物好きなのでこのカジメが市場に並んだときは可能な限り扱うようにしています。
自分たちが知らないものでも基本的に市場に並ぶのは各地で長年食べられているもので、それなりに美味しいから出てくるのだと思っています。
もちろん、なんだこれは?!っていうものもありますが、他の土地で美味しいと言われるものはこちらでも美味しいはずという確信のない信念をいつも持っています。(笑)
カジメはちょっと他の海藻と見た目様子が違う。

このカジメちょっと変わった見た目をしています。
昆布のようでありながら表面にブツブツ凸凹が目立ちます。
で、触ると結構硬さを感じます。板のようとまでは言いませんがまるで強い自己主張をしてるかのような硬さのある海藻です。
ワカメやギバサ(アカモク)の柔らかさと対照的な海藻です。
ちなみに写真は生なので湯にくぐらせると鮮やかな緑色に変わります。
ただ調べてみるとちょっとわからなくなってきました。
というのも調べて見るとカジメにはシワがないという記述があります。
なのでこの写真のカジメは本来のカジメではないようです。
カジメは実はアラメ⁈
通常能登方面で獲れるカジメは実はアラメかクロメという海藻のようです。
アラメはシワの強いワカメのようなものです。
調べて見るとクロメとかツルアラメという種類があるということでした。
流通上はこれらを全てカジメということもあるようです。
この辺は情報が混迷を極めているのでここでは解決しそうにありません。
一応情報としてアラメ、クロメかもしれないということを頭に入れておく程度でいいと思います。
ここではどうやって美味しく食べれればいいのかが重要で食べ方はどれも同じなのでこれでよしとしましょう。
まあ、金沢で昔からこういう海藻がカジメという名前で売られているということなので全体としてカジメとしておきます。
その辺を前提にカジメの基本情報見てみましょう。
カジメの基本情報
分類 | コンブ目レッソニア科カジメ(アラメ)属 |
名称 | カジメ(アラメ)、クロメ、ツルアラメ |
学名 | カジメ Ecklonia cava Kjellman アラメ Eisenia Bicyclis(Kjellman) Setchell クロメ Ecklonia Kurome Okamura ツルアラメ Ecklonia stolomifera Okamura |
備考 | ・カジメはアルギン酸の主原料。 ・カジメはかつてヨードチンキの原料。 ・カジメはシワがない。 ・アラメはシワある。 ・カジメの方がアラメより粘りがある。 ・カジメの方がアラメより高価。 |
カジメどうやって食べる?
湯通しして細かく刻んで食べると粘りが出て美味しいです。
あとは味噌汁入れて使います。
能登の人でこれを見ると絶対買うという人がいます。
熱烈ファンがいるようです。
このカジメを味噌漬けにしているという方もいらっしゃいました。
いろんな食べ方がありますね。
カジメの入荷時期
2月の中旬頃から始まって、下旬にパラパラ入ってきます。
3月に入ってもたまに入荷しています。
数は多くありません。
カジメは浜辺に普通に打ち上げられていたりするようです。
荒れた日の次の日の朝、散歩がてら海岸へ出掛け採取する人もいるそうです。
カジメどこで買う?
冒頭でもお話しさせていただいたようになかなか市場に出回らないので各地の漁協販売所か地元のスーパーマーケットで買うしかないようです。
もしどうしてもほしいようであれば扱いのあるお店で入荷したら連絡もらうように依頼してもいいと思います。
いつ入るかははっきり言えないと思います。
一応乾燥ものになりますがネットで買えるものを載せておきます。
まとめ
カジメはなかなかその正体がはっきりわからないというのが本音です。
おそらく能登でとれるこの海藻はアラメのように思えます。
ワカメ、ギバサ(アカモク)と違った味わいでしっかり特徴のある海藻といえます。
いずれにせよあまり出回らない海藻なので出会ったら買って食べてみることをオススメします。
早春はそういった海藻たちも数多く姿を見れてくれるのでさかな売場を見るだけで楽しいですね!
ぜひ、機会あったら食べてみてくださいね!
あと、海藻について分かりやすい論文がありましたので掲載しておきます。
この「さかなのさ」でもテーマとなっている「身土不二」についても非常に参考になる記述がありましたのでおすすめです。
学者でない人にも分かりやすく書いてありますのでみなさんもご覧になってみてください。
秋季藻類シンポジウム 『海藻と健康の展望一大学研究室からの報告』講演(2006.11.18)
小川慶男: 現代の食事情における海藻の役割
<終わり>
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