地域にもよりますが鮮魚部門は日販30万円ないとは難しいと思っています。
要は一人当たりの平均単価が300円で1,000点売ればいいわけですがいずれも届いていないというお店も多いと思います。
もちろんそれ以下でも地域で信頼されているお店はあるでしょうが管理面で非常に難しいですし、一番大事な鮮度管理が難しくなります。
逆に毎日30万円行くようになれば、鮮度面でも利益面でもやりやすくなるものです。
なんとしてでもこの30万円を超えるというのがまず売上の目標値となるわけです。
今回この記事はまず先に地方のスーパーマーケットの経営者、幹部の人たちに読んでほしい記事です。もちろん鮮魚を担当する人にも読んでほしいです。
目次
地方のスーパーマーケットでは鮮魚が良さが店全体の良さにつながります!
地方のローカルスーパーマーケットでは水産鮮魚部門がしっかりしている店は店全体としても安定して利益を出せていると思います。
もちろん実績の推移や損益分岐点とかのいろんな経営指標を使って判断していくとは思いますがまず、そもそも鮮魚水産部門というものがよくわからない、わかりにくということもあって今ひとつ踏み込めないでいるということもあると思います。
逆に水産鮮魚部門が苦戦しているところは店全体の利益も安定せず経営の足を引っ張っていると思っていることは容易に想像つきます。
今回鮮魚水産の立場でまともな利益を出すのに日々どのくらいの金額売る必要があるかという点に焦点を絞って解説してみたいと思います。
ちなみに今回示した日販30万円という金額は鮮魚に必要な最低の売上金額と理解してください。
日販30万円高い金額ですか?
突然日販30万円という数字が出てきてビックリした方もいらっしゃるでしょうが、実際にいくつかのスーパーマーケットのお店を経験してきてつくづく思った数字が30万円なのです。
んっ!30万円?なんで30万円なんだ?低いじゃないか!たかいじゃないか!
で、表題の数字を見てどんな風におもわれたでしょうか?30万円!
いろいろ思うところがあると思います。
これはリッキーが実際数々の店を経験して実感した数値です。完全なる経験則です。
これはどういうことかというとトロ箱1箱回転できるのがだいたい日販30万円なのです。
魚の鮮度を維持できる最低ラインの売上高という意味です。
もちろん、山間地や海から遠い店には当てはまらないのかもしれませんが、概してトロ箱1箱をこなせるのが30万円ということです。
どういうことか詳しくみていきましょう!
地方のスーパーマーケットの現状
実際地方の生鮮スーパーマーケットは店の坪数で250〜450坪くらいでやっているところがほとんどではないでしょうか?
例えば店全体が日販300万円の売上だとすると水産部門は構成比9.0%として27万円。
30万円いかないです。
こういうお店は魚屋で苦労しますよということです。
店全体としても利益を出すのが難しいでしょう。
よほど特殊な政策を取らない限り店全体の収支は見えてこないのです。
鮮魚水産部門にとって30万円の意味
鮮魚水産部門の売上30万円だとしたら一ヶ月30日として考えると900万円。月間で1千万円ほどの売上高だといいですね。
普通のスーパーマーケットだとそこそこの売上高になりますね。
構成比でいうと9.0%といったところでしょう。
店でいうと1千万円というところですか。
※私がコンサルティングするところは対面売場を効果的に使うので最低11.0%普通は13.0%が当たり前です。寿司があれば15.0%は楽に超えます。
ではなんで30万円なのか?ここが大事なポイントなので詳しく解説します。
コストの問題
まず、30万円ないとフルタイム2.5人配置できません。
この2.5人というのは水産がまともなオペレーションをするのに最低の人員です。MH(マンアワー)で言うと月間約440時間になります。それにパートタイマーが数人必要ですが560時間で人時売上高約1万円といったところです。
まあ、こう見ただけでも苦しい数値になるわけです。
ただここの細かい数値を優先すると間違いなく水産部門は弱くなるのであまり厳密に見ないことです。
まともに運営できるように考えると休みもあるのでやはり2.5人は確保しないといけないと思ってください。
魚の鮮度の問題
で、今度は水産の商品管理の面です。
実際に水産部門を運営するにあたって日販30万円はないと鮮度が維持できません。
実はここが一番大事なところです。
なぜならば市場からくるトロ箱1箱こなせる(売り切れる)のに必要なのが30万円だからです。それも最低限の数字です。
これについて根拠を示せと言われても難しいです。
実際いい店悪い店数々のお店を経験したリッキーの経験則としか言いようがありません。
が、結構的を得ている数字だと思います。
おそらく日本でも初めて出された数字だと思います。
ボヤ〜ッとは分かっていてもこうやって明確な数字で示たものはないと思います。
具体的にいうと日販30万円ない場合とトロ箱一箱こなせず全部出しきれないということです。
全部出しきれないということは半分は次の日に出すことになるのでその分は鮮度が落ちるということです。
鮮度管理の問題すなわち鮮度のいい魚を当日売場に出せなくなってしまうということです。
または無理やり出してしまうと今度は値引きや廃棄でロスを増やすということになります。
もちろん賢いチーフや担当がうまく鮮度コントロールして上手くいっているかもしれません。もしそうならそのチーフ、担当を褒めてあげてください。彼らは必死で努力しているということだからです。
しかし、一般的にいって市場から入荷したトロ箱一つ売り切るには最低日販30万ないとキツいのです。
その意味で日販30万円最低売らないと魚屋の体裁は保てないということにもなります。
鮮魚部門がよくなれば店全体のイメージUP、収支向上期待できます!
鮮魚水産部門はうまくやると店全体のイメージを上げるだけでなく利益面でも大きく貢献します。
鮮魚水産部門 荒利率28.0%×構成比13.0%=相乗積3.64%は正直魅力的です。
食品部門 荒利率12.0%×構成比20.0%=相乗積2.4%と比べてみてください。これだけ売ってもって感じですね。
食品売場を縮めてでも鮮魚水産売場を広げた方がいいというのはこういうことです。
ただ、そのためには鮮魚水産部門の売上30万円いくような器を作ってやってください。
部門に数字を要求するだけなら何も改善はしないですよ!
そして鮮魚水産部門で30万円いかないお店は今後作らないことです!
絶対採算合わないですから。
参考記事 地方スーパーは水産を看板部門にせよ!お荷物部門からの脱却
参考記事 なぜ地方スーパーマーケットは魚が強くなければいけないか!
<終わり>
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