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魚売場を強化する「生・天然・地物」ここに気付けば売上はあがる!

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単刀直入にいいます。

攻める魚売場を作りたい方はこの「生・天然・地物」の3つのキーワードを軸に売場を構築してください。

この3つのキーワードの意味さえしっかり理解し売場に表現できれば絶対に負けない魚売場を作れます。

そこで今回は「生・天然・地物」の意味をじっくり解説したいと思います。

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「生・天然・地物」とは

そもそも「生・天然・地物」はどんなことを言うのでしょうか?

まず、この「生・天然・地物」は魚屋にしか当てはまらない黄金の方程式です。

まさに勝利の方程式です。

それも魚売場の鮮度感を表現するために絶対必要不可欠なキーワードです。

魚屋そのものと言っていいかもしれません。

定義付けするとすれば、

  1. 冷凍でなく生を大事にすること
  2. 養殖でなく天然物を大事にすること
  3. 県外ものでなく地物を大事にすること

とこうなります。

そもそも魚屋が魚を売ってない!

地方のスーパーマーケットの水産売場は今売れる店と売れない店がハッキリしています。

売れない店は私から言わせれば魚屋が魚を売らなくなったから売れない店になったんだといいたいです。

もう一ついうなら

大手スーパーが魚を売れなくした!

と言いたいです。

すなわち、新鮮な魚を売らずにいつ入ったかわからないような調理済み、加工された魚ばかり売っているから売れなくなるんだと言うことです。

これは誰が考えても分かりますよね。

ダメだとわかっても現実そういう売場になっているのです。

なぜこうなったかというと、

現場は人がいないいないとしか言わず、

本部は利益率を上げろあげろとしか言わない。

しかも利益高でなく率しか言わないのが悲劇の始まりです。

店舗が増えれば増えるほど店舗比較しやすい率で話をするのです。

率で話をすると無駄をやめようということになります。

  • 対面売場をやめばいい
  • 市場に行かなくていい
  • 1しか発注できない発注制しろと

選択することになるのです。

さらに最悪なことに店は店で利益率を上げれば良いだけなら売場に魚を出さない方がいいと判断してきました。

その結果、

  • 店は活気がない
  • 魚も種類もない
  • 毎日決まったものしかない

という魅力ない魚売場作ってきたわけです。

いわば自分での自分首を閉めてきたわけです。

こうなると鮮魚をしっかりやっている競合店と勝負する土俵にも上がれないという状況になったのです。

そんなことしてきた大手はまさに鮮魚、魚屋をまさにないがしろにしてきたのです。

魚屋の基本に戻って頭のついた魚を売らないと!

そもそも魚屋なのです。

時代が流れようが最先端であろうが魚屋は魚を売ってはじめて魚屋なのです。

魚屋の惣菜化と言われてもそもそも魚屋なのです。

魚の鮮度がいいから刺身がキレイに見え、惣菜がおいしそうに見えることに気づかないといけません。

そもそも魚の鮮度の悪い店はその店の刺身も寿司も魚惣菜も売れるわけがないのです。

ここわかりますね。

だったら、

魚を売りましょう!

それも頭のついた新鮮な魚を!

当然ですよね。

では、そこで魚屋がどうやって魚を売るかというと、

「生・天然・地物」

大事にして売るのです!

ここを徹底して追求して売り込みをかけるのです。

「生・天然・地物」それぞれの意味は?

