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「切身」を生で食べても大丈夫?【スーパー鮮魚売場】刺身用と加熱用なにが違う?

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スーパーで並んでいる切身を見るとたまに鮮度よさそうに見えるものがあります。

もしかしたら刺身で食べられるのではないかと思ったりします。

しかし、加熱用と表示されていたりします。

新鮮な切身なら加熱用と書いてあっても刺身にして食べることができるのではないでしょうか?

そもそも刺身用と加熱用はなにが違うのでしょうか?

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刺身で食べれそうな加熱用切身

マカジキの切身

結論からいうと、

確かに刺身で食べられるけどオススメではない!

ということです。

実際、鮮魚対面に立っていると切身のパックを持ってきて、

「これ加熱用になってるけど刺身で食べれるんじゃない?」

とお尋ねになる方がたまにいます。

また、

「このパック煮付け用と表示されてますが刺身で食べられますか?」

と言う方もいらっしゃいます。

リッキー

一般の方でも鮮度を見分けられる人もいるのでそう思うのもわかります。

先日炎上してyoutubeをやめることになったへずまりゅうも動画でムシャムシャ食べていたのは切身用のブリだったように記憶しています。

最高裁第3小法廷(戸倉三郎裁判長)は、「へずまりゅう」の名前でユーチューバーとして活動中に、スーパーで陳列されていた魚の切り身を食べて盗んだとして、窃盗などの罪に問われた原田将大被告(30)の上告を棄却する決定をした。

THE SANKEI NEWS

そもそも切身用のぶりを生で食べる点についてはあまり触れられていませんでしたがちょっとビックリしました。

一般的にも切身でも鮮度の良いものは刺身で食べられるんだ的な又は実は大丈夫なんだ的なちょっと強者の主婦がいるのも事実です。

実際のところスーパーの切身コーナーに売っている魚は刺身(生)で食べられるのでしょうか?

繰り返しになりますが、

刺身で食べられるものもありますがやめた方がいい

ということです。

なぜでしょうか?

これには鮮度だけではない裏事情があるのです。

魚屋の事情に詳しいリッキーがこの疑問をわかりやすく解説したいと思います。

魚を刺身(生食)できる条件

しめ鯖

まず、どんな状態の魚が刺身にできるかですね。

以前魚が刺身になる条件について記事を書いています。

>>刺身を食べれる条件は鮮度だけではない!〜さかなのさ

結論からいうと魚を刺身で食べるときは次の5つ条件を満たしていることが必要です。

刺身にできる5つの条件
  • 毒がないこと
  • 鮮度がいいこと(菌の問題がないこと)
  • まずくないこと
  • 寄生虫の心配がないこと
  • アレルギーの問題がないこと

この条件を満たせば刺身、生食できるわけです。

表示が切身になっているのには意味がある

ただ、今回のように切身と表示されている場合はやはり刺身で食べられません。

切身にする人も刺身では食べないと思って店に並べています。

切身は加熱して食べることを前提としています。

切身と表示されている場合はそもそも刺身で食べられませんよといっているようなものなのです。

リッキー

やっぱり切身と書いてあれば加熱用と考えないといけないです。

もし切身のパックに加熱用と表示してないとしても、一般的には切身コーナーにある切身はすべて加熱することを前提としていると考えてください。

と、ここまでは一般論の話です。

とはいえ、自分は鮮度の見極めには自信があるから大丈夫と思っている人がまだいるはずです。

そんな方々へさらに話を深掘りしてしてみたいと思います。

切身コーナーの切身の鮮度はどんなものか?

天然ブリの切身

まず切身コーナーの切身の鮮度は落ちている場合があるかという点については、本当です。

そういう場合はよくあります。

もちろん鮮度のいい魚を切身でバンバン切っていく店もありますが割合でいうと少ないです。

むしろ刺身にできないから切身にしようということは魚屋ではよくあることです。

また、

刺身にできないことはないけど脂がのってないから切身にしようということもよくあります。

例えばブリなどは入荷した時点でもうすでに鮮度が悪い時があります。

浜どめといって休市やシケの関係で港や他の場所で在庫することがあります。

市場仲買さんの冷蔵庫で留める場合もあります。

それらが巡り巡ってお店に納品されるのです。

魚仕入れの常態としてよくあることなのでそれ自体問題にはなりません。

なければないで困る人がいるからです。

むしろ仕入担当者の目利きの問題になるだけです。

そういう鮮度落ちたブリも仕入れた以上、お金に変えないといけないので切身として売られることになります。

鮮度落ちたと言ってもよほどひどいものでない限り加熱するので食中毒事故にはなりにくいです。

特にブリは色ですぐわかるのでひどすぎるものは売場にでないし、出てもすぐにわかるので避けられると思います。

多少色変わっていた程度では加熱して食べれば問題は起こりにくいものです。

それを生で食べるとお腹を壊したり食中毒になったりします。

生食用と加熱用では鮮度の基準が違って当然です。

リッキー

鮮度の問題は菌の増殖と密接不可分の関係にあります。

なのでまずここで切身を生で食べるのはやめた方がよいということになります。

切身の雑菌の検査はしたりするのか?

