今の時代、なかなか個人経営のお店がうまくいかず、苦しい台所事情の中やっとやっと日々の商いをこなしているところが多いと思います。
もちろん、小さなお店はお店で一生懸命にやっているのでしょうがお客さんにその思いは届かず、毎日が惰性で流れていっているところもあるのではないでしょうか。
高度経済成長の時代を経て食品小売業も成熟期に入り大手企業しか生き残っていけない状況のようにも思えます。
ただ、水産小売りに関していえばそれでもまだ、孤軍奮闘単独の店舗で頑張っていられるところもまだあるのかなと思います。
そういうところは生き残っていくためにすでにいろんな対策をとられていることと思います。
これからの時代決して大きくはない魚屋、鮮魚店はどうやっていけばいいのでしょうか。
大手スーパーマーケットに勝つことはもうできないのでしょうか?
今回は小さな魚屋でも大手に勝てる方法をご案内したいと思います。
目次
大手スーパーマーケットが強いに決まっている?
![スーパーの鮮魚売場](https://sakananosa.com/wp-content/uploads/2023/03/E3DFD5C5-A17D-4999-BBFF-D7C734B239E3_1_105_c.jpeg)
ここでいう大手スーパーマーケットというのは小さな鮮魚店を脅かす可能性のある食品スーパーと広い意味にとらえてください。
規模でいうと年商300億以上の売上高を上げているようなスーパーマーケットをイメージして貰えばいいと思います。
地方の大きなスーパー以上って感じですか。
イオン、ヨーカ堂は正確にいうとGMSといって総合スーパーであって厳密に言えば食品スーパーと言えないかもしれません食料品を扱う部分においてはここでいう大手スーパーに含めていいでしょう。
サミット、ライフ、マルエツカスミ含むU.S.M.、バロー、ヤオコー、いなげや、ヨークベニマルあたりも食品スーパーとしては超大手となります。
原信、アークス、ツルヤ、ウジイエ、ユニバース、マルト、ヤマナカ、アルビス、サトウ、フジ、サニーマート、サンリブ、マルショク、コモディイイダ、関西スーパー、マックスバリュー、ぎゅーとら、イズミ、エブリイ、サンエー。生協
なども含めるとまだまだたくさんあります。
最近ではドラッグストアも含まれると思います。
これらがすべて小さい魚屋さんからすれば驚異になるわけです。
そして地方の小さな鮮魚店から見れば、以下の点が驚異に思えるわけです。
こうやって見ただけでもため息でますね。
もうやる前から白旗あげたほうがいいのでしょうか?
大手スーパーマーケットの鮮魚売場の弱点
ところが、魚屋の世界はおもしろいモノです。
確かにグロッサリなどのメーカー品は大手スーパーは圧倒的に強いのかもしれません。
しかしながら、魚の場合は、そうとは限らないのです。
だから皆さんも生き残っているわけですね。
多かれ少なかれ大手スーパーにも弱点があるということです。
先にこの点を見てみましょう。
歴史を振り返れば絶対王者的存在であった大手スーパーであっても潰れたりしてきたわけです。
かつてのダイエーのような超大手でも名前すらなくなくなってしまったということは皆さんもご承知でしょう。
どんなに大きくても蟻の一穴ということではないでしょうが完全無欠ということはあり得ないのです。
ということで、大手スーパーの苦手なところ弱いところも見ておく必要があります。
とまあ、これだけの弱点があるわけです。
大手スーパーも穴だらけのように思えます。
全体としては影響力大きいようですが結局戦うのは個店と個店なのです。
で、個店でみるとたいしたことなかったりします。
たとえばあなたのお店が田舎の小さい町にあるとしたらラッキーかもしれません。
大手スーパーはそういう地方の小さな町の店には超優秀な人を送り込みません。
そういう優秀な人材は普通旗艦店にまわしたりします。
どちらかというと戦力的には決して強いとはいえない人材が選ばれます。
※実は担当者も薄々わかっています。
大手スーパーも今のご時世人材が有り余るほどいるというわけではないからです。
常に人手不足なのです。
であれば、小さいお店にいるあなたが情熱と熱意を持って臨むのであれば、いくら相手の看板が大きくても、負けたりしないのです。
要は戦うのは個店vs個店なのです。
