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魚肉は熟成するの?【刺身】どのくらい置いたらおいしくなる?

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みなさん、こんにちは。

毎日魚と格闘しているリッキーです。

今回のおもしろい質問を受けたので紹介します。

刺身を熟成したら美味しくなるものなのかな?

という質問です。

そもそも刺身が熟成するってあるのでしょうか?

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刺身が熟成?

私はそれを聞いて思わず固まってしまいました。

おそらく質問の意図は魚もお肉と一緒でしばらくおいた方が熟成されて美味しいのではないかということだと思います。

なるほどよくご存知で魚も新鮮すぎたら美味しくないということは知っているわけです。

これはこれで正しいわけで、ある意味魚について詳しい人なのかなと思いました。

魚は腐る前が一番おいしいという言葉もあるくらいですからね。

ただ、刺身を、といったので私はちょっと引っかかったのです。

刺身というのは既に魚の身をスライスしまったものをいうからです

それでいうと刺身の熟成ということは考えないほうがよいとおもいます。

なぜなら切ってしまった刺身に熟成もヘッタクレもないわけで切ったらすぐに食べてくださいよっていうことだからです。

菌の繁殖という問題が出るからです。

空気に触れた瞬間から雑菌が繁殖する可能性があので早く食べないといけないのです。

生食を前提とするなので。

なので刺身が熟成するかといった場合については否定的な結論になると思います。

ちょっと言葉の使い方の問題になってしまっているようですみません。

言い方を変えて魚の身肉が熟成するかということになると考える余地が出てくると思います。

そこで今回は魚の熟成について考えてみたいと思います。

なお、魚の鮮度をどう判断するかについては過去に記事を書いていますのでそちらをご覧ください。

ここで鮮度の科学的な鮮度基準について詳しく解説しています。

魚の熟成とは

熟成とは自らの酵素でタンパク質を分解しアミノ線に変化させることになります。

それを魚でいうと、

魚を適切に処理した上で時間を置くことで魚肉に旨みを出して美味しくなる状態のこと」

になります。

適切に処理といった場合、神経抜きや血抜きになるわけです。※この説明はちょっとボリューム内容大きくなるのでここでは割愛します。

そして、そこでいう旨み成分が有名なイノシン酸になるわけです。

いずれにしても魚肉そのものの酵素によってアミノ酸に変化されていくものです。

本題に戻しましょう。

魚の熟成という場合それは基本的に未処理すなわち丸物ないしは固まりの状態で進行する変化の過程が前提になります。

なので、既に刺身にスライスにしてしまった場合は普通熟成にはならないでしょう。

熟成と発酵の違い

似ている言葉で発酵というのがあります。

魚醤、イズシ、ふなずし、なれすし、いかこうじ漬けなど発酵させて食べるものが有名です。

これらは自らの酵素で消化させるのでなく微生物の力で消化させるので熟成と異なります。

ここはまず押さえてください。

どんな魚が熟成するの?

ぶりやアジ、タイなどほとんどの魚に熟成はあります。

獲れたてよりしばらく時間が経った方がおいしいと感じます。

甘海老や各種イカ類なども少しおいた方が実は美味しいのです。

逆に熟成させてはいけない魚はなんでしょう?

鮮度の落ちやすいいわしなどでしょうか。

あと、生ではないですがゆでたこやゆでホタルイカなども早く食べたほうが間違いなくおいしいものです。

この点下記の論文がいろいろな魚を解説しているので詳しいです。

長期熟成魚介類刺身の呈味成分およびテクスチャー

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どのくらいすると熟成するの?

魚体の大きさによって異なるでしょう。

マグロなどは4、5日経った方がおいしいと思います。

ぶりなども2、3日した方がおいしいです。

あじや甘エビなどは一日置いた方がおいしいです。

ただ、いわしなどは変化に弱い魚なので1日置くよりもその日のうちに食べた方がおいしいような気がします。

いずれにしても店に入荷するまでの日数もあるわけなので一概にはいえないところもあります。

ぜひ熟成して食べてほしい魚介類

みなさんに熟成がおすすめな魚介類を挙げるとしたら、

やっぱり甘エビですね。

鮮度のいい店で買うという前提ですが、最低1日は置いた方がおいしいと思います。

あと強いていうなら車鯛

なかなか食べる機会ないかもしれませんが時間が経てば経つほど美味しくなる魚です。

この車鯛というのはもともと身が柔らかい魚です。

それを適切に保管すると2日ほど持ちますが最後の方に食べると溶けるようになりますが本当に美味しく感じられます。

すみません、ここはリッキーの経験に基づく独断です。

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まとめ

刺身の熟成はありです。

とれたてのものより少しおいた方がいい魚も多いものです。

腐る直前が一番美味いと言われるくらいなので熟成も適切に処理すればおいしいお刺身ライフ楽しめると思います。

ただ雑菌の問題がまた別にあるという点は常に頭にいれておいてください。

その意味で刺身になったものの熟成というのはないものと思った方がいいでしょう。

ちょっとあげあしとりのようでもありますが勘違いしている人もいないとは限らないのでちょっと念押しです。

<終わり>

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リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属