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毎日刺身を食べて大丈夫ですか?

先日鮮魚の対面で調理しているとき、

「私毎日刺身を食べていますが問題ないものですか?」

と聞かれました。

その時私はその問いに戸惑いました。

あまりにも突飛な質問だったので答えに窮したわけです。

とりあえず、

「大丈夫ですよ」

と答えました。

というのも毎日のように刺身や刺身になるお魚を買っていかれる方も多くいらっしゃるので大丈夫という推定のもとそう答えたわけです。

自分としては確信を持って大丈夫だと思ったのです。

ただ、ここは一度それが本当なのかちゃんと調べてみないといけないと思いました。

その上で本当に毎日刺身を食べて大丈夫なのか?という問いにお答えしなければならないなと思いました。

刺身の栄養素

マグロと金目鯛の刺身盛合せ

まずはそもそも刺身にはどういう栄養素が含まれているのでしょうか?

主だったものから見てみましょう。

タンパク質

タンパク質は筋肉、骨、血液などの材料となる重要な栄養素です。

タンパク質が不足すると結果として基礎代謝量が落ちたりして太りやすく痩せにくい体質になるといわれています。いわゆるメタボになりやすくなります。

またお肌や髪などの荒れを引き起こしたり、集中力もなくなったりとことになりやすいようです。

刺身はその良質な動物性タンパク質がとれるという点で優れています。

タウリン

アミノ酸の一種です。

筋肉や内臓を作る材料となって支える役割を果たしてくれます。

コレステロールの代謝促進や肝臓強化にも優れた能力を発揮するといわれています。

その働きを詳しく見ると次のようになります。

タウリンには次のような働きがあります。 

・血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす。

・血圧を正しく保ち、高い血圧を下げる。 

・肝臓の解毒能力を強化。アルコール障害にも効果的。 

・インスリン分泌を促進し糖尿病の予防・治療に有効。

・視力の衰えを防ぎ、新生児の脳や網膜の発育を助ける

農林水産省HPより

魚介類にたくさんタウリンが含まれているといわれてます。

タウリンは、生体内で遊離した状態で存在する含硫アミノ酸様化合物の一つで、イカやタコ、貝類、甲殻類及び魚類(心臓・脾臓・血合肉)に多く含まれています。

農林水産省HPより

マグロ、カツオにも多く含まれているようです。

これらの刺身を食べることで動脈硬化や心筋梗塞の予防にも効果あるといわれています。

DHA(ドコサヘキサエン酸)

人の体内では作ることのできない必須脂肪酸一種です。

人の脳や目の網膜の神経系に多く含まれている脂質成分で発達段階の子供に特に良いとされています。

DHAは自分で作れないため普段の食事から摂取する必要があるということです。

それでDHA豊富な青魚やマグロを定期的に食べましょうといわれるのです。

部位で違っていてトロの部分や目玉、内臓に近いところに多く含まれていると言われています。

もちろん刺身でも摂取可能です。

むしろ加熱するとDHAは流れ出やすいので刺身のほうが摂取しやすいといえます。

ただそれでも不足気味と感じる方は次のようなサプリを利用のも一つの手といえます。

EPA(エイコサペンタエン酸) 

これも人の体内では作ることのできない脂肪酸の一種です。

血液を健康に保ち、血栓をできにくくしたり、高脂血症を予防してくれる働きがあります。

DHAよりサラサラ効果があるといわれています。

注目は動脈硬化や脳梗塞を予防する働きです。

DHAと同じく加熱したものより刺身の方が摂取しやすいといえます。

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鉄分 

貧血を予防する働きがあります。

血液中の鉄分が足りなくなると酸素が十分に運べてなくなって色々なトラブルを引き起こします。

貧血がその代表例です。

マグロやカツオの刺身にはこの鉄分が多く含まれているといわれています。

カルシウム

骨、爪、歯を作る要素として重要です。

鉄分と並んで不足しがちが栄養素といわれています。

これが不足すると子供の骨折や高齢者の骨粗鬆症という病気になりやすいといわれています。

皮の内側の肉にもたくさんカルシウムが含まれているといわれています。

湯引きのようなもので摂取できます。

このように刺身を食べるとたくさんの栄養素が摂取できることになります。

いいことづくめのような気がします。

そもそも魚を食べること自体が健康にいいと公的機関でもいわれています。

水産物の摂取が健康に良い効果を与えることが、様々な研究から明らかになっています

水産品の健康効果 水産庁

加熱するより刺身の方が栄養価は高い

旬魚の刺身盛合せ

刺身を毎日食べて大丈夫か?

