金沢の市場にもたまにソウダガツオが並びます。
日本海側ではカツオがあまりとれないためこのソウダガツオについてもよく知っている人は少ないように思います。
上の写真のように背中の後半部分にサバの模様があるカツオがソウダガツオです。
金沢でも朝どれなどで新鮮なソウダガツオが入荷したりします。
新鮮なソウダガツオが獲れる地域では刺身で食べられることがあります。
「メジカの新子」も地域によっては大人気です。
ただ、このソウダガツオ普通のカツオ(本鰹)と違って刺身にするときはちょっと注意が必要なようですのでこの点について解説したいと思います。
ソウダガツオの基本情報
分類 | スズキ目サバ科ソウダガツオ属 |
名称 | ソウダガツオ(ヒラソウダ) |
別名・地方名 | ソーダ、ソマ |
英語名 | Frigate tuna |
学名 | Auxis thazard thazard(Lacepede,1800) |
分布 | 海水魚 |
主な漁法 | 定置網漁、巻網漁 |
備考 | ・左右扁平なのが特徴 ・塩がつお、なまり節に加工されることがある |
ソウダガツオはどんな魚?
春先に市場に並んだり、漁港で朝どれで水揚げされたりする季節魚です。
北陸ではカツオ自体あまり食べないためソウダガツオを知らない人も多いです。
正確にいうと一般の人に馴染みがないという意味です。
北陸でも水揚げはありますし、好んで食べる地域もあります。
スーパーで扱う店はごく少数に限られているといった状況です。
太平洋側でお馴染みな魚の代表例と言えるでしょう!
ヒラソウダとマルソウダ
実はこのソウダガツオは実はマルソウダとヒラソウダの2種類います。
胸元に黒い点のあるスマを含めて3種類あるという言い方もします。
どうやって見分けるかというとウロコの範囲で見分けます。
胸ビレの周りの硬いところがウロコですが、
ヒラソウダは三角でYの字になっています。
マルソウダは尾の近くまでVの字になっています。
ラインがYになってるかVなっているかで覚えてください
ちなみにスマは胸元に黒い点があるので見分けやすいです。
で、一般的にはヒラソウダは刺身で食べられるけどマルソウダは当たる可能性があるという言われ方をすることがあります。
これは血合いの多いマルソウダに蕁麻疹などの誘発する恐れのあるヒスタミンの原因となるヒスチジンを多く含むからということのようです。
まあ、これはマルソウダに限ったことではなくヒラソウダも含めて青魚は押し並べてヒスチジンの多いので一概には言えないと思いますが血や血合いの処理を適切に処理するということが大事なようです。
市場に並ぶのはヒラソウダですがわかってない人も多いので慣れてない人は刺身で食べるは避けた方がいいと思います。
ちなみにヒスタミンが発生すると加熱では除去できませんので鮮度が悪いものは煮付けとかでも食べるのを避けた方がいいでしょう。
ソウダガツオのおいしい食べ方は?
刺身が絶品と言われています。
本ガツオよりおいしいという人もいます。
なめろうもおいしそう。
かつお節のソウダガツオバージョン宗田節は有名です。
あとは塩ガツオやなまり節にされてたりしています。
塩ガツオは太平洋側の保存食でお茶漬けのように食べたりしたらおいしいでしょうね。
炊き込みご飯にもするようです。
どうやって売る?
値段が安い仕入れやすいと思います。
北陸では鮮度の問題もあるので非常に扱いの難しい魚だと思います。
朝どれで獲れる場合もありますがよくわかっている人以外は無理しない方がよいと思います。
太平洋側の人はよくわかっていると思うのでここでは割愛させていただきます。
メジカの新子(シンコ)
四国の高知などではソウダガツオの幼魚を「メジカの新子」、「ヨコの新子」と言って刺身でよく食べます。
モチモチとした食感と鮮度のよさ
が人気ということです。
9月くらいになると若い人もTwitterにメジカの新子情報をあげたりして楽しんでいるようです。
これだけ盛り上がっていると遠隔地にいるものにとっても気になりますね。
また食べるときに必ずかける柑橘があり、これがないと始まらないというものもあるようです。
気になる人は別記事で詳しく解説しているのでこちらをご覧ください。
>>メジカの新子(シンコ)【9月】高知で熱狂的な盛り上がり! 〜さかなのさ
最後に
このようにソウダガツオ太平洋側の人にとっては非常に食べられたり利用されている魚です。
魚食は地域性が強くそれぞれの土地で育まれた食文化だと思っています。
なので他の土地の人がその土地の人の食べ方を簡単にいい悪いを評価すべきではないと思います。
このソウダガツオもそのうちの一つで食べ慣れている方にとっては貴重な魚だと思います。
反面、一般の人は全く知識を有しないという場合も多いです。
刺身、生食については特に鮮度が良ければ大丈夫と思っている人も多いです。
その意味で一定の正しい情報を発信しながら警鐘を鳴らすことも必要なことだと思います。
「さかなのさ」も公の立場ではないものの魚の専門家の立場でできるだけ正確な情報を発信していきたいと思っています。
これからもみなさんが楽しく安全にお刺身ライフを楽しんでもらえればうれしいです!
【参考サイト】
<終わり>
ただ食べ慣れていない人や水揚げ地でない場合は避けた方がいいですね。