激アツ鮮魚バイヤーのリッキーです。
今回は珍しいシュモクザメを唐揚げにして食べてみる機会があったので報告します。
まさか自分でもシュモクザメを食べることになるとは思ってもみませんでした。
そもそもシュモクザメは食用になるのかわかりませんでした。
子供達を喜ばせようと展示用にほんの興味本位に買っただけでした。
それが唐揚げになるなんて。
実際のお味はどうだったのでしょうか。
目次
市場にシュモクザメが並んでいた!
金沢の魚市場は産地市場なのでにたまに網にかかった変わった魚が並んでいたりします。
過去にもナガヅカやダツ、サケガシラ、日本海には珍しいサンマなども並んでいたりしました。
網に入ってしまうんですね。
売れるかどうかわからないけど市場に並べておくなんてことがあるのです。
そしてそれらは買い手がつかないこともあって大抵二束三文で売られたりしています。
変わったものを買い付ける鮮魚バイヤー
鮮魚の買付担当者やスーパーのバイヤーなどで変わった物好きの人が必ずいます。
展示して子供に見せようとしたり、変わった魚の骨(タイのタイ)のコレクターがお客さんいたり普通では扱わないだろうという魚を買い付ける人がいるのです。
私もそのうちの一人かもしれません。
基本商売は真面目に考えていますが遊び心も大事だと思っています。
売場に変化を与えるのもたまにはいいことじゃないかと思ったりもします。
なによりもお客さんを驚かせたいという変なサービス精神があったりします。
変わった魚といってもカッコイイ魚とか話題になる魚でないとダメだと思います。
グロテスクな魚を展示して驚かせたいという悪趣味はありません。
お母さんと来店した子供が喜んでくれるというのが最高なんですね。
シュモクザメは結構迫力あるカッコいいサメ
そこで出会ったのがシュモクザメでした。
たまたま市場に並んでいるのを見つけたのです。
上の写真のように???という感じの姿が結構目立っていました。
周りの買い付けの人たちは物珍しげにみるだけでした。
もちろんみんな売れる魚、食べられる魚を買いにきているわけですからこのシュモクザメを買おうと思ってみている人はいませんでした。
私も最初は見ているだけでしたがふと思ったのです。
「これを店に置いたら子供喜ぶんじゃないか!」
シュモクザメの値段は?
試しに値段を聞いてみることにしました。
もちろん買うと思われたら相手にも悪いのでちょっと聞き方を配慮しながら聞きました。
「ちなみに聞くけどこれっていくらで売っているの?」
「買う気はないけど勉強がてら値段教えてほしい」
と聞きしました。
相手の仲買人の人はピンときたのか、
「リッキーさんのことなら二束三文でいいですよ」
といって激安の値段を教えてくれました。
その値段を聞き私は即買うことにしました。
販促費としても安いくらいでした。
ちなみに具体的な金額は言えませんが例えていうと。
サバ一本くらいの値段ということでした。
「ロスにもならないなら即買いだ」
そう思ってある店に入れたのです。
鮮魚に精通した人は変わった魚の入荷が楽しみ
このシュモクザメを入れた店の責任者も遊び心を持っている人だったので当然のように喜んでくれました。
やはり展示して子供に見せたいといってくれました。
そうなんですね。
鮮魚に精通したベテランの人って変わった魚が入るのを結構楽しみにしているんです。
それもこのシュモクザメってミテクレからしてインパクトあるんですね。
楽しそうに対面に飾ってくれました。
開店して5分で売れた!
この遊び心はお客さんにも伝わるでしょうか?
開店してものの5分で売れてしまったのです。
やはり変わった魚を求めている人がいるんですね。
常連のお客さんで自分で魚を捌く人でした。
開店と同時に対面コーナーへ来てこのシュモクザメを見つけたのです。
それで買っていってくれました。
もちろん値段は二束三文です。
もともと売るつもりはなかったですから。
まあ売れたのは嬉しいことですが5分で売れてしまってはいろんな人に見てもらうという目的は達成できないということになります。
後日再度シュモクザメが市場に入荷
その時はそれで終わったのですが、やはり展示したいということでそのシュモクザメを打ってくれた仲買人にまたあったら頼むとお願いしても来ました。
それから数日後再度シュモクザメが入荷したので再び買い付けることにしました。
前のよりちょっと大きかったです。
大きさもあってからこの個体は売れなかったです。
2日ほど展示しました。
やはりみなさんの注目度も高かったようです。
スマホで写真を撮っている姿も数件見たそうです。
シュモクザメだけ写真撮影可にしました。
シュモクザメは食用で販売できるのか?
一応市場で売っていたのでこのシュモクザメも食用が前提のはずです。
しかしこの前のナガヅカのように体に毒がある可能性もあります。
そんなこともあってシュモクザメは食用になるのか疑問に思いました。
調べてみると食用にもなり、水揚地ではよく食べられているという情報もわかりました。
ということで切身にして売ることにしたのです。
切身としてはキレイな身の色をしていましたしアンモニア臭もなく
何よりも安いので売れるだろうと思いました。
販売する前に検食してみた
販売する前に試食をしてみることにました。
他の魚でフライヤーを使っていたので、
「あとで唐揚げにして」
と担当者にお願いしました。
で、唐揚げにされたシュモクザメが出来上がったので実際に食べてみました。
シュモクザメは酸味が強かった!
なんで唐揚げにしたかというと、
唐揚げならハズレはないはず
という根拠のない自信からでした。
大抵の魚は唐揚げにするとおいしいものです。
実際食べてみての感想は次のとおりです。
「まずいこともないけどうまいというほどでもない」
「熱々な分おいしいかもしれない」
でした。
ただ酸味が強く特徴のある味わいでした。
そもそもサメを食べ慣れてないのでなんともいえないところです。
ただアンモニア臭もなかったので商品的には問題ないと判断しました。
それにしてもシュモクザメを食べることになるとはこれっぽっちも思わなかったです。
最後に
毎日同じ魚を売っていても飽きるものです。
お客さんはさらに飽きているのかもしれません。
商品として販売するかどうかはともかく、いろんな魚を売場に並べるというのは大事なことだと改めて思いました。
やはり話題になるようなレアものをおきたいです。
また、遊び心で売場にこのシュモクザメのような魚を展示できるというのは余裕があるからです。
雰囲気含め利益状況含めそういう環境を作らないとダメですね。
今回たまたまシュモクザメでしたがいい機会を与えてもらったような気がします。
それにしてもシュモクザメがカッコよく見えるというのは一つの職業病なような気がしました。
<終わり>
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