という問いに答える時、加熱した場合との違いも見ておく必要があると思います。

結論をいうと刺身の方が栄養価が高くなります。

なぜなら、焼くと余計なものと一緒に栄養素も落ちてしまうからです。

そのまま食べる刺身の方が栄養価高いということになります。

ではその分カロリーも高くなるのではないかという問題があり得ます。

しかし、確かに高くなるにしても魚のカロリー自体は肉ほど大きくないのでさほど心配するほどではないと思います。

このように栄養価の点で刺身が問題になることはないようにも思えます。

甘エビが痛風の原因になる?

ここでちょっと気になる情報を一つ。

とある研究で甘エビのブリン体の量を測ったところ比較的高い数値が検出されたという論文がありました。

えっ!って感じです。

プリン体は痛風の原因にもなりうる物質ということで、甘エビを多く食べると痛風になる可能性が高いということです。

毎日刺身を食べる人は少し注意が必要です。

またその論文には魚体が銀色の魚(コハダ)からもプリン体が中程度に検出されたとも書いてあります。

ワラサ(ブリの小型)も同じように中程度検出されているということです。

具体的な数値については下のリンクから元の論文をご確認ください。

加えて、太刀魚やサンマなどの体の光沢のある魚もコハダと同様プリン体が中程度検出されるとのことです。

そのキラキラした銀色はグアニンといってプリン体の一つなんですね。

このようにプリン体が増えて炎症を起こす痛風を引き起こす可能性が高い魚もいるので注意が必要です。

あと、カツオ、スルメイカ、サンマなどもプリン体比較的多いといわれてます。

食べすぎには注意しましょう。

通風が心配な人は出汁をとるときカツオダシでなく昆布ダシにするといいといういい方をする人もいます。

どうでしょう、一つの情報として提供しておきます。

帝京大学薬学部の臨床分析学研究室、医薬品分析学研究室の論文がわかりやすいと思いました。

>>刺身・寿司に使われる魚介類に含まれるプリン体量の測定

妊婦さんは注意が必要な魚

マグロスライス3点盛合せ

一般の方は特に問題ありませんが妊婦さんはお腹の中の子供に影響与える魚がいるので注意が必要です。

というのは食物連鎖の影響で水銀を体内に蓄積する魚がいるからです。

蓄積というくらいなので大きな魚体の魚が中心です。

普段食べる可能性のある魚でいうと次のような魚が挙げられます。

キンメダイ、メカジキ、ホンマグロ、メバチマグロ、エッチュウバイガイ

この辺の魚はよく食卓にものぼる魚類です。

目安としては一週間に一回程度にしてくださいということです。

これはあくまで妊婦さんの場合ということです。

詳しくはこちら↓をご覧ください。

>>これからママになるあなたへ 〜お魚について知っておいてほしいこと 厚生労働省HP

ちなみに魚に含まれる程度の水銀は時間が経つと体外に排出されます。

なので一般の人の健康には過剰摂取しない限り影響を与えないのでご安心ください。

不思議な水銀の話という論文で具体的に説明されています。

>>水銀が毒として働くとき 〜不思議な水銀の話より

補足になりますが、

上記記載にあるエッチュウバイガイは肝の先っぽに老廃物が蓄積されるといわれてます。

肝の先端(奥の細いところ)は取り除いて食べないようにしてくださいといっているのはこういう意味もあるということです。

逆な言い方をすると身を刺身で食べる分には心配しなくてよいということになります。

刺身の寄生虫の危険は?

