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食品ロス対策と食品偽造は表裏一体 〜信用できない魚屋達

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食品ロスの話題が最近ネットニュースや週刊誌などで目にすることが多くなりました。

SDGs=持続可能な社会を目指すための開発目標が設定され、食品をつくる人にも目標が設定されたことと関係あります。

それ自体は確かにこれからの社会を続けていくためには必要な考え方であるとは思います。

ところがこの食品ロスという考え方はややもすると食品偽造すなわち食品の賞味期限などの日付の偽造を招きかねない危険をひめているのではないかと思うのです。

食品ロス問題を強調しすぎると消費者にとって必ずしもプラスにならないと思うわけです。

いったいこれはどういうことなのでしょうか?

今回この問題についてしっかり考えてみたいと思います。

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食品ロスとSDGsの関係

今の社会はこれからも続いてほしいと願うのはみなさんも同じだと思います。

そのためになにをこれからしていかないかの国際的目標を定めたのがSDGsです。

SDGsとは持続可能な社会を続けるための開発目標であり17の目標と169ターゲットで構成されています。

2030年までにその達成を目指すということがSDGsの考え方です。

詳しくはこちら↓

>> SDGs(持続可能な開発目標)17の目標と169のターゲット 農林水産省

食品ロスの問題はその複数の目標に関わっていますが特に大きく結びついているのはつくる人の目標を定めた12.3になります。

2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。

このように生産者や食品メーカー、販売者などにもこのような目標が課されるようになったのです。

とりすぎたり作りすぎて食品を廃棄するようなことがないようにしてくださいねといっているわけです。

その根本には全世界的に飢餓などでものが食べられない状況を克服して貧困をなくしたいうことがあるわけです。

このように食品ロスの問題は持続可能な社会になるために無駄をなくして必要なところに届くようにしたいということが根底にあるわけです。

食品ロスの前提となるのは「もったいない」精神

このように食品ロスの問題はその根本にはもったいないという想いがあると言えます。

無駄なものを作って捨てるようなことがあればそれは由々しきことでもったいないのです。

最近でも恵方巻きやうなぎの売れ残り大量廃棄が問題となり、商い以前にそれが生まれる社会的経済的構造の再構築が迫られたのは記憶に新しいところです。

世界で貧困に飢えているところがある中であるところでは大量廃棄されているという事実は確かに解決していかなければならないでしょう。

そして解決の方法はいくつかあると思います。

その中で誠実正当な対応をしていくのが当然ですが、実際の現場では必ずしもそうでないことが多いのも事実です。

いろんな場面いろんなパターンがあるので一概には言えませんがその場しのぎ、安易な取り繕いがなされることも容易に想像されます。

もったいない精神は大事な考えではあるが使い方を間違えると別の問題が出てくるのです。

食品偽造との関係

もったいないからといって冷凍日付の切れたものを使ったり賞味期限を再設定したりするという問題が出てくる可能性があるのです。

食品偽造とは日付や産地を偽って販売することをいいます。

今回は産地偽造の問題には触れませんが日付や表示の問題は実際に存在しうることで表面化されることが往々にしてあるのです。

賞味期限偽装の疑いで食品業者を書類送検 神奈川

産経ニュース 2016.5.3

過去に行われた犯罪的偽造行為によって会社の存在すらなくなってしまうことがありました。

日付偽造していた人たちが口を揃えていうのがもったいなかった!

ということです。

決して悪いことをしている訳でないといいたいのでしょうか?

しかしここでいう「もったいない」は自分たちが損したくないというとっても身勝手なもったいないなんだと思います。

もしかしたら使い方を間違えているのかもしれません。

そもそも賞味期限はその期限が切れてすぐ食べられなくなるというものでもありません。

日付が切れたとしても大体食べられるわけです。

もったいないと思うと一度賞味期限が切れたものをもう一度日付を先に伸ばしてつけたりする人がいたりしても不思議ではないということです。

むしろ利益を過度に求められる企業の社員などはいつも責められて戦々恐々としていて、怒られるくらいならと思う人が一定数いると思います。

もちろん、全部が全部そんなことするというわけでないです。

しかし残念ながら弱い人もいるのは事実です。・

そんな中でもったいない精神を勝手な解釈して日付の偽装をする人が出てもおかしくないわけです。

これはやはりダメなことだと思います。

もったいないといって使えるのは賞味期限内のはなしです。

正当性が担保されていないと思います。

もちろん、賞味期限切れを明示して冷凍物や海産それは乾物などを販売する方法もあり得ます。

実際そういう売り方をするお店はあります。

ただ、そうすることで品質の不安しいてはその店の信頼毀損も招く恐れがあるので普通のスーパーや小売店ではなかなかできないでしょう。

世間の目はなかなかシビアなものだからです。

これはこれで課題残ります。

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メーカでもともともの賞味期限を伸ばす流れもある

最近メーカー各社も賞味期限の長さを今までより伸ばす動きがあります。

もちろんちゃんとした検証をした上でメーカーの責任において賞味期限を伸ばすのは問題はないはずです。

確か水産商品でも賞味期限がえらい長いなあというものがありました。

もちろん食品ロスを減らす流れとなるわけです。

誠実な商いを担保するものは?

食品の日付偽造を招かないようにしてもったいない食品を救う方法はあるのでしょうか?

実際でいうとなかなか難しいと思います。

各自の倫理観を期待して当てにならないからです。

見込み販売をやめて予約販売の取り組みに切り替えたりする例が見られます。

むしろ、在庫管理を徹底して賞味期限を切れる前にアクション起こすことが大事です。

あと問題の解決のヒントは必ず売場にあります!

売場を整理してしっかりみていくほかないようです。

現状では商品管理、在庫管理で解決していくしかないようです。

日頃から賞味期限を改ざんしなくてもいいような商品管理をしていきましょう。

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まとめ

なかなかすぐにまとめにくいテーマでハッキリした結論が示せないジレンマが残ります。

ただ、正直もったいない精神が仇となりかねないパラドックスをひめた問題だと思いました。

実際もったいないからいう理由で冷凍商品の日付の先延ばしをする輩が必ず出てくるだろうなと思います。

この業界に長くいるものとしての実感です。推測でしかないかもしれませんが。

みなさまにおいては、食品ロスの問題を考えるときはかならず食品の日付偽造の問題があって、その問題と表裏一体だということを頭の片隅にでも入れておいてほしいのです。

<終わり>

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リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属