そのためにまず「生・天然・地物」の意味を理解しないといけません。

この「生・天然・地物」それぞれ反対に位置する魚があるときに意味が出ます。

「生」の具体的例

最初の定義にも挙げたように冷凍に対する生です。

例えば、地物の底曳魚の代表選手かれいがたくさん取れるときに、冷凍の浅羽がれいや冷凍のなめたがれいに力を入れてはいけないということです。

生がないときに冷凍のかれいが意味をなすわけですね。

この当然のことができない時があります。

例えば、地物のかれいがたくさん水揚げある時期に入荷が安定している冷凍のかれいを特売に入れたりすることはナンセンスです。

不安定でも生のかれいを特売に入れるか、そもそも生魚をチラシに入れない選択肢を取るべきです。

鮭についても同じです。国産の生銀鮭があるときはチリ銀はやめればいいです。余裕のあるところだけ扱えばいいです。両方扱わないというわけではないのです。

刺身コーナーでは特にこの「生」がアピールしやすいです。

表現としたら「生の美味しさ」と表記してもらうとさらにいいと思います。

天然の具体例

養殖に対する天然です。天然しかない場合はあえて強調しなくてい良いです。

例えばハタハタ、メギスなどの比較的安い魚などは養殖はないのでそれをあえて天然と表現する必要はありません。

天然を強調するのは養殖が存在するタイやブリ、マグロなどの場合です。

それらを天然物で売るときに天然と表示すると効果があります。

養殖でないんですよ!という意味も含めて天然を強調するわけです。

天然魚に対するの最近の考え方

ここで少し最新の業界情況を頭に入れておく必要があります。

トレンドとしては「サスティナビリティ(持続可能性)」を大事にする風潮が強くなってきています。

わかりやすくいうと将来枯渇するかもしれない天然資源に頼らず養殖魚で回せたらいいという考え方が強くなってきています。

これについてはまだそこまで浸透していませんが少し注意が必要です。

あと寄生虫の問題。深刻ですね。これも養殖魚有利です。

ただ、いか=寄生虫やいわし=寄生虫とはなっても天然=寄生虫とすぐに結びついてはいないような気がします。

軸において考えるべきはお客さんが求めるものはいつの時代もどんな状況下でも天然物だということです。天然がある限り人工的に育てた太らせた養殖魚なんて食べたくないのです。

大手のスーパーマーケット、GMSなら養殖でも良いでしょうが、地方のローカルスーパーマーケットは意識的にこの天然を大事にしたいです。

やはり天然魚の美味しさは大事にしたいです。

ただ魚種によって少し温度差があります。

養殖ぶり

例えば養殖ぶりは結構品質もよく何よりも天然より美味しい時があるので養殖ぶりは天然あっても使ってもいいと思います。天然ブリの寄生虫ブリ糸状虫を見ればなおさらですね。

養殖たい

これについては味の点でやはり天然にはかなわないので天然があれば天然だいを優先すべきです。

まぐろ

まぐろについては地物で獲れる地域の人は天然を優先すべきです。

それ以外の土地の人は畜養(養殖)が中心となると思いますが春先の生びんちょうや生キハダを効果的に利用するのもポイントです。

その他の養殖魚

養殖のしまあじや養殖のスズキとか基本的に使わないです。

地物の具体例

これは魚が獲れる地域か否かで違うので一概に言えませんが、地物が揚がるところでは地物を優先すべきです。

よくあるのが市場で美味しいのは北海道のコロコロのイワシだけど実際買うのは痩せてヒョロヒョロのいわしということがあります。

これは考え方が微妙ですが地物を選ぶのがおそらく正解だと思います。

おそらくというのは本来美味しさを追求すべきなのはわかりますが、地物の強さ破壊力はやっぱり最強なので悩みつつも地物を選ぶべきだと思います。

朝どれで買えるならさらにいいと思います。

プロから言わせればその選択は全くのナンセンスと非難されてもしょうがないです。

しかし、地物の鮮度感というのはやっぱり強いです。

こういうときは我慢して痩せたイワシをうり、将来2種類のイワシをおける店にしようと頑張るしかないのです。

「生・天然・地物」にあてはまる魚はなに?

ここで問題です。「生・天然・地物」全てに当てはまる魚はなんですしょう?

