>> よく読まれている記事はこちら

対面魚の刺身注文を受けない理由【ココがポイント】攻める鮮魚の教科書

【PR】本サイトのコンテンツはプロモーションを含んでいます。

鮮魚対面で販売している魚を刺身にしてほしいという依頼がよくあります。

しかしながら、丁重にお断りします。

お客さん目線でいえば目の前の新鮮な魚をお刺身にしてもらえたらいいわけですね。

確かにそれが成り立つなら素晴らしいサービスです。

でも、刺身注文を受けることをしません。

なぜでしょうか。

今回はこの問題について少し詳しく解説します。

この記事は鮮魚店や鮮魚部門を担当している人たちに向けて書かれた記事になります。ただ一般の方もお店側の考え方がわかると思うのでぜひ一緒にご覧ください。

Sponsored Links

刺身注文を受け付けない一番の理由

まずここで述べるものは、あくまで一つの考え方ということなので全ての魚屋さんに当てはまるわけではない点ご理解ください。

で、刺身依頼を受け付けない一番の理由は、

お客さんに対面のお魚を刺身にするのにお金をとることを理解してもらえない

からです。

お客さんは基本刺身調理は無料だと思っています。

もちろん、お店の仕組みで料金を取るというのが事前にコンセンサスとれているお店もあります。

貴徳なお客さんで手数料かかるのは当然と思ってくれる人もいるとは思います。

そうであっても一般的にはお客さんは対面の魚刺身をするのにお金をとられることを納得されないのです。

いやいや、お客さんでも刺身にすることが技術だと理解して手数料払ってくれる人もいるでしょう。

と言われるかもしれません。

確かにそういう方もいらっしゃいます。

ただそうだとしても対面魚の刺身依頼は受け付けるべきでないという一つの考え方です。

手数料を払っても対面魚を刺身にしない理由

仮に手数料を払うから刺身にしてくれという依頼を受けたとします。

とすると、今度は別な問題が生じるのです。

バックヤードの作業が回らない

という問題が生じるのです。

刺身にするときは衛生的な環境でしないといけないことになります。

そうすると対面ではできず、刺身専門の場所または専用のまな板でしなければなりません。

ところが刺身の人は店売りの刺身を作らなくてはいけないので余裕がなかったりするのです。

二人でやったりしているところなら都合つけたりできますが、一人でやっているところでは余裕がありません。

昼過ぎにならないと余裕がでないのです。

おそらくどこもそんな感じだと思います。

しかも魚にもよりますが1尾の魚を刺身にするのはそれなり結構な手間と時間がかかります。

その負担が大きいです。

なので刺身を受けたくても受けられない状況になります。

それを無理やり受けるとなるといろいろなしわ寄せがくるものです。

いってみればお店側問題でしかありません。

しかしコレがオペレーターの上では大きいのです。

対面で刺身魚を売る場合は三枚おろし皮むきまでにする

そもそも対面で刺身魚を売る時には割安感がないと売れません。

可能なかぎり安く値段をつけて魚を回転させなければ対面は維持できません。

例えていうと値入れ率は20〜30%で十分なのです。

そうしないと対面の魅力が出ないものです。

対面は本来利益を稼ぐ場所ではないです。

売りを作る場所であり、店全体の鮮度感を表現する場所と考えるべきなのです。

確かに飾りで刺身魚を置いてある店もありますがその時点で売場として機能していません。

売れないを前提に値段を高くして売っても売れるわけがないですし、決して魅力的な対面にはならないはずです。

平均値入れ率で40%近く入れていれたりしたらまず売れません。

センスないダメな対面の典型例です。

売れないを前提にやっているのなら刺身依頼もほとんどないでしょう。

暇な店なら刺身依頼を受けることも十分可能だと思います。

ところが売れるを前提にやっているお店はそういうわけにはいきません。

売れる数が違うからです。

刺身依頼の頻度が高くなるのです。

そんな中で刺身依頼を受けてしまうと刺身のオペレーションがバタバタになるのは目に見えて明らかです。

結局対面で刺身の依頼を受けてしまうと今度は刺身を待っている他のお客さんに迷惑かかることになるわけです。

そもそも刺身コーナーで刺身が買えるわけです。

そんなこともあって、目の前の新鮮な刺身にするというのは理想はありまが現実的には難しいのです。

なので対面の魚の調理受付するときは三枚おろしの皮むきまでにすべきというのが私の提案なのです。

魚を安く売るから三枚おろし皮むきまでというも成り立つのではないでしょうか。

逆に高くして調理もする方がいいだろうという考え方もあります。

しかし、それが継続して続けられる店は都会のほんの一握りです。

一般的な地方では、それをすると対面自体死んでしまって魚屋自体活性化しなくなるのです。

ただですら売れないのに本当に飾りだけの売場になってそのうち縮小されるのです。

Sponsored Links

絶対に刺身依頼を受けないわけでない

誤解なくいうと、今までの話は目の前にある魚をいますぐ刺身にするという話です。

今すぐには無理ですよということです。

だったら魚置くなよと言う声も聞こえてきそうですが誤解です。

お時間いだけければ刺身依頼も受け付けるのです。

一旦お預かりして手が空いたら刺身にしてもよいという場合ならは受け付けらるのです。

それでも手数料の問題は残る

話は戻りますがそれでも手数料の問題は残ります。

というのは対面魚を刺身にする場合、1尾300円とか500円、1000円とか手数料を設定しているところが多いと思います。

ただ大きいのも小さいのも手数料同じでいいかという問題が出ます。

細かく料金表を設定している店もあるかもしれませんがそれもオペレーションが複雑になります。

そもそも手数料をとることに不信感を持たれるくらいなら、三枚おろし皮むきまで無料しますからあとは自分で切ってくださいというのでもいいのではないでしょうか。

そのほうが割安ですよといえばみなさん納得してくれると思います。

都会はそういうわけにはいかないかもしれませんが、地方の産地水揚地などではそれが可能だと思います。

そんなことで対面では刺身依頼を受けないという結論が出てくるのです。

Sponsored Links

まとめ

表題は少し過激な印象受けたと思いますが、実際売ることを前提として対面を作るなら、調理は三枚おろし皮むきまでにしておくというのでいいと思います。

より安く買いたいというお客さん大多数だと思います。

説明をちゃんとすれば三枚おろし皮むきでいいわという人が多くなると思います。

今の時代においては鮮魚対面ではできるだけサービスも限定的に考えていくことが大事ではないでしょうか。

いやいややっぱり刺身まですべきという考え方でもいいと思います。

ただそうやっていた魚屋さんが今はずいぶん少なくなっているところを見ると無理にしなくていいサービスのような気がします。

<終わり>

トップページへ



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT US
リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属