だから、大手といえども得意分野を持った店には敵わないのです。
なによりも大手ではスタッフのサラリーマン化とユデガエル化は深刻です。
積極的に動ける人がいないのです。
そこは大手自身がなやんでいるところです。
しかし解決できずにいたりするのです。
どんなに本部が壮大な計画を立てようが、広報部がマスコミに立派なことアピールしようが、結局実際にやるのは現場の人たちです。
その人たちが動けなければ正直相手にならないのです。
どの大手スーパーマーケットの鮮魚売場を見ても現場レベルまでその力を落とし込めているのはごくわずかです。
しかも、現場担当者レベルの士気はまったくといっていいほどない、ないように見えます。
よほどのリーダーシップをもったトップがいるところでないと従業員の無気力化は変えられないでしょう。
相当深刻なのです。
そもそもの大事な点を見忘れています。
それは、売場のにぎわい、人の活気がなければ鮮魚売場は成立しないということです。
忘れているというより目を覆っているといった方がいいかもしれません。
これすごく大事ですよ。
都会のムーディーなジャズが流れる高級でおしゃれな鮮魚売場であれば、活気という野暮なものは必要ないでしょう。
しかしながら、地方のまだ魚を調理して食べる習慣のある地域で、人の気配がない、シーンと静まり返った売場では、間違いなく魚は売れないでしょう。
これは皆さんも経験してお分かりなことだと思います。
小さな魚屋、鮮魚売場がやるべきこと
どうやって勝つか勝てるのかは、鮮魚の場合はある意味単純明快です。
個性的な特徴ある店作り
これしかありません。
すなわちコンセプト作りをしっかりすることが大事なのです。
これは以前リッキーが行ったアメリカのSMから学んだことでもあります。
やはり強いお店は個性がしっかり確立されていて明確でした。
そこででた結論は、
小さなお店が勝つには個性をビンビンに尖らせる
ということでした。
これがわかればおそらくお店づくり、鮮魚売場づくり、商品造りが非常にやりやすくなると思います。
柔よく剛を制す
![](https://sakananosa.com/wp-content/uploads/2020/03/name_C8274132-87F1-48BC-B97C-7785A0DD0981_1_105_c.jpg)
このように鮮魚は機動的に動ける方が強いということがわかりました。
もちろん、それも集客をしなければ意味はないということですね。
そのためにも先ほど述べた、
「得意分野」
「これがあるから買いに来る」
という商品を持たないといけないということになります。
で、それがなにか、どんなものを名物にするかということです。
それはまさしく魚でいうと、
近海魚の種類の豊富さとブッチギリの鮮度であるべきだと思います。
そしてそれが手頃な値段で買えれば最高なのです。
そういう鮮魚売場を作るべきなのです。
とはいえ、全部が全部の店ができるわけではないと思います。
ただ、今あげた要素の全部でなくてもどれかは取り組む必要があると思います。
その上で、
自分たちはなんのお店か!地域での役割はなにか!ということをとことん突き詰めて考えること
が大事です。
一番わかりやすいのが売場をしっかり見ることです。
そうすればどんな商品が動いているか、どんな商品が求められているかわかってくると思います。
そこから名物になるものを作り上げたり、セレクトしたりすればいいのです。
あれもこれもできるというのはダメです。
結局何もできないのと一緒です。
例えば今私が関わっているお店は水産特化型の店作りに舵を切っています。
鮮魚対面売場を作って魚種の豊富さ、ブッチギリの鮮度、さらに圧倒的な価格メリットをだして成功しています。
たまたま今やっている地域がそういう生鮮魚を求めているのでそこに特化しているだけです。
もし、都市型で、刺身や半加工商品の需要が多いのであればそれに集中して他にはできない商品作りするはずです。
しかも機動的におこなえば、大手には絶対できないわけですから、圧倒的な優位性が生まれるということになります。
とにかく大手はどこであっても鮮魚の施策について意思決定が遅いという致命的な問題を抱えています。
そんなもんです。とにかくウチの店では○○が得意だよ!という武器を持ってください。
小さい鮮魚店、鮮魚売場に勝ち目はあるのか?
