みなさんは鯛をおろすときウロコを引いてからおろしていますか?
最初指導された時にチャンとウロコをとってからおろしなさいよと教えられたと思います。
もちろん基本的にはウロコを引いてからおろすやり方が正しいです。
初心者の人はキチンとタイのウロコを引いてからおろす必要があると思います。
ただ、慣れてくるとウロコをつけたままおろした方がおろしやすいのです。
目次
ウロコ取りは作業負担大きい
というのもウロコを取る作業はそこそこ大変なのです。
できたらしたくないものです。
ウロコを引かずにおろせたらどんなに楽かという人も多いと思います。
そこで今回は中堅、ベテランの人を対象にタイのウロコをつけたままおろす方法を紹介したいと思います。
未熟な人がやるとかえって手間と時間がかかるのでこのやり方はある程度魚捌きに慣れた人におすすめします。
天然真鯛の美味しさ
天然真鯛のおいしさはみなさんの方がよくご存知だと思います。
刺身、昆布〆め、塩焼き、煮付け、鯛めし、ムニエル、ポワレ、味噌焼き、カルパッチョどんな料理にもできますし、なんと言っても色彩が綺麗なのがいいですね。
そして対面販売をしている店はやはりこの天然鯛がよく売れます。
800gほど中大サイズの天然真鯛を680円前後で売るわけですから売れますよね。
毎日市場に行けばそれも可能なわけです。
そして仕入れ値も安いからしっかり儲かります。
※もちろん相場があるので常にというわけではありません。
あとはどれだけ売るかというのが問題になるわけです。
安くて儲かる鯛を数多く売れば売上も利益もしっかり残るということですね。
とはいっても人員に限りがあるわけですから一人でたくさん天然真鯛をおろせるようにしないといけないわけです。
そんなときに役に立つのがタイのウロコをつけたままおろす方法ということです。
鯛のウロコは大きくてたくさんある
この鯛という魚はウロコが多くておろすのにも一苦労なのが大きな悩みです。
まあ、1尾や2尾くらいならささっとやってしまうのかもしれませんが、数が多かったり、鱗を飛ばしたくない場所だったりするとちょっと大変です。
リッキーのお店でも旬の時期になると多いときで40尾くらいは普通におろさないといけません。
それも1時間ちょっとで下ろさないといけないわけで、しんどくて嫌になってしまうのです。
できるだけウロコを引かずにおろせたらいいなと思ったりするのです。
それに対して真面目な人ほどしっかり鱗を引かなくちゃとばかりにキチンとスミズミまでキレイに取ったりするんですね。
いや〜、これ大変ですよね。
リッキーは無理です。やったとしてもチャチャとしかウロコは引きません。
もし真剣にやるなら電動ウロコひきというものを使いたくなります。
一応昔からこういう機器もありますね。
例えば家庭用ならこれかな。
業務用で使うなどもう少し耐久性を求めるならこちらがいいと思います。
大量におろさないというお店はこういうものがあってもいいのかもしれません。
ただ今回の記事はそもそもウロコを引かずにおろすということなのでそれさえマスターすればこういったものも不要ですよということです。
鯛のウロコをとることのデメリット
実はウロコをとることのデメリットは非常に深刻なものなのです。
簡単にいうとマイナス面がかなり大きいのです。
- ウロコがをとる時にウロコが散らばって台所が汚くなる。
- 後片付けに時間がかかる
- ウロコをとることはかなりの重労働 身体がひどい!
- 場合によっては腱鞘炎、神経痛で医者にいかないといけなくなる。
- ウロコをとる際にトゲやエラの鋭いところで手を切る恐れある。痛い!
