みなさんこんにちは。魚売れていますか?
最近は高齢化社会ということでお年寄りの割合が増えているということは周知の事実です。
そんなこともあってかお年寄りは多くはいらないからおいしいものを少しだけ用意するのが大事なので少量パックを強化しましょうといわれたりすることがあります。
で、実際に売場に刺身の少量パックを刺身コーナー置くとします。
しかしこれがほとんど売れないのです。
みなさんところはどうでしょう?
確かにご年配の方にとってはその通りで少なくていいからおいしいものを食べたいというのはあると思います。
それを真に受けて少量パックのお刺身を準備してもこれが売れないのです。
リッキーも何度チャレンジしたかわかりません。
でも売れないのです。
一つ二つは売れてもそれ以上作るとほとんどが見切りになって最後は廃棄なったりすることもあるのです。
そのうち売場から消えてしまいます。
みなさんのところはどうですか?少量パック売れてますか?
一つ二つ売れれば役に立っているのでいいのではないかといういい方もできるかもしれません。
しかしながら、その手間と最後に残る利益を見るとがっかりします。
やはり商売なのでそれなりの結果と効率は考えてしまうとさっきのような結論になるのです。
これってどういうことでしょうか?
結論からいえば割高なものは買いたくないということ
結論を言えば、割高なものは買いたくないのです。
安いと思わないと買わないのです。
デパートなどの高級志向のお店は別かもしれませんが、スーパーや魚屋さんのような量販店では割安感がないものを買わないのです。
ん!少し矛盾してません?
冒頭では少しでいいからおいしいものを食べたいといっていたはずですね。
これはどういうことでしょうか?
ちょっとマーケティングからヒントをもらいましょう。
メリットとベネフィット マーケティング基本から
マーケティング用語でメリットとベネフィットという言葉があります。
まあ、普通に使うものと変わりないと思っていただいて差し支えないですが、両者は違うといわれています。
メリットは商品の特徴や強みを出すもの。
ベネフィットは広い意味でお客さんがその商品から得られる恩恵やプラスになる利益のこと。
といわれてます。
結局なにが違うかというと視点が違うわけです。
メリットは企業側から見るものでベネフィットは顧客側から見てどうかというものです。
もちろん価格も含めて総合的に見てどうかということです。
そしてベネフィットがないとお客さんは購入にまで至らないといわれています。
これを今の刺身の少量パックに当てはめてみるとどうでしょう?
刺身を少量にして使いやすいですよというのはお店側の論理です。メリットですね。
それに対してお客さんに満足感のような利益があるかどうかというとどうでしょう?ベネフィットがあるかです。
刺身を少量に分けただけではお客さんの満足感というか利益にはならないということがわかります。
お客さんにベネフィットを感じて購入してもらうためには、
①価格の要素割安感のようなものか
②それ自体メチャクチャおいしいというか
③少なくともたくさんの中から選べる
というものでないと購入にまでは至らないということなのです。
少量に分けただけではベネフィットを感じてもらえないのです。
ここまでわかりましたか?
ちょっと強引ではありますがマーケティングのものの見方はものを売るということに非常に役に立つのです。
次の2つ本は業界でも有名なので紹介しておきます。
刺身の少量パックを売るためにはなにが必要か?
で、刺身の少量パックを売るためになにが必要かということですが、
1.希少でおいしいものの小分けであること
2.少なくとも少量にすることで割安感を感じるものであること
3.あるいは豊富な中から自分の好きなものが選べるということ
これがない限りお客さんのベネフィット=購入につながるものはないものと考えます。
これを前提に考えるとどうでしょう。普通のタイやブリの刺身を小分けにしても売れないのがわかりますね。
ごく普通の魚の刺身は通常のパックの方が数もたくさんあるわけですし1個2個しか置かない少量パックの優位性は全くないですよね。
で、お店は少量パックにするときは少し値段あげますよね。これは資材コストもかかるわけですし当然だと思います。でも、そうすると割安感は絶対ないですよね。
売れるとすれば通常のパック÷2の値段くらいにして割安感を出さないといけないということになります。少なくとも割高にしたら売れないとことになります。
ここに大きなパラドックスが生まれるのです。
手間をかけて利益のない商品造りなんてみなさん絶対しませんからね。
となると少量パック自体やる意味がないということになります。
リッキーも今考えてみても刺身で上の条件に当てはまるものは思いつかないです。
強いていうなら刺身ではないですが、高級ブドウのルビーロマンが思いつくくらいです。
1房ではメチャクチャ高くて買えませんが1粒ならそれでも高いけど買えないことはないと思うくらいです。
結果、刺身の少量パックは売れずに売場から消えていくのです。
理想が幻想になる場合
まさに理想が幻想になった瞬間ではないでしょうか?
こういった理想というか幻想と現実の違いは調理済みの魚の場合なども見受けられます。
調理済みの魚はいくら便利といっても古いお魚でやっていては意味がないというのと同レベルの話ですね。
ものを売るということの本質を見違えると無駄ばかりか全く意味のない行為になります。
いくらカッコいい言葉を使っても心地いい響きの言葉を使おうとしても買う人の心理をわかっていなければうわべだけの表現者になってしまいます。
マスコミや業界紙の扇動に煽られて道を踏み間違えないように商売の本質を自分で考えるクセをつけていかないといけません。
最後に
誤解なくいっておきますが少しでいいからおいしい刺身造りはとても大事なことです。
それを少量パックでするのは難しいということがわかりました。
であれば通常の商品造りの中でこれを目指せばいいのです。
実際可能だと思います。
ここでも基本が大事だということです。
基本の中で徹底して割安なおいしさを追求すればいいのです。
うわべだけのカッコよさや流行り廃りに惑わせられずに地道にあるべき道を進まないといけないのです。
あるべき道というのはお客さんが本当に求めているものということです。
それを探るのがプロの役割なのです。
言い方を変えるとプロはそれを的確に捉えられるから結果を出せるのです。
みなさんも魚小売りのプロになりましょう。
<終わり>
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