鮮魚、水産品がおそらく生鮮食料品の中で一番扱いが難しいものと言えるでしょう。
なぜ水産品の扱いは難しいのでしょうか?
考えるととなかなか難しいものです。
しかしながらこれを考えることで水産部門の目指す方向がはっきりしてくるのではないでしょうか?
なにができるのか?
どこまでできるのか?
とても大事なところなので詳しくみてみたいと思います。
水産物は腐敗性が高い 〜鮮度落ちが早い
水産物の第一の特徴は鮮度がすぐ落ちるということです。
言い方を変えるとすぐ腐るということです。
おそらく水産物が生鮮食料品の中でも最も腐敗性が顕著な商品であるといえます。
このことが水産の一番大事なところであることは言うまでもありません。
ややもすると1日で商品価値がなくなることもよくあります。
その特性により、流通面において鮮度を維持するための特別な配慮が必要になります。
たとえば、取引を敏速に行う、特殊な施設で保管する、特別な輸送が必要だったりするのです。
水産物は規格性に乏しい 〜実際見てみないとわからない
鮮魚類は大きさがマチマチです。
しかも鮮度も変化しやすいです。
このように商品価値を決める上で重要な要素が不確定ということになります。
これは鮮魚類に一定の規格を定めたり、格付けしたりすることが困難ということになります。
確かに大きさについては表示もありますが、鮮度については表示すらありません。
このことから鮮魚類の取引は現物を見てしなければならないということになります。
時代の変化でインターネット上で画面を通じて見ることができるようになってはいますが実際細かいところまでは把握というのが現実です。
生産が不安である 〜計画しにくい
鮮魚類は一部を除いて、生産が不安定です。
資源の状態や天候の状況によって左右されるます。
年によっても水揚げ状況異なるわけです。
一部の魚種で自主的に生産調整していたりもしますが、安定供給できるとまで至っていません。
したがって計画生産を前提とする計画取引とか、流通関係施設の有効利用はかなり困難ということになります。
養殖という形で安定供給を図るということも可能ですがそれでも完全とはいえません。
まとめ
このように水産物は物理的特性として非常に扱いにくいものといえます。
それぞれ挙げた課題を解決しようとすることも大事ですがその時はなにか犠牲にしないといけない部分も出てくるのかと思います。
どこかを妥協するということになるでしょう。
妥協する手段は養殖物や冷凍物、輸入物の活用ということになるのでしょう。
それが正しいかどうかはそれぞれ企業の価値観で決まると思います。
自然のままを重視するならば物理的な限界を把握することもある意味大事だと思います。
我々の業務においてもどこまでできてできないかを判断する上で上記の3つの性質は水産物の本質として理解しておかなければならないでしょう。
今回の内容は鮮魚小売りの本質に近い内容というのがわかっていただければ幸いです。
<終わり>
参考記事
>>日本人は本当に魚を食べなくなったのか? 〜魚の売れる店はこうやって作る!
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