- 場合によってはトゲが体内に残って指の一部を切開して抜かなければいけなくなる。
- トゲを残ったままで放置すると約1ヶ月間チクチク地獄の憂き目にあう。
- ウロコ引き自体を買わないといけないのでコスト発生する。
- 例えば100円均一で買ったウロコで使ってしまうと魚の体表面を傷つける可能性がある。
- 腕にウロコが貼り付いたままで放置すると後でかゆくなる
- 何よりもウロコを引く行為自体に時間が結構かかる
ザッとあげたものでもこれだけ11個ほどのデメリットがあるのです。
正直ウロコ引かずにおろすことができれば時間も半分ほどに縮まると思います。
こうやって見るとウロコをとる作業というのがどれだけ負担が大きいかわかりますね!(ちょっと言いがかりみたいなものもありますが。笑)
ウロコを引かずにおろすのは技術的には可能です
そんなときおすすめなのが「ウロコを引かずに鯛をおろす方法」です。
リッキーは次のように考えます。
エッ!そんなことできると驚かれる人も多いかもしれませんが、2kgくらいまでなら実は鱗つけたまま下ろすことができるんですよ。
「でも、包丁入らないでしょう!」といわれそうです。でも押してからすぐ引く包丁の入れ方をすれば2kgくらいまでならそのまま包丁入りますよ。
技術的には鱗をつけておろしても全く問題ないのです。
おろし方はウロコがついている場合と基本同じです。
ただ、ウロコがつかないように少し配慮が必要になる程度です。
こんなに簡単できるのならばなぜ鯛をおろすときウロコを引いてからおろすのでしょうか?
そもそもなんでウロコを引くのか?という疑問が湧いてきました。
そもそもなんで鱗を引いてからおろすの?
では、なんでみなさん鯛をおろすときウロコを取るものだと教えられたのでしょう?
それは刺身にする際、身にウロコをつけないためですね。
当たり前と思われるかもしれません。
確かに刺身するときにウロコがつくというのは絶対あってはならない事です。
もしお客さんが刺身を食べていてウロコがあったらこれほど不愉快なものはないでしょう。
刺身技術云々いう前に初歩的なことができない店として大きな不信感を持たれてしまいます。
その意味でウロコが刺身についていてはいけないものだといえます。
なのでウロコをとってからおろすものだよというふうに教えられるわけです。
実際に身おろし慣れてない人は身にたくさんウロコをつけたりします。
実はウロコはついてしまう…⁈
今ウロコは絶対つけてはいけないものという言い方をしました。
しかしながらどんなにベテランの人がやってみても実はウロコがついてしまうということはよくあります。先にウロコを引いたとしてもです。
また、ウロコを引いたからといってお店へのウロコの苦情がなくなるかというとそうでもないのが現実です。
ここはあまり大きな声で言えないことですがたまにあります。ベテランがやっていたりすることもあるのです。
結局最初にウロコを取ろうが取るまいが身にウロコがつくことはありうるということなのです。
売場に出すときにウロコがついてない状態であれば問題ない⁈
であるならば負担の大きいウロコを取る作業しなくて済む方法はないものか考えるわけです。
そこで考えたのが ↓ です。
要は鱗がついてるかもしれないと思って確認しながらすればいいということです。
そしてウロコが身についていたら取り除けばいいのです。
それができるかどうかなんですね。
つけないという前提でなく、つくことがあるかもしれないので取り除くという前提で考えればいいのではないでょうか!
そうするとウロコをつけたままおろしたとしても身にウロコがついてないことを確認できればそれでいいということになります。
結果、より負担がないウロコをつけたままおろした方が楽という結論になるのも当然ということになります。
刺身にするとき、売場に出すときに、ウロコがついてない状態にすればいいだけだと思います。
これが正しいかどうかわかりませんが経験則に基づいて考えると上のような結論で問題ないと思います。
ウロコに菌がついているかもしれないという言い方をする人もいるかもしれませんが実際の生菌検査で異常値が出たことはありません。
腸炎ビブリオについてもそもそもラウンドの段階からその途中もしっかり流水で洗い流すのでリスクはほとんどないといえます。
なのでウロコをつけたままおろして、もしウロコがついたら後から取り除くというやり方で問題ないといえます。
ではウロコを身につけずに皮を剥く方法はあるのでしょうか?