毎日刺身を食べるとすると、寄生虫も気になるところです。

ただ、体に直接害をもたらす寄生虫はある意味限られています。

アニサキスという寄生虫には注意が必要です。

ただこのアニサキスの問題は一過性のものなので、毎日食べて大丈夫か?という問題からはちょっとズレるのかなあと思います。

カイチュウの心配は?

刺身食べているせいで体にサナダムシのような回虫が住み着いているのではということを心配されている方も多いと思います。

自分なんかも一度は虫下しの薬を飲んだ方がいいかなと思ったりすることもあります。

実際サケやマスに日本海裂頭条虫というサナダムシの幼虫がいることが報告されています。

えっ?!と心配している人大丈夫です。

基本的に天然の鮭を生で食べたときに問題になるようなので普段そういう食べ方は避けていると思いますので心配しなくてよさそうです。

下の記事↓がとってもわかりやすかったです。

>>意外と多いサナダムシ感染 〜ヨミドクター(読売新聞)

食中毒菌の問題は?

食中毒も問題になり得ます。

ここは衛生管理がしっかりしているお店で買うように心がければ大きな問題はないと思います。

詳しくはこちらで。

↓  ↓  ↓

実体験談

鮮魚対面に立っているとご年配の方の自慢話をよく聴かせてもらうことがあります。

毎日刺身を食べているんだと話です。

90歳過ぎのばあちゃんが、

「わしゃ、この店の刺身を毎日食べているんだ! それで90歳まで元気にさせてもらっているんだよ!」

といわれたりします。

こういう方結構結構拝見します。

若い人でもほぼ毎日のように刺身を買われている人を見てきています。

現場で感じることは好きな人は毎日のように刺身を食べているということです。

実際私も毎日のように刺身を食べていますそれが問題で健康を害したことはありません。

結論

ここまで見てきたように、

メタボを防ぐ意味でも毎日刺身を食べるということは好ましいということです。

ただし、先ほども申し上げた通り一過性の問題として食中毒や寄生虫の問題はあり得ます。

そこのところは冷凍することを心がけるとか体調悪い時は生食を控えるとか意識すれば問題ないと思います。

総じて、

食べ過ぎさえしなければ毎日刺身を食べても大丈夫です。

という答えになります。

さらに健康を気遣う方へ

あと考えたいのは、

老化予防に効果があると言われるDHA ,EPAは自分の身体で生成することができないという点です。

外からつまり食べることで摂取するしかないわけです。

DNA ,EPA豊富な食材=魚を食べることによって吸収しないといけないわけです。

  • 物忘れが気になる方
  • スッキリ体調がすぐれない方
  • 寝つきが悪い方
  • いつでも身体がだるい方
  • イライラする方

このように感じる方々は普段の食生活の中でDNA 、EPAを摂取を心がけましょう。

昔から人はDHA、EPAを多く含む魚を食べることで血液サラサラ老化予防を心がけてきました。

ただ昔よりも魚をたくさん食べられない状況の中では、なかなか毎日魚を食べ続けられないと思います。

そんなときはサプリなどで補充的に摂取するのがいいと思います。

どちらにしてもDEA、EPAは自分の身体で作り出すことができません。

血液ドロドロと言われる前にやれるだけのことだけはやっておきたいですね。

サプリを上手に使ってDHA、EPAを摂取することも大事です。

念のため、みなさんも知っている有名メーカーのサプリを紹介しておきます。

DHA・EPAなどのサプリで一番人気の商品です。

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まとめ

刺身は日本の伝統的な食文化です。

毎日刺身が食べられることがどれだけ幸せなことかということです。

世界的にもヘルシー食ということが認知されてきているわけですから私たちも毎日刺身寿司を食べるよう心がけたいですね!

このブログでもおいしいお刺身情報だけでなくお刺身と健康に関する情報お届けし続けたいと思っています。

沢山の刺身好きの人たちを見てきているプロですから。

<終わり>

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リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属