そこで、小さい魚屋さん、鮮魚店が大手に対して勝ち目があるのかないのかというと、
勝ち目は大いにある
と言えると思いますし、いいたいです。
いま上で見たように、大手スーパーの弱点が山ほどあるわけです。
それも一番大事な現場すなわち従業員のやる気の部分で大きな問題があるということがわかったことは大きいと思います。
※誤解なくいえば大手スーパーでもやる気のある人はたくさんいます。ただ、それが活かされない現状があることは否定できないと思います。
これらは少数先鋭でもやる気前向きな人がいればいいだけですから。
これは戦う側からすると非常に有利になると思います。
小さい鮮魚店は具体的にどうやって戦うのか?
ただし、小さい魚屋、鮮魚店が大手スーパーと同じところで問題があるのならやめた方がいいです。
リーダーを創る
すなわちリーダーがスタッフのモチベーションを上げられないのであれば無駄な戦いは避けるべきです。
社長をはじめトップ従業員ともにやったるぜ!という士気がなければそもそも大手と一緒だからです。
みんながやる気になって立ち向かうという意気込みを持たせることができるのも小さいお店のメリットでもあるはずです。
それができないなら最初から戦わないことです。
従業員に変な気を使うリーダーばかりならやめた方がいいと思います。
その意味でまず人を育てるところから始める必要があります。
一緒に苦難を乗り越えてくれるリーダーシップを持った人がいなければ難しいです。
そういう人材を育てましょう。
安売り合戦はやめる
それともう一点、
チラシの安売り合戦するならやめた方がいいでしょう。
大手と立ち向かうといって大手と同じようなことをしようとしても勝ち目がありません。
多少の目玉を出すのはいいですが値段で負けないといって安売りのチラシを出せばいいなんとかなると思うならそれもやめた方がいいです。
安売り合戦は小さい方が負けるというのは過去の歴史から見ても明らかだからです。
ちょっと専門的な話になりますが、ランチェスターの法則というものがあります。知っている方も多いと思います。
戦争の戦いかたの原理原則を示した考え方ですがその中で同じ戦法を取ったら大きい方が勝つという法則がある言われています。
まさに今の話です。チラシの安売り合戦をしたら大きい方が強いわけです。
また、孫子の兵法という古い時代の中国の戦術について書かれた著書があります。
そこでは小さい(弱い)方が勝つために戦術が紹介されています。
鶴翼の翼(真正面から戦わず回り込んで裏をかく)や遠交近攻(敵の敵は味方)などいろんな戦い方が歴史から経験から導き出されているのです。
それを応用すればいいわけです。
そこでリッキーからの提案としては、
自分たちの得意不得意をまず把握して、得意分野で勝負をかけるという戦法を取る
ことをお勧めします。
名物をつくる
例えば、近海の新鮮!生魚が得意なら対面を作ってそれに特化するとか、刺身が得意なら地物魚の姿づくりを徹底強化するとか、来店する人の名前、好きな魚を完璧に覚えてフレンドリーサービスに徹底するとか特徴を出していく方法を取るべきだと思います。
これを聞くとなんだ、そんなこと言われなくてもわかっているよとかこんな当たり前のこと聞きたくてここまで読んだんじゃないよと思われるかもしれませんが、これを実現するのも大変です。
実現可能でやれることを選ぶべきです。
またそれはただやるだけではダメで一定の表現力が必要となるのです。
わかりやすくいうと、皆さんこうしたらいいああしたらいいというのはわかっていてもいざやってみるとなかなかお客さんに伝わっていないものなのです。
なんか鮮度感でないなあ、なんか活気がないなあと思いません?自分の売場。
名物を作るが特に大事!
この店に行かないと買えないというものがあれば最強です!
