みなさんこんにちは。
今回で超わかりやすい鮮魚の計数管理シリーズ第6回目です。
早速ですが、
「売上は努力、利益は知恵」という言葉はご存知でしょうか?
商売をする上で非常に教訓となる言葉です。
簡単にいうと、
売上は努力してあげるもの、利益は頭を使って稼ぐもの
ということです。
売上は客観的な要素が強いので自分ではどうにもできない部分があるのに対し、利益はほとんどコントロールできるから頭を使ってしっかり考えましょう!ということです。
言い方を変えると売上を上げるためには努力し続けることが重要で、利益を上げるためには考え続けることが重要ということになります。
食品小売りに関わる人たちは非常に重要な言葉なのでぜひここで覚えていってほしいです。
長年の豊富な経験から有用性を実感した方程式
「売上は努力、利益は知恵」
つくづくこの言葉は商売の本質を表している言葉だと思います。
売上はどうにもならないことある
私の経験からしても確かに売上高は自分ではどうにもならないことがありました。
台風で大荒れになったり、大雪が降って身動きできなくなった時などは売上はどうあがいても上げられませんでした。
魚の場合はその日で売ってしまわないものもたくさんあるので無理やり出したりもしましたが、結局やるだけ無駄で売上は上がることはありませんでした。
お客さんが来ないわけですから当然ですね。
そんなとき売上は自分の力だけでコントロールできるものでないと実感しました。
利益はコントロールできる
反面、利益は仕入金額と陳列量を減らせばほぼ解決します。
急な天候不順の場合はしょうがないですがそれでも翌日の仕入れを抑えることもできるわけです。
次の日以降、値入れを上げれば利益として残る部分が調整できます。
月トータルで目標の数字を達成することを自分でできます。
商売は継続しなければ意味がない
ところで、商売は継続しなければ意味がないと思います。
もちろん我々は予算計画という目標を目指して一定の数字を作り上げていくのですが、思い通りに行く時もあれば行かない時もあります。
数字がデコボコするのですがトレンドとして上がり基調なのか下がり基調なのかが重要だと思います。
まさに商売を継続していくためには緩やかにでも上がり基調でなければなりません。
いずれにしてもいろんな障害を乗り越えて商売を継続していかなければなりません。
何が正しいのか迷うことがある
商売を継続する中で、なにが正しいか悩みが出てくるのです。
その過程でいろいろ考えることたくさんあると思います。
そこで大事なことは「商売の基本とは何か」ということです。
商売の基本をどれだけ理解しているかが継続する上では非常に重要になります。
商売のノウハウや裏技などはあくまで技術的なことです。
そんな枝葉松節なものより商売の基本を大事にすべきなのです。
商売の基本はユーザーファースト
では商売の基本は何かというとまさに、
ユーザーファーストの精神
です。
全ての構造をお客さん視点で作り上げることです。
きれいごとをただ言っているわけではありません。
これがまさに商売の本質といえます。
これができれば店も繁盛するし結果として利益もたくさん残せます。
ここは時代が変わってもやる人が変わっても絶対的な真理といえます。
言葉だけが先行して本当の意味を理解してない人が非常に多いところでもあります。
「売上は努力、利益は知恵」の具体例
「売上は努力、利益は知恵」
具体的にいうとどういうことでしょう?
商売においては非常に深い意味のある言葉だと思います。
それぞれ具体的にみていきましょう。
売上は努力
売上は自分の力だけではどうしようもないと認識するところからはじまります。
実際みなさんも経験してますよね。
具体的な場面を挙げてみます。
- 大雨が降った雪が降ったという悪天候
- 生鮮品の相場が上がった下がった
- 店の前の道路が工事で塞がれてしまった。
- SNSで悪口を言いふらされた
- 近くに競合店がオープンした
- 大手が大きなチラシを入れてきた
- 人手が足りずに思い通り商品が出せない状況が続いた。
- ドラッグストアが近くに進出してきた
と、こんな感じで自分たちの力ではどうにもならない理由で売上が下がることがよくあります。
というかいろんな試練というか悪状況は商売にはつきものです。
だからこそいいことばかりでなく最悪の事態を想定しながら商売を継続させるわけですね。
で、この時に自分たちの力ではどうにもならないことを乗り越えるために努力が必要だということになるのです。
どうにもならない時に頑張れるかどうかで売上が変わるんだよということなのです。
さらに言い方を変えると、
ダメなときにこそ乗り越えられる精神力を持ちなさい!
