この記事は刺身を教えるときに使いやすいツールがほしいということで作りました。
研修で使えるように刺身を作る項目を全て網羅しています。
把握しやすいようにあえて簡潔な内容になっています。
詳細は個別記事を参照していただく形にしました。
新人研修や刺身技術の再確認に使えると思います。
刺身の手順書の必要性
大手のスーパーなら教育体系がしっかりしていると思いますが、中小のスーパーだとなかなか教育体系含め整備されていないというのが現状です。
仮にあったとしても使い勝手が悪かったりします。
より鮮魚の技術指導がしやすいツールを作りました。
刺身の研修をするときなどに自由に使ってください。
また刺身を覚えたい人にとっても刺身の全体像を把握できますので役に立つと思います。
実際に使い方ながら微調整していく予定です。
※突然この記事を非公開とする場合もあり得ますのでご了承ください。
刺身をはじめるにあたって
刺身は生で食べるものなので安全な手順に従ってなされなければなりません。
その手順をこれから解説していきます。
なによりもまず刺身が身体に危険をもたらすことがありうるという点をまず認識してください。
刺身の心構え
生鮮のプロとして絶対食中毒事故は起こさないという気持ちが必要です。
事故が起こってしまうとそれにかかわる全ての人が悲しむことになります。
そもそも事故の被害者に対しても申し訳ないという気持ちになります。
衛生管理
まず第一に確認しておきたいのが安全な手順で刺身が作られているかです。
とにかく必要な知識と共に身体に影響を与えかねない食材を提供しているという自覚を持たなければなりません。
その時に大事なのが、食中毒予防の3原則です。
つけない・ふやさない・やっつける
我々生食するものを扱う者が金科玉条、肝に命じておかなければならない基本原則です。
過去に記事を作っているのでこちらも参照してください。
>>魚屋刺身で注意したい食中毒菌はこの3つ 〜最低これだけは覚えよう!食中毒予防の三原則記載 〜さかなのさ
温度管理
ここでいう温度は室温です。
特にナマモノを扱う上でこの管理が重要なことは言うまでもありません。
あくまでも刺身にする魚が温度管理の基準になるべきです。
その対象物がある限りその部屋の室温をあげてはいけません。
寒いようなら厚着をしてきてくださいということです。
食中毒予防の3原則のうち、
「ふやさない」
にかかわるところです。
用具、器具の準備
刺身を作るために必要なモノです。
作業台。まな板、包丁、キッチンタオル
などが挙げられます。
この調理用具、器具についても衛生的な状態で使うようにしてください。
しっかり終了後、刺身作成時、常に洗浄する仕組みを作ってください。
トレーの準備(蓋あり蓋なし)
トレーのサイズ、種類、色など選択できる場合があります。
決められている場合も多いかもしれません。
また、トレーを選択する際は刺身の大きさ面積に応じて使用する必要があります。
トレーに蓋がついている場合は高さに駐血が必要です。
あまり突出させることがないよう配慮しないといけません。
ツマ、あしらいの準備
敷きツマやあしらいについてはその使い方によって刺身の出来の良さが変わりますのでしっかり考えて使ってください。
上手な刺身は敷きツマ、ケンの盛り方で決まります。
刺身魚の知識
まず、初級者は魚の名前をおほえましょう。
さかなのさ内でクイズ形式にしました。
確認してみてください。
>>刺身魚判別テスト
>>サク魚判別テスト
刺身にできない魚
刺身にできる魚、刺身にできない魚がいることを理解してください。
また、できたとしても刺身に適さない魚もいます。
この記事を参考にしてください。
>>刺身にできるか迷ったときチェックしてほしい5項目〜鮮度いいだけでは危険! 〜さかなのさ
ちなみに刺身にできない魚は、毒がある魚、寄生虫がいる魚、鮮度が悪い魚です。
おかずとごちそうの違い
刺身を作るにあたっては、「おかず」と「ごちそう」を使い分けて考えるのが有益です。
両者によって作り方が変わります。
売れる魚
刺身にして売れる魚の把握が必要です。
それによって作る量を変えるべきです。
売りにくい魚
逆に売りにくい魚もいます。
料理屋さんでは人気だけどスーパーに期待されない魚などです。
例えば、シマアジやノドグロなどは料理屋さんでは人気ですがスーパーの刺身としては決して売りやすいと言えません。
包丁の使い方
刺身を切る上で包丁は欠かせません。
包丁の種類
基本柳刃包丁を使いますが、最近はやりの洋包丁(牛刀)を使っているならそれできることもできます。
>>初心者や女性に使いやすい業務用包丁はコチラ 〜さかなのさ
包丁の扱い方
包丁は滑らせて全体を使うが原則です。
包丁の各部位の名称
包丁の名称で大事なのは次のところです。
刃先、刃元、ミネ、シノギ
この4つは必ず覚えてください。
包丁の管理
