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鮮魚部門の荒利を改善する方法【業績不振対策】構造がわかれば意外と簡単!第8回

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スーパーマーケットの鮮魚部門で一番頭を悩ませるのがこの荒利問題だと思います。

実はこの荒利管理はやり方さえ間違えなければ難しくありません。

売上高を改善するより楽だと思います。

なぜなら、

売上は自分の力ではどうにもならない客観的要因(競合、天候、事故事件)に左右されやすいのに対して、荒利はほぼ自分でコントロールできるもの

だからです。

なので管理調整がしっかりできさえすればすぐに数字は改善します。

ただ何らかの理由でこれを調整できないので荒利が悪化するわけです。

※ただこの何らかの理由というのが一番曲者です。

ここは後ほど具体例で紹介します。

それを取り除けばいいだけです。

この構造が理解できれば利益管理も難しくないことがわかります。

ということで、今から

鮮魚部門でどういったものが荒利を落としているのか、なにが原因で荒利を落とすのかについて詳しくみてみたいと思います。

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荒利の構造

まずは荒利の構造を理解しましょう。

荒利とは商売をして稼いだ金額のことです。

売上高から仕入原価を引いた金額です。

粗利と表記することもあります。

その差分を金額で把握するときには荒利高といい、その金額を売上高に対する割合で把握するときには荒利率といいます。

GP(gross profit)、GPR(gross profit rate)という言い方をするところもあります。

最終的にはこの荒利高を上げることを目的に個々の取引(販売)をおこないます。

ここ重要です。

荒利は率ではなく高をしっかり追いかける

どんな商売でもこの荒利高を上げることが最終目的なのです。

ただ店舗が多くなると規模の大小もあり荒利高だけで把握しにくくなるので荒利率で比較したりします。

複数店を持ついわゆるチェーンストアではこの荒利率で業績を評価されます。

確かに複数店を比較しようとすると荒利率で見る方が楽です。

しかし荒利率だけを重視して営業していくとよからぬ結果になります。

荒利率だけ上げようとする輩が出て売上を落としてくるのです。

幹部も荒利率を上げろ、ロス率を上げろとしか言わないのでさらに率だけ上げようとするのです。

そうすると何をし始めるのかと言うと品物を出さない、並べないということをし始めるのです。

品物出さなければロスが出ないわけですから「率を上げる」効果が高いというわけです。

これは一時的、短期間だけ部門の荒利率はよくなります。

一瞬だけ数字がよく見えたり店長にほめられたり、やった感が出ます。

ただほぼ間違いなくそういう店の売上は下がっていきます。

2、3ヶ月後に急落してさらに状況が悪化します。

売上高が下がれば荒利高も下がるのは当然なので気づいた時には二進も三進もいかない状況になるのです。

おそらく日本の大きなスーパーがほとんどが陥っている負のループなのです。

荒利高を同時に追いかけるところならそこでなんとか止まりますがそこまで個別に見てられないということで次第に売りが落ちていくのです。

目先の数字を追いかけるサラリーマン気質はどこも一緒ですね。

とにかくロス出すなとしかいわない幹部やとりあえず売場に商品を出したがらないというチーフがいるようところしっかりチェックして早い段階で対策しましょう。

売上の中に荒利があるという意味をよく理解しましょう。

詳しくは>>荒利率をあげようとすると売上高さらには荒利額が下がる理由 鮮魚の計数第7回

やはり荒利高の推移もしっかり重視していく必要があります。

営業実績良いか悪いかはこの荒利で判断される

店がうまくいっているかどうかの評価を荒利高、荒利率の比較でされることになります。

ということで、荒利がよくない、不振という場合は荒利高下がる場合荒利率が下がる場合がありえます。

結局のところ荒利高が下がることが一番問題なのです。

ちなみに両者は同じ動きをするとは限りません。

通常荒利率が下がれば荒利高も下がるといえますが、荒利率が下がっても荒利高が予算昨対より超えるということもあるのでやはり荒利高が下がる場合が荒利不振になるといえるのです。

ここまで宜しいでしょうか?

荒利を下げる要因

では荒利(荒利高、荒利率)が下がるまたは上がらない原因はなんでしょうか?

要は荒利は仕入れと売上のバランスの問題です。

仕入金額が多すぎたか売上高が少なくなったということになります。

その意味でまずは仕入金額または売上高をコントロールできれば荒利は向上するといえます。

あとは陳列量=製造量の調整が主なところだと思います。

ここだけで大半の荒利の問題は解決されるはずです。

意外と単純な構造となっていることを理解してください。

荒利の問題は出来るだけ簡素化して物事の本質をみるようにすることが大事なのです。

コップの水をあふれさせているから無駄がでているのです。

コップを大きくするか流れる水を止めればいいだけなのです。

こういえばわかりやすいですよね。

ただいろんな要因がかんがえられ多岐にわたりるという点も押さえておかなければいけません。

上の2点で解決できない場合にヒントになるからです。

なので荒利を下げる様々な要因を幅広く把握することも大事になってきます。

経験値が必要になるところでもあります。

荒利を落とす原因となる事例

荒利を落とす要因はさまざまです。

今からこの点に着目してそれぞれみていきましょう。

売上に起因するもの

  • 売上高自体が下がる場合 ・・・ もともと荒利高は売上高の一部である
  • 鮮度の信頼がない ・・・ これが最大の原因

仕入に起因するもの

  • 相場高騰 ・・・ 相場高で仕入原価があがる 売価あげるのに限界あり
  • 納品価格(原価)の値上げ ・・・ メーカーの値上げ後売価に反映なし

設備に起因するもの

  • 売場什器・ケースの温度異常 ・・・ 商品廃棄
  • BYの冷蔵庫・冷凍庫の温度異常 ・・・ 低値入販売、一部廃棄

商品に起因するもの

  • 商品の破損 ・・・ 高額商品などの破損
  • 商品の状態が悪い ・・・ ドリップだらけ、刺身色変わり偏り
  • パックが下手 ・・・ 見栄えが悪い、湿っている

