回転寿司でまぐろの代用としてアカマンボウが寿司ネタに使われていたという都市伝説はご存知でしょうか?
いやいやさすがにマンボウがマグロの代用ってそれはないだろうと思っていました。
ところが調べていくといろんなところでマグロとマンボウの味が似ているというような内容の記事を目にしたりするのです。
そこで本当にアカマンボウがマグロの味がするのか検証してみました。
市場で実際にアカマンボウの刺身を食べる機会があったのでその結果を報告します。
都市伝説 〜回転寿司でアカマンボウがマグロの代わりに使われていた?!
実は昔から回転寿司店で使われるマグロのネタはマンボウという都市伝説あります。
最近でも著作物やネットでそんなような情報というか噂が湧き上がったりしています。
回転寿司やさんに並ぶ時にはもうスライスした状態なのでそれが本物かどうかはわからないといえばわからないです。
原体も見えないこともあっていろんな想像ができるということです。
その噂のほとんどが荒唐無稽な話でそんなわけはないだろうと思います。
回転寿司屋さんもはなはだ迷惑な話でもあるわけです。
ただ、その中でも今までの歴史を見るといろんな裏技や秘儀があったことは否定できないようです。
まぐろのたたきにサラダオイルを混ぜておいしくするとか、養殖水槽で死んで浮いた鯛をネタにするとか。
この辺の話は今でも実際あり得ることだと思います。
そのうちの一つに表題のような、
高価なまぐろの代わりに安価な赤マンボウを使っている
話があったわけです。
まんざら噂だけではないのかもしれません。
過去にそういうことをしていたかどうかについては調べることは難しいわけです。
なのでこの噂がちょっと引っかかっていました。
というのもいくらなんでもマンボウとまぐろさすがに違うでしょうと思うからです。
なんでそんなことになるのかなと思ってました。
で、今回赤マンボウをさばくところをたまたま見る機会がありました。
この荒唐無稽な都市伝説を検証する千載一遇のチャンスが到来したわけです!
この都市伝説が実際に本当なのか検証してみたいと思います。
アカマンボウの実際の姿

七尾の市場で水揚げされた赤まんぼう。
この画はもはや水族館ですね。
ただ、おろすとこんな感じになります。

今回はさばいている途中に発見したので一部処理されていました。
それにしても生の原体をさばくところを見れるというのは毎日市場に行っていてもなかなかレアな経験です。
しかもこの「さかなのさ」をいつも見てくださっているIさんがお買い上げだということでいろいろ話も聞かせていただいているので後で報告しますね。
まずは、さばくところ見てみましょう。

ここまではまぐろとは全く別物ですね。
値段は本マグロで言うと5分の1ほどのようです。※多少誤差あり
なんか車だいの大きいもののようです。

あまりにも大きいので4つ割りです。
まぐろのおろし方と同じです。

腹の方の身です。
脂あるな。
これを見る限りカジキ(金沢ではサワラ)のようなオレンジ色の身をしています。
そばを見るとこんな部位も、

わっ!まぐろだ!
これを見る限りマグロと言われてもわからないですね。
まさにまぐろの赤身そっくりです。

上の写真はこの近くの部位なのでしょうか?
身が層になって重なっているように見えます。
色目、身の重なりはカツオみたいでもあります。
まぐろみたいな身とメタリックな皮が一緒になっているとちょっと不気味です。違和感あります。
で、背側の身を見ると…。

やばいこれはもうまぐろです!!!
ビンチョウマグロと言われてもわからないです!
みなさん、そうでしょう!?
どうなることやらといった感じです。
このまま、赤マンボウはマグロとそっくりだ!
という結論になってしまうのでしょうか?
アカマンボウを試食してみました!

ここまでくるともう赤マンボウはマグロという思ってもみない結論に至りそうなので少し味見したくなりました!
正味のところは既にお買い上げなのでさすがにそこは試食することできないので、まな板に残っていた破片を少しいただきました。
魚屋あるあるです。
そのくらいは許していただけると信じてそれで検食です。
Iさんありがとう!と言いながら、
口の中に入れてみると、、、。
ん〜〜!
まぐろに似ている味だけど、
なにか違う、、、。
口で咀嚼して飲み込む。
全部食べてみた後の感想は、
脂が違う!
ということです。
確かに食べた瞬間の味はマグロかなと思いましたが、
よく味わうにつれちょっと脂が口の中に残るような感じが。
食べた後も脂が口の中に残る感じが取れません。
ん〜、まずいことはないんですがこの脂はちょっと独特な感じです。
赤身の部分だったらどうなんでしょうか?
ちょっとそこまでは試食できないですね。
赤マンボウの基本情報
分類 | 赤マンボウ目赤マンボウ科の深海魚 |
名称 | 赤まんぼう |
別名・地方名 | マンダイ |
英語名 | opah |
学名 | Lampris guttatus(Retzius,1799) |
分布 | 世界中の熱帯、温帯に広く分布 |
主な漁法 | |
備考 | ・マンボウとは分類上別の魚 ・リュウグウノツカイ近縁の深海魚 ・2mを超える大型魚 |
まとめ
で、結論からいうと赤マンボウはまぐろの代わりにはならないと思いました。
ただ、一般の人がわかるかというと脂分の少ない赤身なんかだったらもしかしたら気付かない可能性もあるかなと思いました。
この後に某回転寿司が実際に使っていたという証言話が出てきたりしてちょっとわけわからなくなった感じです。(鬼滅の刃のチェーン店ではありません)
少なくとも私は赤マンボウはまぐろの代わりにはならないと思いました。
- 赤マンボウの見た目はまぐろとは全く違うということ
- 赤マンボウの原体の値段は本まぐろの5分の1ほどだということ
- 赤マンボウの身はまぐろそっくりだということ
- 味はまぐろに近いが脂は独特で口に残るということ
- 回転寿司で使われたかは依然不明であるということ
最終的なところは結論出ませんでしたが、赤マンボウがこれだけまぐろに近いものだということは思ってもみないことでした。
回転寿司でまぐろの代わりに赤マンボウが使われているといわれるのもあながち違うとはいえないと思いました。
今回は非常に珍しい経験をさせてもらいました。
あらためてご協力いただいたI氏に感謝申し上げます。
ちなみに切身で焼いて食べてもおいしかったとのことです。
<終わり>