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煮干しと田作りの違い【水産担当者必見】意外と知らない商品知識

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田作り

スーパーの鮮魚部門の新人教育を担当しているリッキーです。

この「さかなのさ」ではいろんな鮮魚の基礎知識を紹介しています。

新人さんに教えていますがベテラン社員でも意外と基礎的なこと知らないことって多いものです。

わかっている振りしているんですね。

この煮干しと田作りの違いもそのうちの一つだと思います。

結構わかっている人少ないと思います。

両者の違いを簡単にいうと、

基本原料になる魚が茹でてあるどうかの違いです。

オオッ!って感じではないですか。

その他にもいくつか違う点があります。

この機会にベテランの人も一度しっかりおさらいしてみましょう。

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煮干しについて

煮干し

煮干しは常時乾物コーナーで定番として販売されています。

小魚を乾燥させたものです。

出汁をとったりそのまま食べるものがあります。

大きめの袋に入っていることが多いです。

鮮魚売場にもありますがドライ食品売場にもおいてあったりします。

値段も意外といい値段をしています。

また煮干しはいろんな魚で作られています。

まいわし、かたくちいわし、うるめいわし、とびうお(あご)、あじ、かます、さば

このような魚が原料として使われます。

ただスーパーなどで売られているのはほとんど真いわしの煮干しです。

真いわしの煮干しは地域によって平子(ひらご)煮干しと呼ばれたりします。

普段はボツボツと売れる感じですが、年末などでは単価が大きいのでしっかり売れば結構な売上になります。

あとは、とびうおの煮干しすなわちあご煮干しを置いているか、かたくちいわしの煮干しを置いているくらいだと思います。

地域ごとに扱う量が違いますが基本この三種類を置くところが多いようです。

ちなみに「いりこ」は煮干しのことで関西、西日本で使われる言葉です。

地域での呼び方が違うだけです。

煮干しについてはまだまだ解説したいところですがここではこのくらいにしておきます。

田作りついて

氷見産田作り

田作りは別名海干(かいぼし)とも呼ばれ正月用のおせち料理で使われます。

主にかたくちいわしを原料として佃煮風の料理にします。

「ごまめ」といったおせち料理聞いたことありませんんか?

それがこの田作りを原料にして作られます。

なので年末の時期しか置かないという店も多いと思います。

普段もないですかと問い合わせあったりもしますので少量だけ仕入れられるなら置いた方がいいでしょう。

田作りという場合素材のこという場合もあれば、出来上がった製品のことを言う場合もあります。

すでに製品になったものが日配や食品売場などで売られたりしていると思います。

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煮干しと田作りの違いはこの6つ

今見てきたように煮干しと田作りは見た目では似ていますがやはり違います。

それぞれを対比させてみていきましょう。

販売時期の違い

煮干しは定番に季節を問わずいつでも置いてあるといった感じです。

ただ実は春と秋のしらすがとれる時期に新物が作られています。

田作りは年末に特設ステージを作って売るみたいな感じです。

店によっては定番に置いてある店もあります。

販売時期についてはそんなところです。

用途の違い

ごまめ

用途も違うというのはわかると思います。

煮干しはそのまま食べるタイプのものもありますが基本的には出汁取りようです。

田作りは佃煮風に料理してそれ自体を食べるものです。

この用途によって作り方も変わります。

作り方の違い

一番違うのは作り方です。

多分これを知らない人が多いと思います。

簡単にいうと、

煮干しは一度茹でしたものを乾燥させます。

田作りは水揚げされたものを生を水洗いしてそのまま乾燥させます。

生の状態から乾燥するということです。

茹でたものを乾燥させるか生を乾燥させるかという違いです。

これが大きな違いです。

味、風味

茹でたもの乾燥するか生を乾燥するかで味や風味も変わってきます。

煮干しは茹でられるので雑味が取り除かれ上品な味わいになります。

そのまま食べてもおいしく感じられます。

それに対して田作りは生を乾燥しているので素材そのものの味がします。

なのでそのまま食べてもおいしくありません。

苦味が感じられたりもするので、それに味付けしておいしくなるということです。

魚の種類

うるめ煮干し

煮干しはいろんな魚が使われます。

それに対して田作りは基本かたくちいわしだけです。

この点も大きな違いです。

用途の違いからでしょうね。

目の色の違い

煮干しは目の周りが白いです。

一度茹でてあるのでタンパク質が抜け目が白くなるのです。

田作りは目の周りが黒いです。

この違いがわかる人はかなり上級者です。

品質が悪いものの見分け方

煮干しにしても手作りにしても品質の見方はあまり変わらないように思います。

大きさ

大きさは品質を見るときの大事な要素です。

基本小さめの方がいいとされています。

煮干しの場合は風味を強調するために大きいものを選ぶこともあるかもしれません。

ただほどほど以上の大きいものはあまり好まれないと思います。

魚体の形

田作りは楊枝のようにビンとしているものが良いとされます。

煮干しは腹の部分がくの字になっているものが良いとされます。

油焼け

油焼け(あぶらやけ)という言葉は聞いたことがあるでしょうか?

素材が変質して黄色味がかる状態のことを言います。

一般の人はわかりにくかもしれません。

時間が経つと魚が持っている脂分が酸化して黄色く変色するのです。

チェックが必要です。

こういったものは雑味が出るので避けるようにしましょう。

少しマニアックですが慣れればわかります。

覚えておいてください。

欠け

素材の状態がボロボロに欠けているような場合も品質悪いです。

鮮度が悪いものを乾燥した時に出来上がりがボロボロになっていることがあります。

腹の部分がなくなっていたり穴が空いていたりする状態です。

田作りは特に尾の部分見ておきましょう。

ちぎれたりするものは鮮度がよくないとされます。

こういうものも買わないようにしましょう。

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まとめ

氷見産田作りの荷姿

入社3年目くらいの担当者と話していた時に煮干しと田作りの違い知らないようだったのでさっそく記事にしました。

ただ数多くの水産担当者が知らないんだと思います。

そういう教育もあまりないのでそれはそれでしょうがないことなのかもしれません。

今回たまたま担当者の場合でしたがバイヤーなんかでも知らないという人多いんでしょうね。

いつもいうことですが鮮魚より塩干品の方が仕入れは難しいのです。

加工と在庫が存在するからです。

加工という人の手が入るものを見定めるのはとても経験と技術が要るものです。

また魚は季節で獲れるものなので必然的に在庫が発生します。

そこでは品質の変化が発生するわけです。

なので鮮魚より商品の見極めを要求されるのです。

詳しくはこちらをご覧ください。

>> 塩干商品の仕入れは鮮魚より難しい 〜さかなのさ

こういう教育の場を「さかなのさ」ではたくさん作っていきたいと思っています。

必要とされる企業様がいらっしゃれば協力もさせていただきますのでぜひご一報ください。

一人前のバイヤーへ育ててみせます。

興味ある方はメールLINE公式アカウントの方からどうぞ。

<終わり>

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ABOUT US
リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属