鮮魚売場造りで色を意識していますか?
色を意識していない鮮魚売場があまりにも多いので今回あえて魚と色をテーマに記事を書いてみることにしました。
鮮魚の売場造りは数々のノウハウのもとに作り上げられています。
おそらくいろんな企業やコンサルタントそして担当者が長年の経験を踏まえて築き上げてきたものだと思います。
ということで鮮魚の売場造りについても浅い情報はあるにしても深い情報はこれまで包み隠されたものだと思います。
今回リッキーが紹介する色彩で売場を作るやり方ももしかしたら気づいている人があるかもしれませんがおそらくこれまで誰も明言してきてないところだと思います。
そもそも今では大量の生魚を販売する店は少なくなってきているのでしょうがないのかもしれません。
ごく一部の市場風店舗やカテゴリーキラー業態の店舗でなら色の使い方を意識していると思います。※期待を込めて!
要はこういう情報は必要とされてこなかったわけです。
「さかなのさ」では、
頭のついた生魚を売ろう!
対面販売をしよう!
と魚をたくさん売ることを推奨しているわけですのでこの切り口=売場を色で作り上げるというやり方はやはり避けては通れないことなのです。
ということで早速色で売場を作るということはどういうことか見ていきましょう!
目次
鮮魚売場で人の作る色は意思表示
売場での基本的な色の使い方はカラーコントロールといって青果売場の方で使われる手法です。
特にアメリカの色彩感覚は非常に参考になります。写真は西海岸のナゲットの青果売場。実際に私が撮った写真です。
このへんはみなさんの方がよく知っていることかもしれませんのでここでは簡単に説明するにとどめます。
なので基本的な使い方はお持ちのテキストや参考書を参考にしてください。
ここでは基本的な使い方を理解しているという前提で話を進めさせていただきます。
もし必要であれば↓このような参考書をご活用ください。
それを前提に考えると色は意思表示です。
色の配色だけでなく、濃淡、配置がすべて来店される方々へのメッセージになるのです。
赤色の意味、白色の意味、青色の意味。
人が作る造形物の色はそれぞれ意味が込められています。
文字を書く場合、数字を書く場合それらの意味も考えて色を使うようにしましょう。
通常使われる色の意味に従うの自然な流れだと思います。
原色は魚売場では馴染まない!
それに対して鮮魚は魚という自然なものを扱いますので原色というのは自然の色と正反対の位置にあるということになります。
なので魚売場で原色を目立たせるということは非常に違和感が出るのです。
※アメリカはその逆で原色使いたがります。
逆にいうと字を目立たせたいときは原色が目立つというわけです。
というようにまずは原色というのが自己主張強いもので魚を目立たさなくするものだということをここでは覚えておいてください。
で、当然魚を売りたいときは魚を目立たせたいわけですから原色はあまり使わない方がよいということになります。
POPや用紙の色、ポスターの色合いは魚の自然色を損なわせないというものを選びましょうということになります。
色で分ける魚群たち
色で主要な魚を分けてみましょう。
前もっていっておくと色は単独ではなく複数の集合体として見ることが大事です。
単独の色を目立たせても効果はあまり出ないものです。
これを頭に入れてみてください。
白い魚
魚売場に白い色があると目立ちます。
- カレイ(腹を上にした場合)
- 天然平目
- いか類
赤い魚
やはり赤い色は売場を華やかにしてくれます。赤色はできるだけ配置するようにしましょう。
ただ、赤と黒だと地味になるので赤と白を基調にしてください。
- 甘海老
- 天然真鯛
- カサゴ
- 甘鯛
- のど黒
- ほうぼう
黒い魚(黒っぽい含む)
もちろん黒い魚も売れますし、売らないといけないので端に置けばいいということではありません。
地味になりがちなところは他の色をした魚でカバーするという感覚です。
- 黒鯛
- ぶり系の魚
- いわし
- 目鯛
- トビウオ
- メジナ
- サバ
- 黒そい
- 茶ばちめ
- 真ばちめ
- めじまぐろ
メタリックな魚
メタリックだけでは地味になります。
一番相性がいいのは赤と白です。赤白にメタリックが交じるから全体が映えるという点を理解してください。
- アジ
- スズキ
- シマアジ
- カンパチ
- 太刀魚
- サゴシ
- サヨリ(側面の模様)
- メッキ鯛
- ハタハタ
- カツオ
それ以外の特徴ある色をした魚
それぞれが単独でアクセントになる色をしているものを集めました。
ただ、見慣れた食欲をそそる色でなければ価値はないです。
例えばアカイサキなどは独特な色をしていますが売場を混乱させてしまいかねないので無理におかなくていいです。
- あからばちめ
- ガスえび
地味な色をした魚
これらはそっと置いておきましょう。
ただ、たらやかますはそれなりに売上貢献度高いのでこれらの売場が広がるのはやむを得ないです。
- たら
- 車鯛
- かます
- めぎす(沖うるめ)
- 海藻類
魚売場ではやはり魚自体の色を大事にしよう!