鮭の切身

ところでスーパーは切身の鮮度の検査チェックをしているのでしょうか?

刺身のような一般生菌検査はされるのでしょうか?

リッキー

一般生菌っていわゆる大腸菌などの雑菌のことですね。

科学的なチェックされることがあるかということですね。

結論を言えば切身の場合はそこまで厳しい検査はやっているところは少ないです。

やっているとしても刺身ほど頻度は高くなく、内容も一般生菌の値くらいだと思います。

刺身などの生食用だと事故が起こったときの健康被害も大きいので一般生菌の数の基準も厳しく検査もしているのです。

内容も広く黄色ブドウ球菌やノロウィルスなども含まれたりします。

しかしながら加熱用の場合はそこまで厳しくないようです。

検査に費用がかかるからです。

検査の項目が多くなればなるほど費用がかさみます。

切身の場合通常は血合いなどの色が悪くなるので目視で気づくと思います。

ただサーモンやタラの切身などは色が変わりにくいので鮮度劣化が外見からわからない時があります。

いずれにしても切身コーナーにあるものはやはり加熱して食べるというのが原則になります。

切身は刺身で絶対食べることはできないのか?

ぶりの切身

では切身は絶対に刺身生食で食べられないでしょうか?

これまでみてきたように切身コーナーに置いてあるものは基本的に加熱用だと思ってください。

切身=加熱用ということです。

それを前提にここからは裏話です。

実は切身でも刺身にできるものがあるということです。

リッキー

お店では必ず加熱してくださいといわざるを得ません。

ちょっと持って回った言い方になりましたがちょっと消極的なニュアンスをお感じ取りください。

売れているお店なんかでは確かに切身でも鮮度いいものを使ったりすることがあります。

そういうお店ではブリの切身でも刺身になったりします。

はっきりいうと「刺身にできます」ということです。

例えばブリでいうと仕入れるときは刺身用、切身用と区別していません。

養殖のぶりでも天然ぶりでも基本刺身できるものを切身にします。

刺身と同じ鮮度の切身が並ぶことはあるのです。

なので一応切身になったものでも鮮度だけを見れば刺身で食べることはできるということになります。

しかしながらさらに別の問題があるのです。

ここからが核心です。

鮮度はよくても別の問題が!

汚いまな板

では刺身になる鮮度なのになんで切身とつくと刺身で食べられないのでしょうか?

それは、

切身用のまな板で切られているから

です。

つまり汚いまた板の上で切られてるのです。

「汚い」というと言葉としての刺激が強いので衛生基準を満たさないといった方が適切かもしれません。

直前に魚の内臓や胆汁などの残を処理したまな板で切っているということです。

リッキー

魚屋さんとして問題があるわけではありません。

別に汚物や不廃物があるとかというわけではありません。

とはいえ加熱用のまな板で切られたものだったら刺身用のまな板に比べ衛生的ではないということになります。

いくら切る時にブラシでまな板を擦ってキレイにしていても雑菌等は除去されません。

衛生的でないまな板を使って切身にするから刺身で食べられないのです。

最近のちゃんとした魚屋さんは加熱用のまな板と生食用のまな板きっちり分けて管理しています。

※色で区別したりしています。

刺身専用のまな板を使ってない

から切身を刺身で食べるのはやめた方がいいということになるわけです。

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では鮮度のいい切身を洗えば食べられるか?

シイラの切身

次に考えることは汚いまな板で切ったものだったとしても刺身を洗えば生で食べたられるんじゃないということですね。

そう考える人いるはずです。

それも想定内です。

まあ、こんな執念燃やす前に刺身用のものを買ったら早いのにと思いますがどうしても割安に買いたいでしょうね。

リッキー

確かに安く買えるに越したことはないですね。

その気持ちはわからないでもないのであえて答えます。

洗えば刺身で食べられないこともない

ということです。

これで勘弁してください。

あとはどんな状態か個別に見て判断するしかありません。

寄生虫(無害)がいる場合もある

寄生虫が入っている場合もあるので無理しないでください。

例えばブリやタイなどには身体に害は及ぼさないけれど気になる寄生虫がいたりします。

お店の担当者も寄生虫(無害)がいたりして切身に回したりすることもあり得ます。寄生虫多い時は廃棄になりますがわずかしかいない場合であれば加熱用の切身にまわすと考えることがありえます。

ということもあるので切身となっているものはやはり加熱用として使ってほしいです。

もしどうしても生食したいなら洗ったりしっかり身を確認してからお召し上がりください。

そのときは自己責任です。

切身と表示されているのだから。

迷ったらやめるべきです。

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まとめ

魚に詳しい人で鮮度を見極めて切身を刺身で食べている人もそこそこいるんだろうなと思います。

でも切身を刺身で食べられるか?という問いに答えるなら、

食べられないこともないですがやめた方がいいです。

おうむ返しになりますがこういう答えになるでしょう。

最後の寄生虫(無害)がいる場合が嫌ですね。

そこまでリスクを冒してやるほどのものかと思います。

ここは素直に表示に従って刺身で食べるなら刺身用と表示されているものをご利用ください。

そのほうが安心してお刺身楽しめます。

<終わり>

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リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属