この答えとしては・・・、
まったくウロコをつけずにという意味ならそんな方法ないのかもしれません。
ということです。
え〜!ここまで話題を引っ張っといて答えはコレで終わり?!
と言われても仕方がない答えですね。
ただ、ウロコをできるだけつけないように鯛をおろすことは出来るといえます。
言い方が微妙ですね。
これはウロコがついてしまうのはしょうがないと考えているのです。
実際リッキーは現場では鯛をさばく時全くウロコを引かずにおろしています。
??? 何言っているんだって感じですね。
これはどういうことでしょうか?
ウロコついたらまずいんじゃないの!
で、ここからはあくまでリッキーの持論になりますので、ちょっと説明させてください。
- 先ほどあげたようにウロコを引くデメリットは大きい。
- ウロコを引かないおろし方をしたい。
- ウロコを引かずに鯛をおろせるかというと可能。
- ウロコがあって包丁が入らないということはほぼない。
- ウロコをつけたままおろすと身にウロコがつくかどうかというと、つく可能性はある。
- つくけれど最小限にとどめる。わずかしかつかないというおろし方は出来る。
- そしてそれを後からとればいいという考え方。
- 後から包丁でなぞってウロコとればいい。
- 一枚や二枚くらいならすぐにしかも確実にとれる。
- そしてウロコがないのを確認したら刺身に回す。→ 全く問題ない。
どうでしょう?
ウロコをとらずに鯛をおろしてもまったく問題ないですよということです。
ウロコをとることはかなり大きな負担だというを考えるとこの作業できるだけ省きたいです。
ウロコを絶対つけないという発想からウロコは少しついてしまうけど後からしっかりとればいいという発想に変えてみるのはどうでしょうか?
なぜこんな風に考えるかというと、
実はウロコをとってやっても身にウロコがつくことがよくあるからです。
言い方を変えるとウロコをウロコ引きでとるやり方でも絶対ウロコがつかないわけではないのです。
結局どちらにしろウロコが身につく可能性があるならばウロコをとらない方がいいのではないか。
ということなのです。
上のようにあれだけ負担が大きいわけですからどうしても省きたいです。
とはいうものの、
本当にウロコをつけたままおろしてウロコがつかないやり方なんてある???
どうやっておろすのでしょうか?
と当然みなさん思いますよね。
次の章ではウロコをつけたままどうやっておろすのがいいか説明してみます。
ウロコをつけたままおろすやり方
ウロコがあまりつかないおろし方とはどんなおろし方なのでしょうか?
これは実は慣れれば簡単なのです。
みなさんはやったことありますか?
ウロコをつけておろした方が皮がしっかりしていてかえっておろしやすいということもあるのです。
またウロコを引かずにやると皮目もキレイに残りやすいです。
慌てずにゆっくり包丁の刃を下の方に圧を強めておろす
やってみてください。
こうやっておろすとウロコつきにくいです。
もしウロコがついたら包丁の刃で皮目の表面をサッとなでて取り除いてください。
これも慣れの部分大きいです。
最後に
ぜひ、ウロコをつけたままおろす方法やってみてください。
逆にウロコをつけたままおろした方がおろしやすいことにも気づくはずです。
ただしこのやり方は最初にもいったようにある程度おろす技術がある人だけやるようにしてください。
そうでない方はウロコ取ってからおろすやり方をマスターしてからやる必要があります。
キレイにおろす技術を身につけてからウロコ付きでおろすようにしてください。
中級者などで毎日ウロコ引き大変だなと思っている人にぜひ参考にしていただければ幸いです。
追記:
鯛は鱗を引くのも大変ですがもう一つ大変なことがあるんです。それはアラの処理です。これがまた一苦労なんです。
これについては以前書いた記事がありますのでこちらをご覧ください。
<終わり>