答えは、住んでいる地域で違いますが北陸では天然真鯛、サヨリ、甘えびなどです。カニもそうですし、いわし、あじ、さばもそうです。

この3つに当てはまるのがそれぞれ最強なのです。最も大事にしなければいけない魚でありこれを特に力を入れて強化していきます。

丸物でも刺身でも切身でもできるだけ買い付けして売場に出すようにしてください。

値段があう限り必ず毎日品揃えをするとか、対面の真ん中に配置するとか、ファイス数を広くして陳列するとか、手書きの味わいのあるPOPをつけるとか。

とにかく3つのキーワードに当てはまる魚を徹底的にアピールするのです。

何をアピールするかと言えばもちろん「生・天然・地物」の魚ですよと表現するわけです。

3つ当てはまる魚をしっかり売ればおそらく売場全体の鮮度感をお客さんにわかりやすく表現してくれるはずです。

それらを中心に売っていけばいいわけです。

まだまだあると思います。場所によってはまぐろもそうですし、ヒラメもそうかもしれません。貝類も同じです。活さざえ、かき貝、北陸ではバイ貝などもです。

イメージしてみてください。

刺身売場に天然真鯛の紅白とさよりのメタリックな光と甘海老の発色するような赤がコラボレーションした刺身盛合せが並んでたらとても綺麗だし季節感もありますよね。

それだけで鮮度感抜群でしょう!

次に2つ当てはまるのも大事にしてください。

3つ当てはまる方が優先ですが2つ当てはまるのもしっかり販売する必要があります。

売り方は3つ当てはまるときと同じでいいです。

一つしかあてはまらものそれなりに大事にします。

例えば、オートパッカーのイメージ表示やシールで天然を表示してください。

生を表示してください。

その積み重ねが売場の鮮度感を出してくれるのです。

いい点をアピールすることが大事です。

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「生・天然・地物」に当てはまらないものは?

「生・天然・地物」に当てはまらないものは「冷凍解凍・養殖・県外外国物」ということになります。

例えば、チリ産の銀鮭(解凍)の切身とか地中海産畜養本まぐろ(解凍)の刺身用サクが3つに当てはまりますね。

冷凍のエビパックや無頭バナメイえび(解凍)100gあたり○○円とかもそうでですね。

売上的には重量級なメンバーですね。

ただこれを売場に広く置くと売場に鮮度感なくなるということです。魚屋らしさがなくなるわけです。

ここがポイントです。

自分たちは魚屋であることを忘れてはいけない。

大手のスーパーマーケットなどでは計画数値の進捗が大事になり確実なものを優先するのでこういう安定した冷凍解凍商材に力入れます。

先にも述べたように確かに売上もある程度とれます。

ここでみんな自分を見失うのです。

自分たちは魚屋ですよ。お客さんが魚屋に求めるものは新鮮な地物の魚なのです。

それを忘れてしまって冷凍の魚を売るわけです。結局生魚扱うより楽なんですね。

かつての一大勢力を誇ったダイエーがそれで失敗しました。

冷凍優先主義で。歴史は大きな教訓を我々に与えてくれたはずです。

生魚をないがしろにしたらダメだよっていう経験を我々は忘れてはいけないと思います。

計画計画ばかりだとみんな安定安定を求めるようになってどこでも同じようなつまらない売場が出来上がっていくのです。

少なくとも生鮮強化といっている地方のスーパーマーケットは生魚水揚げの不安定さをあえて計画に取り込むくらいの仕組みを作っていくべきです。

地域の人に生鮮魚で貢献していかなければ独自性そしてその存在価値を示せないと思います。

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まとめ

結局「生・天然・地物」は売場の鮮度感を出すのに非常に効果があります。

それはイコールお客さんが新鮮だなと感じることなのです。

売場全体で考えてください。

刺身コーナーでも、切身コーナーでも、冷凍コーナーでさえも地物があればそれをアピールし、天然があれば天然をアピールしてください。

この積み重ねが強い魚売場を作っていきます。

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<終わり>

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リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属