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刺身は一体いつまで食べられるのだろうか?【消費期限】ヤバイ!冷蔵庫に入れてたの忘れてた!

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激アツ鮮魚バイヤーのリッキーです。

今回は「刺身っていつまで食べられるのか」について話してみたいと思います。

スーパーで買った刺身を食べるのを忘れて次の日冷蔵庫を開けたら残っていたという経験はありませんか。

前の日の刺身って食べられるのでしょうか?

当日しか持たないのでしょうか?

そのまま捨ててしまうのは非常にもったいないです。

魚屋さん達はどういう基準で判断しているのか

毎日刺身を扱う魚屋の立場で少し解説してみたいと思います。

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消費期限と賞味期限

その前に確認しておきましょう。

食品を食べれる期限については次の2つがあります。

消費期限と賞味期限

刺身で使うとき消費期限になります。

これは期限を過ぎたら基本食べれないものということになります。

刺身や切身など比較的過食期間が短いものに使われます。

それに対して、過食期間の長い缶詰やお菓子などは賞味期限を使います。

これは期限を過ぎたものを食べることも可能ですがオススメしませんよというものです。

まあ、賞味期限のほうが使い慣れてるとは思いますが、刺身や切身では消費期限を使うことになります。

翌日食べられる刺身も存在する

で、刺身の消費期限は1日しか持たないのかということですが、

結論を言うと、刺身は翌日以降も食べられるものがあります。

お店でも刺身で3日ほど消費期限がついているものがあります。

例えば、今人気のマグロスライスなどは当日入れて3日消費期限がついていたりします。

しかし普通の刺身は当日が消費期限になっているはずなのにどういうことでしょうか?

なにが違うのでしょうか?

刺身の消費期限が当日の理由

この違いは大根のツマ、ケンを使っているかどうかの違いです。

普通の刺身パックは刺身の下に大根のツマ、ケンを敷いています。

これだと当日しか持たないのです。

大根のツマ、ケンが思っている以上に鮮度落ちが早いということです。

魚の汁(ドリップ)と一緒になるとさらに劣化が早いです。

それに対してマグロスライスなどは大根のツマケンはなく、吸水スポンジが下に敷いてあります。

これだとスポンジが悪い魚の汁を吸ってくれるのでマグロ自体の状態も悪くなりにくいのです。

結果、

大根のツマ、ケンを敷いてなければ次の日も刺身で食べられる

ということになります。

次の日でも刺身で食べられる魚種

実は、刺身は翌日でもおいしく食べられるものが結構あるものです。

前提としては保存温度管理と衛生状態がしっかりしている場合ということですが結構あります。

どんなものでしょうか。

次の日でも刺身にできる魚種
  • ホンマグロ赤身、中トロ、大トロ(生)
  • ホンマグロ赤身(解凍)
  • バチマグロ(解凍)
  • キハダマグロ(解凍)
  • ビンチョウマグロ(解凍)
  • 真鯛(天然、養殖)
  • トラウトサーモン(解凍)
  • アトランティックサーモン(生)
  • サヨリ
  • カンパチ
  • 白身魚(アラ、キンメダイ、ホウボウ、カワハギ、ウスバハギ)
  • ノドグロ、他のメバル
  • アマダイ
  • ヒラメ(天然、養殖)
  • タコ(生、解凍)
  • イカ(生、解凍)
  • 貝(サザエ、アカガイ、バイガイ)

これらは身自体が色変わりしにくかったり、品質の劣化が遅いものです。

こうやってみると翌日でも刺身に食べられる刺身が結構あるものです。

当日しか刺身にできない魚種

逆に当日しか刺身で食べられないものはどんなものでしょうか?

大根のツマ、ケンを敷いてなくても翌日に回せない刺身です。

端的にいうと身がすぐに色変わりしたり、鮮度落ちが早い魚です。

次のようなものです。

次の日刺身にできない魚種
  • ブリ(天然、養殖)
  • ホンマグロ中トロ、大トロ(解凍)
  • メジマグロ
  • 生カツオ
  • カツオたたき(解凍)
  • 鰆さわら
  • 青魚(アジ、イワシ)

