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魚の蘇生ってなに?効果あるの?【スーパー鮮魚編】生臭いのはコレのせい!

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あるスーパーでは魚を蘇生させていると聞いたりすることがあります。

「魚の蘇生」ってなんのことでしょうか?

野菜の蘇生というのは聞いたりすることがあるのですが魚の蘇生は似たようなものでしょうか?

魚の鮮度が本当によくなるのでしょうか?

私は買った魚の刺身が生臭いのはこの蘇生処理のせいもあるのではないかと疑っています。

今回はスーパーの鮮魚部門で行われている魚の蘇生処置について、鮮度管理の専門家のリッキーが一般の方にもわかりやすく解説したいと思います。

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「蘇生」はスーパーでよく行われている行為

トロ箱に入った口細がれい

蘇生はスーパーに置いてが前日売場に並べた生鮮品の鮮度を再生させるために行う冷水処理のことを言います。

別に生き返らせるわけではありません。

状態をよくするというだけの処置、技術です。

野菜で良くされている鮮度管理方法の一つです。

シンクに水を貯めて氷水に入れて数分浸しておくだけです。

この冷水処理をすると野菜がパリッとなります。

確かにレタスやブロッコリーなどがシャキッとします。

どこのスーパーでもごく普通にされていて一定の効果は野菜に関してはあるようです。

魚の蘇生は効果あるのか?

では魚の蘇生は効果あるのでしょうか?

魚の場合は冷水でなく冷塩水にして撹拌します。

塩が入る点とかき回す点で野菜の場合と少し違いますが基本的な考え方は同じです。

また、魚の場合は冷塩水処理機という専用の機械があったりもします。

魚においても鮮度回復方法として一定の効果があるといわれて採用している店舗も多いです。

前の日残った魚を蘇生させると一見鮮度よくなったように見えます。

しかし本当に魚の鮮度がよくなるわけではない点注意が必要です。

一瞬良くなるように見えるだけで鮮度のよさは持続しません。

鮮度が回復されるわけではない

ということです。

冷塩水処理は入荷した新しい魚の汚れやヌメリ、ゴミを除去するというのが本来の目的です。

スーパーの鮮魚バックヤードで古い魚の蘇生がされている

トロ箱に入った子持ち甘エビ

全国各地のスーパーや生協の鮮魚部門でも前日残った魚を塩水にあてて鮮度を再生するという方法をとる方法がとられています。

まあ確かに魚を冷塩水にあてると一瞬はピンとしたようになるような気はします。

その行為自体は否定しません。

で、毎日必死になって前日残った魚の処理をやっているわけです。

高額な塩水処理機をバックヤードに配置

そのためにお金をかけて高額な塩水処理機を鮮魚のバックヤードにおいたりしています。

前日の古い魚をどうしたら鮮度がよくできるかと考えた挙句、高額な処理機を購入するのです。※機械自体はちゃんとしています。

自動的に温度管理してくれたり塩分濃度を一定にしてくれたり非常に便利なものではあります。

しかしながら機械自体かなり大きいなものです。

バックヤードが狭いところは結局魚の置き場がなくなったりしています。

毎日メインテナンスや掃除も大変で値段と効果が本当に釣り合うのかと思ったりします。

それでも古い魚を新しくできるといって魚がうれない回転がイマイチな店が無理して購入するのです。

古い魚を再生させる考え方がダメ!

私たちはこんな高額な機械は必要ないと思ってますし、買おうと思ったこともありません。

もちろん新店を出す時必ず話はありますが不要と言っています。

そもそもの話、魚の鮮度の再生という考え方自体が私はまったくナンセンスだと思っています。

古い魚の再生を考えるより先に売ってしまえばいいんじゃない!

