回転寿司に行くととてもおいしそうな炙りマグロがメニューにあります。
炙ってありますがとてもキレイな色をしたマグロを使っています。
こういう回転寿司では鮮度がいいマグロを炙りにしているのです。
ところがかつてはこのマグロの炙り、回らない寿司屋さんなどで出される時はイマイチ色がくすんだりしていました。
そうです、かつては鮮度の落ちたマグロの表面を炙って炙りマグロを称してお客さんに出していたのです。
もちろん、全部の寿司屋さんがそうだっというわけではありません。
しかしごく一部の寿司屋さんで当たり前のように行われていたのです。
今回はかつて横行していた炙りマグロの闇の部分を白日の元に晒したいと思います。
料理人は基本新鮮なマグロしか扱わないのか
料理人の人は新鮮なまぐろしか使わないという建前は本当なのでしょうか?
料理をしたことのある人ならわかると思いますが基本鮮度抜群の品物を使いたと思うでしょうが何らかの事情で古くなる場合もあります。
古くなるというのは傷んでいるわけではないですが鮮度が落ちはじめている状態のことです。
そんなときどうするのでしょうか?
料理人が考えるのが少し色が変わったくらいで廃棄していたら利益が残らないよということです。
特にマグロは仕入値も高いためなんとか使い切りたいと思うわけです。
炙りは色変わりを隠す手段だった
そんなときにするのがこの炙りです。
基本料理人は鮮度の悪い刺身を出したくないと思っています。
刺身だけで使い切りたいというのが本音なのです。
しかし刺身でどうしても処理しきれない時があります。
そんなときに炙りが都合いいわけです。
マグロは管理さえ良ければ入荷して4、5日持つ
そもそも生の本鮪は管理さえ良ければ4、5日は持たせることができます。
本来であれば色のキレイうちにマグロを刺身にして出せれば問題はありません。
しかしお客さんの入りなどの関係で使いきれない場合が出てきます。
若干表面が色変わりするという場合も多々あるわけです。
程度の問題もありますがうっすらと色が変わることはよくあります。
食べても問題はないレベルとしても少し気になります。
それをそのまま捨てるという選択肢もあり得ます。
ただそんなことばりやっていたらロスが出過ぎて利益が出ず商売にならなくなってしまいます。
多少の色変わりであればなんとか使っていきたいと思うわけです。
その悩みを解決したのがこの炙りという技術になるわけです。
表面を炙るだけで見た目は良くなりとてもおいしそうになります。
香ばしい香りもするのでほとんど生臭さは普通の人は気付かないと思います。
このようにマグロを炙ることでなんとか商品にして売ろうとするのです。
ただ、本当に刺身の鮮度にこだわる人なら炙りはあまりしたくないわけです。
炙りマグロの闇 〜学生時代のアルバイトであった本当の話
私がかつてアルバイトをしていた東京四谷の寿司屋では実際色変わりをしたまぐろを炙って出していました。
もちろんいつものメニューにはありません。
知ったようなこと言う若いサラリーマンにおすすめと言って出すわけです。
そしてその若いサラリーマンは旨い旨いと言って食べてるわけです。
たまに綺麗なマグロしかないのに炙りはないかとリピートあったりして、その時は断るわけです。
でも考えようによってはこれはWIN&WINな関係わけです。
ただ、当時アルバイトしていた私にとっては非常にビックリしたことでした。
あとは色の悪いまぐろを漬けにしたりもしていました。
醤油でつけるとみためではわからないですから。
ただ鮮度落ちたものだと生臭さは残るので濃い味付けにしていたかもしれません。
鉄火巻きもよく古いのを使われたりします。
最後に
こうやって書くとなかなかマグロを食べるのも怖くなりますね。
でも新鮮なまぐろを炙ったり、漬けにしたりチャンとしているところも多いですからその見極めが大事なのかもしれません。
すべて人のすることなのでなんともいえませんがやはり繁盛してお客さんの回転のいいお店を選ぶことが大切なのかもしれません。
誤解なくいっておくとチャンとした真面目なお店も多いです。
そんな変なところも多くはないとは思います。
ここで言いたいことは、くれぐれもお客さんの来ない寿司屋であえて炙りまぐろを頼まないで!ということです。
当たり前なことですけど店をよく見て注文してください。
そうすれば生臭いまぐろに出会わなくてすみます。
しっかり店を見極める目を養っていきましょうということで今回の記事をおわらせていただきます。
<終わり>
リッキーが学生時代に四谷の寿司屋でアルバイトしていた時の話です。