ただ、魚以外で魚売場を目立たせようとしてもナンセンス本末転倒ということになります。
新鮮な魚の美しさはそれだけで見映えするものです。
それも見映え=食欲に繋がらないといけません。
簡単にいうと売場を見て一瞬で美味しそうに見えないといけないわけです。
よくあるのが大漁旗や網で売場を飾るとチンドン屋みたいになってしまうのはそのせいです。※チンドン屋さん自体は賑やかに目立つのが商売なのでそれはそれで尊重したいです。
売物=魚を目立たせることに注力した方がいいですね。
美味しさにもつながらないですからね。
そうすると入荷する魚の特徴そして色の特徴をよく知る必要が出てきます。
定置網が主流の地域
たとえば定置網漁が盛んな土地ではおそらく黒い魚が多くなります。
ぶりやめじな、とびうお、かます、サヨリなどどちらかというと黒っぽい魚が多くなります。
このような地域の魚売場はどこで赤い色を入れるか、白い色を入れるか考えるわけです。
赤は天然真鯛、甘海老、はちめ、甘鯛などを意識して配置します。
白はいか類になるんでしょうがあまり白いいかは使いたくないものです。
ここはカレイを使うといいです。カレイも背を向ければ黒いですが腹を見せるのです。
そうすると白くなります。
この黒と赤と白の配置を効果的に使いましょう。
具体的には現場でご案内する方がいいでしょう。
あと大事な色はメタリックです。
意外とメタリックの魚というのは多いです。
天然真鯛も見方によってはメタリックにもなります。
アジ、スズキ、カツオ、マグロ、カンパチなどまだまだありそうですね。
白と赤とメタリックを近くに置くと映えます。
底曳網が主流の地域
それに対し、底曳網漁が盛んな土地は売場を華やかにするのは簡単です。
カレイや甘海老がメインになるのでまず赤と白が売場にあふれます。
それにアジやスズキなど、メタリックな魚を配置するとそれだけで売場が映えます。
もちろん、ふくらぎ(ぶり幼魚)や飛魚、茶ばちめなど黒っぽい魚も僅かであれば鮮度感を引き出してくれます。
ただ、それらも意識して使わないと迫力のある売場ができないものです。
加工した魚の色合いを考えることも大事
以上は頭のついた丸物の場合です。
これらは加工するとまた色合いが変わります。
切身売場は用途で行くことがほとんどでしょうがそれはそれで色あいも考えて売場に配置するというのも大事なことです。
これは切身の並べ方にも現れます。
常に色あいを考えて売場、商品を作ってください。
丸物とおろし身の組み合わせも効果的
例えば鯖などは丸物の横に三枚おろしがあるとまた鮮度感でるものです。
真いわしの隣にいわしの開きがあってもいいと思います。
その場合はあくまで切身でなく丸物の仲間として売るのです。
ここはとても大事です。おそらく誰も教えてくれないところだと思います。
いずれにせよ!色を単独で考えるのでなく集合体として華やかになるかという視点で構成してください。
複数の色が相まって活気ある華やかな売場ができるのです。
まとめ
攻める鮮魚売場を作るとき色を攻略することが意外と大事です。
これに気づいていない人が多いかもしれません。
これは最初難しいかもしれませんが慣れると自然に調整できるものです。
実際に置いてみないとわからないものもあると思います。
機会あったら実際に色を効果的に使った売場造りをお見せしたいとおもいます。
Zoom使うかYouTubeで動画あげればいいんですけどね。
それは次の展開に期待ということで。
なにか聞きたいことあればTwitterかコメント欄にお願いまします。
<終わり>
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