たとえば、ブリなんかは養殖なら次の日でも大丈夫だったりしますが真冬でよほど条件のいいときでないと刺身にはできないと考えた方がいいでしょう。

メジマグロも基本当日しか使えないと考えます。皮を剥いたものを翌日使うということは基本しません。

※アニサキスの問題は別にあります。

大きな魚体でおろしてなければかなり日持ちする

ただそもそも次のようなものは日持ちします。

  • 大きな魚体の魚
  • おろしていない魚

です、

なぜなら空気に触れないか触れにくいからです。

雑菌は空気に触れることで増殖します。

マグロやカジキ、アトランティックサーモンは原体のままなら状態にもよりますが1週間以上経っても刺身で食べられます。

ラウンドのままのカンパチやブリなどはそれより短いですが5、6日くらいは冷蔵庫に置いておいても大丈夫ということになります。

ただし長くおいたものは処理した後、劣化が早いものです。

やはり水揚げしてから滞留時間が長いものは鮮度のいいものと違って空気に触れるとすぐに色が変わりやすいものです。

スライスなどして空気に触れる状態にしたらせめて翌日までしか持たないと考えた方がいいでしょう。

3日(D当日 +2)以上刺身にできる魚

それでも3日目まで持つものを強いて挙げろといわれれば、次のものになると思います。

※これもしっかり温度管理、衛生管理できている前提です。

  • イカ
  • タコ
  • ヒラメ
  • クルマダイ
  • バイガイ

これらは結構日持ちします。

使う前に氷を入れた冷塩水で洗えばより安心です。

生菌検査でも問題ない

今までこのルールに従ってやって生菌検査で問題が出たことはありません。

もちろん原体の鮮度がいいものを使っているという前提ですが3日間くらいは楽に持ちます。

ところがサクを翌日刺身にすると菌検査に引っかかるという店があります。

前日出したサクを刺身にしたりする場合です。

ここでいう菌検査は一般生菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌などの菌検査を含みます。

前日のサクを使った刺身で問題おきるというのは原体またはサクの処理に問題あるように思います。

サクにする時点での温度管理や原体の状態を再点検してみると原因がわかると思います。

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刺身の消費期限を長くする方法

刺身としては当日もしくは翌日までだとして、さらに長く日持ちさせたちときは次のような方法があります。

漬け、酢締め、昆布締め

これらの処理をすることによってより日持ちを長くすることができます。

衝撃の事実大公開 魚屋の闇編

なんでこれだけ刺身のおいしく食べられる限界事例ついてわかるかというと私自身いろんな経験をしているからです、

見て聞いて実際体験もしています。

昔の魚屋はルールがあってないようなもの

昔話を出してなんですが私が鮮魚をやり始めた頃(20年以上前)は魚屋のお刺身のルールもあってないようなものでした。

当時はまだ魚屋が全盛の時代、スーパーといっても魚屋に毛が生えた程度のレベルだったと思います。

会社自体の刺身の鮮度管理基準もなく個人の判断に委ねられたりしていました。

今はなくなったスーパーですが先輩たちがロスを減らせとそこそこ古い魚を平気で刺身にしたりしていました。

その先輩たちも経験的に刺身になる限界はわかっていたようです。

ただ道義的に問題あると思いました。

そこまでするかという鮮度でした。

魚屋暗黒の時代

その他にも、4、5日前に皮を剥いたイカの刺身を洗って使っていたり、白身の刺身の盛り直し(日付の改ざん)などをしているのを見たことがありました。

産地なども新しいものは地物で、古いものは県外産とかにしていました。

消費期限切れの使用もありました。

特に冷凍日付切れの使用は多かったと思います。

今では考えられない状況です。

その後世間的にもいろんな事件や問題が起こり魚屋の裏の部分もしっかりやらないと会社自体が潰れるという状況になっていったのです。

実際にそういった不正が原因で潰れた会社もたくさんありました。

私たちの時代になるとそういうことはもう御法度というコンセンサスができ上がっていました。

現在は改善されている

ただ当時は私もそういったのをみているだけでも本当に嫌でした。

当初は声も小さくてそんなことはダメだといっても誰も耳を傾けてくれなかったのも事実です。

その後徐々に雰囲気を変えて魚屋の闇の部分をなくしていきました。

そんなのをみてきているのでちゃんと管理されてない魚屋は今でも信用していません。

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最後に

確かに今の時代、お店もちゃんとしているし、変なことできない社会的な風潮もできあがっているのでおかしな商品を出す店も少なくなったと思います。

パック記載の日付けを見れば大丈夫という状況にはなっていると思います。

しかし、それでも鮮度を見る目は常に養っていってほしいと思います。

上で紹介した表は結構使えると思います。

自分の身を自分で守る意味でもちゃんとした知識を身につけていってほしいです。

魚の鮮度がわかると刺身をより楽しめるはずです。

いつまでもおいしい刺身が食べらるといいですね。

<終わり>

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ABOUT US
リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属