青空に大きく広がるうろこ雲をみると、自家製のシメサバが無性に食べたくなります。
少し赤みを残したシメサバの味は格別です。
刺身にはない独特な風味がたまりません。
半生の魚屋ならではの作り方は基本料亭割烹と同じ。
『これ絶対、旨いよ〜!」
思わず叫んでしまいそうです。
サバそのものの旨味をうまく引き出しているやり方です。
今回はサバそのもののおいしさを活かした魚屋仕様の本格的な「しめ鯖の作り方」を紹介します。
目次
まず押さえてほしのはこの2つ
ここで特に押さえていってほしいポイントは、
塩の当て方
漬ける時間
この2つです。
作り方は意外と簡単で分かりやすいので最後までご覧ください。
自分でおいしいシメサバが作れてしまいます!
食べる楽しみが増えますよ。
\ 作るの面倒くさい人はこちらも /
自家製のシメサバのおいしさは格別
脂のったうす腹を一切れつまんで醤油をつけると脂がサッーと醤油に広がる。
サバの独特な甘みと爽やかな酢の酸味が相まって極上のサバ旨味を醸し出してくれます。
ん〜、たまりません!
そのシメサバを自分で作れるとしたらスゴいですね。
やっぱり市販品に比べると「自家製しめ鯖」はおいしさ違います。
なんというか後味がいいというか鼻に抜ける香りがたまらないというかおいしさが、
美味しさが圧倒的に違います!
すみません、思わず力が入ってしまいました。
この作り方をすると本当においしいんですよね。
秋サバ自体がおいしいというのもあるかもしれません。
秋サバで作るシメサバは本当に旨い

秋サバというように秋深まる頃のサバはほんとにいいですね。
脂ものっています。
実際、私の住んでいる金沢では輪島からほんとうにいいサバがはいってきます。
しかも値段も安く200〜300円ほどの時があります。
その新鮮な鯖をシメサバにするのですが、生で刺身にしたいくらいの鮮度です。
※金沢では基本的に鯖を刺身にはしません。ほとんどの人がしめ鯖にします。
みなさんのところでもそろそろ新鮮なサバが入荷しているのではないでしょうか。
生のいいサバがあったらぜひやってみてください。
サバといえばアニサキス の問題があります。解決方法はシメサバが出来上がった時点で、二晩冷凍かけるです。詳しくは後ほど
さあ、それでは早速素材を活かしたしたしめ鯖の作り方みていきましょう!
魚屋の激ウマシメサバ 〜準備するもの
事前に用意するものはそんなに多くありません。
表題にもありましたようにこの作り方は素材を活かすやり方です。
というのも、しめ鯖作り方はいろいろあったりします。
- ニンニク
- 鷹の爪
- 七味
- レモン
ニンニクを入れたり、鷹の爪をいれたり、七味を入れたりそれぞれの好みでいろいろあるものです。
レモンを入れる人もいます。
※ここではなにも入れません。
酢についても米酢使わないといけないという人や寿司酢がいいよと強くオススメする人もいます。
ネットでみても本当にそれぞれですよね。
結局どれが正しいの!って感じで何を信じらいいかわからない状況だと思います。
おそらくそれらはそれはそれなりにおいしいんだとおもいます。
ただそもそもでいえば、サバ本来のおいしさを楽しめるかが一番大事だと思います。
なので出来るだけサバ自体の味を引き出せるシンプルなやり方にこだわればいいのかなという結論に落ち着いてます。
旬の脂ののったサバはそれだけでおいしいものです。
だから特に味をつけたりというのは季節違いのときでいいのかなと思ったりします。
ということで、
基本家にあるものでやっていただければいいです。
酢なんかも家にある醸造酢で十分です。
わざわざ買いにいかなくてもあるものでやりましょう。
ここではサバ本来のおいしさを引き出すという点にこだわっていきましょう。
材料も最小限で準備してもらいたいと思います。
実際作って食べてみれば今言っていることの意味がすぐにわかっていただけると確信しています!
- 輪島産真さば ・・・ 1尾 新鮮なものを三枚おろし
- 酢(醸造酢) ・・・ 300mlくらい 家にあるもので良いです。量は適当でいいです。
- 乾燥昆布 ・・・ 1カケ なんでもいいです。便利昆布でも可
- 塩(荒塩) ・・・ ちょっと多めに
- サバをしめるバット ・・・ 1つ
- 水を切るザル ・・・ 1つ
- 保管用の蓋付きパッカン ・・・ 1つ
とにかく輪島産の新鮮な真さばを使うようにしてください。他の土地の方なら地物近海物で。
魚屋のシメサバ 〜酢じめまでの流れ
塩漬け → 酢〆 → 冷凍 → トリミング → スライス
大きな流れは上の通りです。
ポイントを絞って流れを解説します。
まずさばを三枚におろします。基本は薄腹もとる。
バットに塩を敷き詰め、その上に三枚におろしたさばを並べます。
その上から身が見えなくなるまでさらに塩をかけます。塩はしっかりする。
そのまま3時間冷蔵庫においておきます。そのうち水分が出てきます。そのままで。
3時間たったら塩を流水で落とします。ざるにしばらく置いて水気を切ります。
別のバットに昆布をしき塩をしたさばの身をならべ酢を身が浸るまで注ぎます。ふつうの酢でも問題ありません。昆布は残っている切り昆布少々でOK
それをまた3時間おきます。3時間たったら酢から出して軽く水分を拭いておきます。
冷凍をかけるときはこの段階でラップに巻いて冷凍をかけてください。二晩しっかり冷凍かけてください。解凍するときは前日冷蔵庫で解凍します。
さあ、ここから今の流れをオリジナル写真を見ながらさらに詳しく解説していきます。
1,輪島産真さばを三枚おろしにする

