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塩干商品の仕入れは鮮魚より難しい 【スーパーマーケット水産担当者必見!】

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みなさん、こんにちは。

魚売れてますか? おかげさまでリッキーのところは地物がたくさん水揚げされたので目が回るほど忙しいです。ここ2、3日地物魚が飛ぶように売れています。地物魚が売れてくれればありがたいです。

今日は毎日魚売場で奮闘している人たちへのアドバイスです。

同時に一般のお客さんは魚屋さんはどんな価値観で動いているのか知るきっかけになると思いますのでどうぞお付き合いをください。

ということで、表題の件ですが、これは昔から水産小売り業界に携わる人の間で言われてきたことです。

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そもそも塩干品とは?

その前に「塩干」ってどんな商品を扱うのか確認しましょうね。簡単にいうと言ってみれば塩物です。塩鮭や干物などのことを言います。場合によってはいか塩辛などの生珍味も含ませるところも多いです。

鮮魚というのは水揚げしてすぐの魚のことに対して、塩干品は魚を日持ちをさせようと塩したりして加工したりしてできた商品のことです。

鮮魚より難しい?

一見すると生の魚の方が見極めが難しいようにも思えます。確かに、魚の鮮度って見分けるの難しいようにも思えます。

しかし、これ実は簡単です。だって鮮度悪ければ色変わっているでしょうし、ツヤの良し悪しも結構わかりやすいですからね。鮮度の見分けるのってそんなに難しくないものです。すぐ食べてしまうしその場限りで解決するのです。

塩干品は長期保存が前提

ところが塩干品は今説明した通り、日持ちさせたい物なので作ってしばらく置いておくことを前提とした物です。もちろん冷凍かけますが。

置いておくということは時間が経てば商品の状態も変わる可能性あります。特に脂が多い魚は、これは食べると美味しいのですが、置いてしばらくすると黄色く色が変わることがあったりします。冷凍かけていても色はどんどん変わっていきます。また、鮮度悪いものを干物にして置いておけばさらに状態が悪くなることも想像に容易ですね。

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素材の選定が難しい。

まず、原料選ぶのから難しいわけです。

そもそも鮮度いいものを干物にすれば問題ないのですがなんらかの事情で鮮度悪いものを干物にしたりとか実際よくあります。

鮮度いいものを使ったとしても脂ののりや形状も含めて干物にした後の状態の変化を想像しながら原料の選定をしないといけないわけですから本当に難しいです。

一定時期の特定の場所で取れたものしか使わないとかいうこだわりとかもあります。例えばあじの開きで有名な干物屋さんは開きにするあじを選ぶのにも時期、産地それもどこの海域で獲れたかまで見極めて仕入れたりしています。そしてだいたいある時期に1年分近く作ってしまうのです。

最近流行った鮮魚の干物コーナーはやらない方がいい!

余談ですが一時期鮮魚の干物が流行った時期がありました。これは私に言わせればまるっきりナンセンスです。現場経験の少ないコンサルタントなんかは業界紙を見てトレンドとばかりに売場でコーナー作れといったりしているのは滑稽でしかありません。

なぜなら、鮮魚で仕入れて残った魚を干物にしてもちっとも美味しくないからです。鮮魚の干物コーナーで選ぶ魚はそもそも自分たちのロスを減らすためにやってるだけです。干物にして美味しいかどうかは全く考えられてないからです。鮮魚の現場にいる人たちがそこまでできるはずがないですよね。やるだけ時間と労力の無駄です。

美味しくない干物を作ったところで売れるわけがないというのが私の結論です。

カッコいい言葉のついたトレンド商品は当たったことがない!

水産の商品トレンドいろいろありますが当たったためしはないんです。以前のファーストフィッシュやミールソリューションも考え方としてはいいんですが結局続かないですね。地物の魚をしっかり売った方がずっといいです。このへんは言いたいことたくさんありますがまた別の機会にしましょう。

塩干品は鮮魚より見極めが難しいという話に戻りましょう。

塩干品は在庫との関係で判断しないといけないという点も難しい!

鮮魚はその日で売ってしまえばいいのでそんなに在庫は気にしなくてもいいという言い方もできます。

しかし、塩干品は基本在庫があるというのが難しさをさらに増してます。

作る方の難しさ

作る方としてはどのくらいの数を製造すればいいか。いつまで持たせないといけないのかという判断の難しさもあります。というのは減量が取れる時期が一年のうちこの時期とか限られるものが結構あるからです。

鮮魚の場合は許された範囲で水揚げされた分とればいいわけです。塩干品は何ヶ月か在庫しないといけないわけです。取れる時期が決まってたりすると一回で一年分作ったりすることもよくあります。

そうすると在庫残っているうちに次の商品ができてしまうことがあったりします。そうすると前の在庫の価値がなくなったりして在庫してると損したりします。

反対に途中で欠品することもあります。そうするとなんでないのだとお客さんに怒られます。

どのくらい在庫するかという難しい判断が必要なのです。

仕入れる方の難しさ

仕入れる時の難しさはその凍った状態を見て解凍後の状態がいいか悪いか判断しないといけないし、もちろん美味しさも見極めないといけないところです。また解凍したものも見ただけで原料の鮮度はどのくらい良かったかとかしないといけなかったりとなかなかな鮮魚の経験値も必要となるのです。

まあ、ほとんどバイヤーは品物を見るより、見積書だけ見て値入れ率が取れているかどれだけ儲かるかしか見てないですね。経験値の低いバイヤーが多いからしょうがないですね。いいカモでしょうけど。

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まとめ

結局塩干はそこそこ鮮魚の経験値がある人でないとなかなか仕入れるのも難しいと思います。

まずは美味しい塩干品を判断できる目と舌を持ってないと塩干品を扱うのは難しいでしょう。

今回はあまり触れませんでしたが塩鮭なんかも金額が張る分見極めに失敗すると大きな痛手を受けてしまいます。その意味で商品見る目がないと仕入れはしにくいものです。

なかなかわかりにくい話だったかもしれません。

ちょっとまだ言い足りませんが、今回はこれで終わりにしたいと思います。

<終わり>

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リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属