売場に起因するもの

  • 商品の出し過ぎ ・・・ 刺身や魚惣菜の作り過ぎ
  • 万引き ・・・ 不明ロス
  • 見切り値引き忘れ ・・・ 続くと深刻 結局ある
  • 子供のいたずら ・・・ 指で穴あけ
  • 見切りだらけ

調理技術に起因するもの

  • 歩留まりの悪さ ・・・ おろしかたが下手、刺身の作り方が雑
  • トリミングしすぎ ・・・ 必要以上にトリミングする
  • 計算間違い ・・・ 切数違い 継続的に安く売っていた
  • 商品として価値なし ・・・ 商品作りが下手すぎて売れない
  • 付加価値のある商品作りできない ・・・ 技術がなく商品の出来が悪くて売れない

伝票に起因するもの

  • 納品ないのに伝票起票 ・・・ 伝票に載っているものの入荷がない 気づかない
  • 二重計上 ・・・ 同じものに2つの伝票が起票されている
  • 値引き伝票起票ない ・・・ 取引先の怠慢、お店の怠慢
  • 経費伝票の起票忘れ ・・・ アルアル

販売方法に起因するもの

  • 単純な値付け間違い ・・・ 意図しない安い値段で売場にだしてしまった 例)580円を58円でつける。
  • 売価設定が高い ・・・ 売れない値段をつける→値引き廃棄が多くなる
  • 売価設定の間違い ・・・ 入数の数え間違い、伝票の見間違い、計算ミス、うっかりミス 
  • バンドル販売連発 ・・・ 原価も値入れもみない 特に刺身
  • 特売設定の垂れ流し ・・・ エンドレス設定 非常によくある 期間設定ルールがない 

棚卸に起因すること

  • 棚卸漏れ
  • 過少計上
  • 期首の過大計上 ・・・ 単位違いよくある

スタッフに起因すること

  • 力量不足
  • 技術不足
  • スピード不足
  • 意欲不足
  • 体力不足
  • チームのバインド不足 ・・・ スタッフの目的共有化の欠如、意思統一がない
  • 商品の横流し ・・・ 残念ですがありえます。荒利24%を割りはじめるあたりからチェック
  • 廃棄商品の杜撰な管理 ・・・ 正規商品にまで影響

お店に起因するもの

  • 定休日 ・・・ 前日売り尽くし
  • レジの打ち間違い ・・・ プリセットの推し間違い、手打ちの部門間違い
  • 仲間内の不当値引き ・・・ 店自体のモラルハザード

マスター登録に起因するもの

バイヤーの部門登録間違い ・・・ 他の部門で登録 ないことはない

これらすべて荒利をさげる原因となるものです!

荒利をあげられない要因

今までは荒利を下げる要因をみてきました。

もう一つ視点を変えて、荒利をあげられない要因を考えるのも効果があるものです。

  • 担当者が数字に弱い
  • マージンミックスを使えない
  • 値入れが高くて売上もある商品いわゆるAランク商品を把握できてない。
  • 売る力がないか弱い
  • サラリーマン化 ・・・ 忙しいのはかえってめんどうくさいと思う
  • 担当者欲がない=なにも考えてない
  • 店長が無関心
  • オーナーが私利私欲 ・・・ ボーナスカットしといて自分だけベンツ 従業員はやる気なくす
  • 幹部の部門担当との不倫

後半は会社の問題ですが結構リアルよくある話ですね。

直接荒利を下げるものではないですが、結果的に荒利をあげられない原因となるものです。

まあ、根本的に解決できないならば、結果をかえることは難しいでしょう。悲劇です。こういう会社に帰属していること自体を嘆くしかないことなります。

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問題の把握と垂れ流しの防止

いずれにせよ、すぐに問題を把握し解決できればそこまで荒利は落としません。

問題なのは荒利を落とす状態・原因に気づかず改善できない場合です。

気づいても放置されていたりすることがあり得ます。人手不足の場合など。

そのような状況があるならば会社全体を巻き込んで早急に改善したいです。

荒利が悪いときの対策

みなさんここが一番悩みどころだと思います。

ただ荒利が悪い時の対策は、

差益管理をしっかりすること

につきます。

差益管理というと難しく聞こえますが、要は自分の健康状態を把握していれば荒利は悪くならないということです。

仕入れ過剰であればそれを減らさないといけないし、ロスが多いようなら製造量の調整をしなければいけません。

それができないから利益が出ないわけです。

この意味は下の記事を参考にしてください。

>>「売上は努力、利益は知恵」の意味【魚商いの心得】〜第6回 〜さかなのさ

そもそも差益表の精度を高めておく必要があります。

すでにしているところも多いと思いますが中間棚卸をしたりしてしっかり正確な荒利状況を把握しなければいけません。

最近は残業時間の問題があるのでするしないは企業によってでしょうが数字が悪いときはすべきでしょう。

早く原因を突き止めて当月中に解決することが最適な対策といえます。

この流れをつくるしかありません。

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まとめ

今回はひとまず荒利を落とす原因に思いつくところをあげてみてみました。

まだまだあると思います。

都度都度項目を増やしていこうと思います。

まずは原因を把握するということが大事です。

<終わり>

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リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属