と思うからです。

そもそも前提が違うのです。

おそらく鮮度の再生を深刻に考える店は魚が売れない店なんだと思います。

それを考えていくと古い魚の再生に行き着くのもわからないわけではありません。

しかし時間とお金をかけるのはそこではないと思います。

どうやったら魚が売れるか、どうやったら魚を残さずになくせるかが重要です。

それを優先的に考えた方が先に繋がると思います。

じゃ、売れない魚をどうしたらいいんだと批判が聞こえてきそうですが確かに残った魚をどうやって売るかという問題は別にあります。

しかしながら、そもそもそんな売ることより鮮度再生に力を入れるお店はお客さんにとって必要なんですかということです。

厳しい言い方をしますが残った魚の再生に力を入れてる店がその地域に貢献できるとは思いません。

地域の人たちが求めるのはあくまで新しい新鮮な魚ですから。

その日入った魚をどう売れるようにするかに力を入れるべきです。

どんなにピンと蘇生させたところで古い魚は求められてないわけですから。

そもそもの前提とする考え方を見直すべきなのです。

また毎日の掃除も大変という点も見逃せません。

朝のわずかしか使わないのに夕方機械をスミズミまでこすらないといけなかったりかなりの重労働です。

これは実際使ったことのある人でならわかると思います。

しかも機械で場所が大きく占領されます。

またそんなスペースがあるなら調理できるまな板一つでも置ける台をおきたいです。

魚の蘇生ってなんのためにやっているかわからなくなったりします。

そもそも当日売り切りが大原則

必要なのはどうしたら魚が当日売れるか考えることです。

これについてはこの「さかなのさブログ」でも既にいろいろ記事にして提案させていただいています。

具体的なやり方についてはここでは割愛しますが少なくとも一通りの売れる手法は記事にしてあります。

なのでぜひそちらをご覧してほしいのです。

どうしたら鮮度のいい魚をお届けできるか。

これが地域に信頼される魚屋さんの基本中の基本なのです。

それを優先しないとダメなのです。

値段の付け方、配置の仕方、声の掛け方、魚の仕入れ方、鮮度の維持の仕方

これらをフルに活用すれば当日入った魚を当日販売することは可能です。

そこに力点を置いて欲しいのです。

わかっているけどできないということも十分理解しています。

まずは仕組み流れを変える強い意志を持つことです。

LINE公式アカウントでも無料相談対応しています。

鮮魚をよくしたいと真剣にお考えの方はぜひ声をかけてください。

少なくとも古い魚の再生に時間と労力をかけないでください。

蘇生させた魚の刺身

蘇生魚は刺身にできるのでしょうか?

これについてはできないことはないでしょうが生臭さが出たりするのでオススメしませんということになります。

例えばアジの刺身が生臭かったということありませんか?

パックした日付けは今日なのに家に帰って刺身にしようとしたら鮮度がイマイチだったということですね。

こういう場合は魚を蘇生済みの魚だったりします。

やはり蘇生させた魚は加熱用にしかならないと考えてください。

ただそれを刺身用で販売したりする店があったりするのも事実です。

なんでそんなことするか理解不能ですが販売する方も素人でわかってないんですね。

見た目大丈夫そうというだけです。

そもそも青魚は前日入った魚は刺身しないという流れを作るべきです。

塩水処理は役割は汚れを落とすだけ

では魚の冷塩水処理はどういう意味があるのでしょうか?

冷塩水処理は魚の汚れや食中毒になる菌を洗い落とす程度の意味しかないと思います。

市場や港から入荷した新しい魚には海藻や小型生物、ヌメリが結構ついています。

それは売場に陳列する前に除去したいです。

そうすると高額の処理機は必要かということになります。

コストパフォーマンスの問題です。

確かに専用機だと塩分濃度と水の温度が一定に保てるというメリットがあります。

といったところで汚れを落とすだけなら短時間でいいので意味がないように思います。

とすると冷塩水を貯めれる少し大きめのシンクを一つ用意すれば事足りるということです。

実際私も冷塩水をはったシンクでそこそこの量の魚を塩水処理できています。

スピードも早く、終わったらシンクをサッと洗うだけなので楽です。

まあ、そもそも入荷の翌日には生魚を売り切る仕組みを既に作っているのでそんな変な鮮度の魚は滅多にみないです。

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魚の蘇生(冷塩水処理)のやり方

ちなみにシンクでできる冷塩水処理のやり方を紹介しておきます。

STEP

大きめのシンクに水をはります。

STEP

その張った水に5%ほどの塩を入れます。※目分量大体でいいです。

STEP

よくかき混ぜて塩を溶かします。

STEP

その後氷を入れてまたかき混ぜます。

STEP

氷が溶けた状態で約3%ほどの塩分濃度になればOK。

STEP

トロ箱に入った魚をカゴ(買い物カゴの古いものでよい)に入れその冷塩水に入れて3、4回ゆすってゴミ汚れを取り除きます。

STEP

それを水に切ってトロ箱に戻します。

STEP

またしばらく水を切ったらトレー盛り付けて完了です。

冷塩水処理するのはどんな魚か

基本的にトロ箱に入った下氷された魚です。

水槽といって氷水の発泡スチロールの中に入った青魚はしません。

エビカニの軟体類やイカもしません。

ただタコは基本冷塩水処理します。

あと貝類も基本しません。

魚の名称冷塩水処理するもの備考
氷水の発泡スチロールに入った青魚×アジ、サバ、サンマなど
トロ箱に入った青魚⚪︎
イカ類×
タコ類⚪︎茹でるときは別処理
エビ類⚪︎
カニ類×茹でるときは別処理
カレイ類⚪︎
タイ類⚪︎
メバル、カサゴ類⚪︎
ハタハタ、めぎす⚪︎
カワハギ類⚪︎
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まとめ

魚の蘇生についていろいろ見てきました。

結論としてはあまり魚の蘇生に過剰な期待はしないということです。

当日売れてしまうのであればそもそも蘇生=塩水処理は必要ないわけです。

残った魚をどうするかより鮮度のいいままどうやって売り切るかについて頭と時間を使うべきです。

そもそもの考え方を間違えないようにしましょう。

<終わり>

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リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属