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今回は実際にあった事例の紹介です。
我々魚介類をパックするときに品質管理チェックをします。
そのときに貝の口が開いているものをよく見かけます。
通常貝は口を開いていると死んでいることが多いです。
そのときは開いている貝を取り除くか、最悪全部処分したりします。
特にアサリなどは貝の中でも一番弱いものなのでよく箱ごと処分したりすることもあります。
というのも売場に不良な貝を出してお客さんが買っていったりするとすぐクレームがきます。
なのでしっかりと品質チェックを怠らないようにしています。
今回あった報告はハマグリの口が開きっぱなしなっているということでした。
こういう場合もう死んでいるので廃棄したほうがいいのでしょうか?
ハマグリは比較的生命力のある貝です
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報告がきて確認したところ、確かにほとんどの貝の口が開いてしまって閉まる様子がないものでした。
この場合やはり処分したほうがいいのでしょうか?
非常に迷いました。
というのもハマグリで口が開いて死んでいるというのはあまり聞いたことも見たことがないからです。
10日も放っておけばそんなことにもなるのはわかります。
ただ、今回仕入れて2日目くらいのものでした。
普通であれば、ハマグリに関してはそんなことあり得ません。
普通であれば3、4日置いておいてもなんともないからです。
で、わからないしここは慎重をきして店に出さず処分したほうがいいということにしました。
最近貝のクレームで何回か購入者にお詫びしているからということも背景にはありました。
ハマグリが動き出した!
ところがリッキー自身なにか解せなかったのです。
ハマグリがそんな弱い貝ではないはずなのに踏ん切りがつかないでいました。
で、しばらく常温において見てみようと思い、そのままに放置しておくように指示しました。
で、4時間ほどたってみるとなにやらパクパク微妙に動いているではないですか!
あっ!と近くにいたみんなが声をあげました。
そうなんです。あれだけ反応もなかった貝たちがモソモソ動いているのです。
で、指を触れるとしっかり閉じてくれるのです。
生きていたのです!
リッキーはやっぱりと思いました。
これはどういうことなんでしょう?
ハマグリの流通形態
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結論からいうとハマグリを冷蔵庫に入れていたために冷た過ぎて仮死状態になっていたのです。
ハマグリにとって温度が冷たすぎたんですね。
でもいつもはこんな感じではありません。
しっかり殻を閉じてくれています。
どういうことなんでしょうか?
実は、今回のハマグリを箱買いをしたので塩水の入った箱の中にいたのです。
普段はネットに入って水からだしてある状態です。
流通上も通常ハマグリは最初の写真のように水から出されて袋やネットに入っています。
水から出されて流通しているのです。
ただ産地によっては発泡スチロールの箱の中に塩水を入れて発送したりします。
そういうことはよくあることです。
水から出してあれば冷蔵庫に入れてもそこまで貝の温度も下がりません。
ところが水の入った中にいるとかなり温度が下がるということなのです。
貝の芯まで冷えてしまったというわけです。
で、温度を上げたらまた仮死状態から生き返ったということでした。
貝は寒いときは常温で大丈夫なことが多い
うっかりしていました。
ハマグリは冷蔵庫に入れるときは水から出さないといけないということをすっかり忘れていました。
他の貝でもよくあります。
ホタテや平貝、赤貝なども一緒であまりに温度が低すぎると仮死状態になって動かないんですね。
今回も口を閉じてくれていればよかったんでしょうが、ハマグリは口を開いて仮死状態になるんですね。
また、一つ勉強になったと思いました。
まとめ
やっぱりハマグリの生命力はすごいですね。
ただ、冷たいところが苦手ということもわかりました。
冷蔵庫から出して口を開いてビクともしない場合は少し常温においておくのがいいということです。
口が開いた貝=死んでいるというわけではないということもわかりました。
みなさんも貝が死んでいる生きているかわからないときは少し常温で置いてみるのもいいですね。
危うく品質に問題のない貝を捨ててしまうところでした。
<終わり>
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