包丁はそれ自体が危険なもので、衛生状態もよくしておかないといけません。
包丁は使った最後に研ぐです。
これが基本です。
習慣づけてください。
仕事中に研ぐ場合でもお客さんから見えないようにやってくださださい。
砥石の匂いがつくということなので途中で研ぐのは本来避けなければなりません。
ここ知らない人が多いです。
包丁の研ぎ方
包丁の研ぎ方は改めてご案内します。
刺身を作る
それではここから本題です。
刺身を作るためにまず確認しておきたいことは、
どんなに上手に作ってもタイミングを逃しては意味はない
という点です。
要はスピードが遅ければ売り逃すことになりかねないということです。
当然キレイに作るを意識してほしいですが、作るスピードをしっかり意識しましょう。
時間のかけずぎは魚の鮮度的にも好ましくありません。
キレイな刺身とは
そもそも目指すべき刺身はキレイな刺身です。
キレイな刺身とはどんな刺身をいうのでしょうか。
次に紹介する刺身が理想的な刺身です。
ここまででなくでもこれに近づける意識が必要です。
ケンの置き方、位置
刺身が上手下手はケン、敷きヅマの使い方が上手下手にかかわります。
ここは実地研修で確認しましょう。
サクの置き場所、位置
このサクを置く位置も非常に大切です。
先ほども述べましたが包丁の全体を使って切るためにはサクをできるだけ手前に持ってこないといけません。
まな板の真ん中でやる人で上手な人はいません。
包丁を滑らせられる位置はどこかしっかり確認してください。
ここも実地研修で確認します。
刺身切り方
切り方は大きく2種類です。
- 平切り
- 削ぎ切り
ここも実地研修で確認したいと思います。
それぞれの特徴を書いたものが下の記事になります。
>>刺身の切り方【無料完全解説】スーパー・飲食店刺身担当者向け 〜さかなのさ
刺身盛付方
盛り付けは大事です。
基本的に包丁で刺身を盛り付けます。
次の記事が参考になると思います。
一読する価値はあると思います。
>>刺身をキレイに見せる切り方【プロ技大公開】構図で見ると上手くなる 〜さかなのさ
薬味、あしらい、小袋の使い方
ここは別途ご案内します。
値付、売価設定
刺身の値段の付け方は重要です。
ヒントは原価から弾き出した数字をそのまま設定するのでなく、ゾーンごとにまとまりで設定していくという点です。
売価設定はその店のまさに戦略にかかわるところです。
鮮魚全体の構成を見ながら設定していかなといけません。
なので個店対応でしたいと思います。
「さかなのさLINE公式アカウント」からご相談(無料)ください。
ひとまずブログ内の記事をご参照ください。
>>荒利率をあげようとすると売上高さらには荒利額が下がる理由 鮮魚の計数第7回 〜さかなのさ
プライスシールの表記
時間を設定するかについてはいろいろ考え方があるところです。
ただパフォーマンスの側面が強いと考えるなら記載しないのも一つの考え方です。
消費期限
基本大根のケンツマの入ったものはD+0です。
ちなみにサクの消費期限をD+0にしているところもあります。
売場戦略や全体の利益構成に大きな影響を与えるところです。
生菌検査で基準値外の数値が出る場合があるからということです。
確かに客観的な基準は行動の指針になるべきです。
ただ実際サクの調理の状況をもう少し検証すべきとなのかな思います。
我々はそのサクを使った刺身で基準外値が出ることは今のところありませんから。
今のところですが。
ここは一番神経を使う場所です。
片付け
刺身を終わった後の処理も大事だと認識しています。
使い切れない場合の処理
利益を左右するところです。
鮮度の確認の上、無理にでも売場に出すか翌日に回すか判断します。
ここが基準が甘い店はやっている人たちはわからないかもしれませんが鮮度が悪い店として売上が下がっていきます。
なので魚の売上が想定以上に低い店はここを疑うべきです。
魚屋のブラックボックスでありながらしっかりした管理者がいないところです。
私は不振店に入る場合はまずここをみて改善します。
備品の保管方法
できてないことが多いところです。
お店や企業のしつけの問題でもあります。
刺身の売り方
平台での販売は避けるべきです。
多段ケースが理想です。
今時は2段か3段が主流です。
売る場所
刺身が売れる場所というのが必ずあります。
それを把握することが大事です。
値引き
刺身が翌日たくさん残っているのは見切りのタイミングが失敗したということです。
基本は半額にしても売り切ることが大事です。
最後に
現在は無料相談の中で刺身作り指導をさせていただいております。
後々は本格的に刺身の作り方指導をしていきたいと思っています。
日程が合えば実地指導もやりたいと思っていますので「さかなのさLINE公式アカウント」から問い合わせてみてください。
<終わり>
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