ということです。
乗り越えられないこともある
先程述べたように売り上げを上げるためにはいろんな障害があり得ます。
当然乗り越えらればい障壁もあるわけです。
なので売上は達成できないときもあるから達成できないとしても悩まなくていいんだよということです。
これはその売上が落ちる原因が自分のせいじゃないのだからしょうがないでしょうと考えればいいのです。
ダメだと思っても目標達成のために粛々と努力をするしかないわけです。
こと売上高に関しては客観的な状況を冷静に判断して落としどころがどこにあるかこか見極めることも非常に大事ということです。
コロナ禍がまさにその状況といえます。
コロナ禍なんて誰のせいでもないです。
しかし、店の売上は落ちていく。
これってしょうがないですよね。
ある意味人々の移動制限がかかるような感じになるわけですから。
誰がみても当たり前のことだと判断すべきです。
会社が何を言おうが上司にどんなに責められようが結果はみんなが思う通りなのです。
その時に開き直るのでなく粛々と売上に向かって努力するしかないわけです。
この努力の違いで売上の差が出るというのはあり得ることです。
ここの精神力で他の人と歴然と売上が差が出ると言えます。
経験則からいってもこういった状況でも売上を上げる人間はあげていきます。
だから売上は努力なのです。
利益は知恵
次に利益は知恵という意味を解説します。
今言ったように売上がどうにもならない時があるというのは理解できましたね。・
それじゃ、利益も下がって当然と考えますか?
もちろん答えはNO!ですね。
売上は客観的要因に左右されるのだから下がる時しょうがいないと言いました。
ところが利益は売上が下がっても上がることがありえます。
ここでの利益は利益率でなく利益高のことです。
売上が下がって利益高は昨年対比を超えることはざらにあります。
また、先程売上は目標達成できないことがあっても利益はコントロールできます。
そもそも利益というのは売上に含まれるものです。
売上が上がれば利益もあげやすい関係にはあると思います。
しかしながら利益は管理者がコントロールできるものなのです。
確かに利益も客観的要因に左右される場合もありますが基本的には管理者のコントロール能力次第です。
ではどうするのか?ということですが
これが管理者の経験値であり判断能力なのです。
今までやってきた手法はたくさんあるはずです。
どうやって利益を残せるか頭を使って考えてくださいということなのです。
ざっと例をあげてみましょう。
- 売れないものをやめて売れるものだけを売場に配置する ※非常に効果的だがしがらみ断ち切れない
- 利益率の高いものの取り扱いを増やして、利益率の低いものを減らす
- 物を極力出さない ※これ最強ですがずっとやっていると後々利悪影響あり。ただ一時的には効果的
- 特売をやめる
- 原価の安いものに切り替える
- 取引先と交渉して原価を値下げする。
- 高く売る(値入率を上げる) ※魚屋では最悪。
- 付加価値の高い商品の構成比を上げる
- 値入率の高い魚を売りまくる
上記のようなことをやれば利益が上がります。
すべて経験済みの施策です。
その時単に無理に値段を上げて売ろうしないことです。
後々売上がどうしようもなく下がり泣くことになるわけです。
会社からロス出すな!利益を出せ!といわれてとなにも考えずに値段を上げて利益を取ろうとするやり方です。
結構やりがちな愚行です。
本来であるならば付加価値をつけてをしっかり売っていくというのがあるべき姿です。
そのときいろいろ知恵を絞ってどうやったら利益を残せるか考えるわけです。
管理者のノウハウとアイデアの引き出しがどれだけ多いかで決まります。
こんなことから、
利益は知恵
ということになるのです。
利益はコントロール次第でどんな数字にも変化する。
利益をコントロールできて一人前になる。
ということです。
まとめ
ということで、売上は努力、利益は知恵という言葉が非常に大事になるのです。
これはどんな商売にも共通する商いの原理原則です。
この意味をしっかり身につけるとちょっとやそっとの悪状況でも冷静に対応していけると思います。
こういう原理原則はいつの時代も変わらないしどんな世の中であっても通用するものだということです。
もっと数字の話が見たい方は → 鮮魚の計数管理のプロ技集 〜さかなのさ
それでは皆さん次回、また会いましょう!
<終わり>
これがわかると業績も上げやすくなります。