ただ鮮魚ではうまいもの、鮮度がいいものを扱うだけでそれなりに来店の多い店づくりは可能だと思います。
しかし、もう一つほしいのは、
「そのお店に行かないと買えないもの」
があるということです。
いわゆるそのお店の名物です。
これが一番むずかしいということですが、
その意味で店の側からすると何か特徴を持たないといけないということになります。
自分達の立ち位置を把握する上でも大手スーパーマーケットの分析は不可欠です。
それも的確な分析が必要です。
雑談で出てくるような見立てはいらないです。
アメリカのスーパーマーケットに学んだこと
![Trader Joe's](https://sakananosa.com/wp-content/uploads/2023/06/トレジョ.jpg)
少し前の話ですが、アメリカ西海岸の流通視察に参加する機会がありました。
いろいろお店を見させていただいたのですが、おしなべて言えることは、
個性がないお店は淘汰されていくということです。
アメリカでトレダージョーという素敵なお店があります。
非常に特徴のある個性的なお店です。
PB商品の割合が9割近くを占めるチョット高級なお店ですがロゴを見るとすぐにトレダージョーのお店や商品を思い出します。
また、そのP Bがとってもおいしいと評判で人気なのです。
PBができるかどうかは別ですが、このお店はPB商品という武器を確かに持っていました。
お店作りも個性的ということもありましたが、とにかく商品を見たらトレダージョーだ!とすぐわかるのです。
しかもそれがおいしいというわけです。
今なおこのお店の人気は落ちていないそうです。
やっぱり個性的なお店で美味しいものを売っていれば食品小売業は間違いないと確信しました。
ほかにも個性的なお店がたくさん見ることができました。
レイリーズという昔から人気のお店も信頼という個性がありました。
古い新しいではないんでね。
特徴あるお店作り、個性的な商品があるかぎりそのお店は継続し続けられるということです。
小さい鮮魚店はネットを思う存分活用しよう!
おそらく、小さい魚屋さん、鮮魚店でこのまま現状維持とお考えのところはなかなか厳しいかもしません。
もちろん、余裕の資金もないし、人もいないということもあると思います。
しかし、今の時代はインターネットがインフラ化しているので考えようによってはチャンスでもあるといえます。
というのも今まででしたら資金力のあるところでないと大量のチラシを巻いたりできず、世の中に商品を紹介できませんでした。
しかしながらこれだけSNSが使えるようになれば資金力ないところでもSNSでいろんな商品や店舗紹介が発信できるようになっていると思います。
これは小さなお店にとってはありがたいことのように思えます。
基本無料ですから。
ただ、魚屋さんパソコン、インターネットが苦手という人も多いんですよね。
わかります。普段あんまり閲覧くらいしか使ってないですもんね。
なのでスマホ一台あればいろんなことできるのでそのやり方もリッキー紹介したいと思います。
これについてもメールの無料相談で連絡していただければやり方ご案内します。
LINEやYahoo検索くらいはできると思いますが、インスタ、フェイスブック、アプリのトクバイ設定などのやり方もご案内します。
LINE公式アカウントからご連絡ください。
【LINE公式アカウントの案内】
さかなのさLINE公式アカウント開設しました!
これら魚に関する有益な情報お届けしていく予定にしています。
登録はこちらから
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期間限定です。今のうちだけです。
すでにそれなりの数の事業者様にご連絡いただいてアドバイスさせていただいています。
ぜひご一報ください。
最後に
昔からある、今までそうやってやってきたという商いを継続していくのはむずかしいでしょう。
着々と周囲の環境、地域の人たちの感覚が変わっています。
そこで大事なのが特徴あるお店作り、個性的な商品作りになるということです。
名物はなにも商品だけでありません、イベントや人でも名物になりえます。
「○○があるからこの店に来たんだ」
「これをわざわざ買いに来ているんだよ」
伸びていくお店にはこういう声が必ずしていると思います。
むずかしいことをする前にまず一つでも名物作りを始めてください。
それがその店の力となっていくわけですから。
その中で○○ならここというものを作り上げていくのです。
これ以下でもこれ以上でもありません。
商品、人、イベントの「名物作り」単純ですがこれができるかどうかしかないのです。
<終わり>