写真はたくさん作るときの写真を使ってます。
シメサバを家庭で作るときは1尾でやります。
三枚おろし自分でできるようなら自分でしましょう。
魚屋さんでもやってくれるので自信がないときにはやってもらって構いません。
より生rareにこだわる人は薄腹も取らずにやる職人さんが多いです。
ただ、寄生虫のことを考えると薄腹は取っておいた方がいいかもしれません。
寄生虫を酢で殺したいからと意味ではありません。アニサキスは酢では死にません。
薄腹をとって確認してできるだけ取り除いた方がよいでしょうということです。
2.バットまたはタッパに塩を敷き詰めます

シメサバを作る時の塩の仕方がわからないという人が多いと思います。
確かに塩の仕方というかかけ方はとても重要です。
塩するところはさばにあたらないためにも絶対に手は抜けないからです。
実はかける前に下に塩を敷いてもいます。(上の写真)
結構塩使います。

現場ではこうやっておろしながら身を下にして置いていきます。
3.その上に三枚におろしたさばを並べて塩をしっかりかけます。

塩を敷いた上にサバの三枚おろしを皮をした身を上にして並べていきます。
そしてその上からも塩をかけていきます。

このくらい白くなるまでかけます。

ここまでしなくてもという人もいるかもしれませんが、塩のところは手を抜いてはいけないところです。この塩の量は長年の経験値から来ています。
結構かけるでしょう。
ただこれは水分を抜くための塩なので荒塩のような安い塩で構いません。
4.そのまま3時間冷蔵庫においておきます。

そのうち水分が出てきます。
そのままで。
少しずつ塩の浸透圧のかんけいで水分が滲み出てきます。
写真でわかります?
少し塩が溶けかかったところありますがそこが水分出ているとこです。
ここでは特に身を動かしたり触ったりすることはありません。
そのまま3時間冷蔵庫に放置でいいです。
5.3時間たったら塩を落とします

さあ、3時間経ちました。
この後水で塩を流し落とします。
流水でよいです。
真水水道水で構いません。
ザラザラした塩が身から離れるまで洗い流してください。
この作り方の時は流水に晒す必要ありません。
これで塩加減もちょうど良くなっています。
塩が落ちたらざるにしばらく置いて水気を切ります。
もし3時間以上塩してしまった場合の対応です。
ちょっと中途半端な時間にすると寝る時間になって塩したまま一晩ということもあり得ます。
そんなときはバットに水を流しっぱなしにして15〜30分ほど塩を抜いてもらうと大丈夫です。
いわゆる塩抜きが必要になります。
ただ、塩を抜く時間が長すぎると味も素っ気もなくなってしまいます。
どうしてもわからないときは端っこをつまんで食べて確認してみたりしてください。
リッキーもいつもそうしています。
塩味がないというのもおいしくないものです。くれぐれもご注意を。
6.別のバットにさばの身をならべ酢を身が浸るまで注ぎます

さあ、これから次の工程です。
酢でしめる工程です。
酢はふつうの酢でも問題ありません。昆布も残っている切り昆布でもOK
酢を流し入れます。
身が隠れるくらいヒタヒタになるくらい酢を入れます。
そして昆布をひとカケ(2つでも可)酢の中に入れます。
酢がもったいないのである程度ヒタヒタになったらこんな風にビニールをかけても良いです。

こんな風にすると酢をたくさん使わなくて済むのでとっても経済的です。
それをまた3時間おきます。
今回はさばの身全体に酢をあてたいのでくっついているところを少し浮かせるようにして酢が全体に回るように動かします。ほんの少し触る程度です。
たまに見てかき回すという感じです。
酢のあたりが弱いようなら反対にして身を下にしたりすることもあります。
全体が白くなるようにします。
7.3時間経って酢じめが完成しました!

3時間経ったら酢を抜いて出来上がりです。
身が白っぽくなりシメサバらしくなりました。
キッチンペーパーで水分をふきとってください。
もし生っぽくmedium rare食べたいようなら2時間くらいでも大丈夫です。
塩は必ず3時間しないといけませんが酢は多少短くてもお腹痛くなることはないです。
8.冷凍かけるタイミング
冷凍をかけるならこのタイミングです。
サバを酢締め完了して酢を拭き取ったこのタイミングにラップに巻いて冷凍庫に入れるとよいでしょう。
間違ってもキッチンペーパーや紙で巻いたりしないてください。
シメサバに冷蔵庫の変な匂いがつきます。
あと、空気をできるだけ入れないようにしてください。
臭いもつくし、劣化が早くなるものです。
アニサキス対策
出来上がったシメサバを二晩冷凍庫で冷凍かけます。
公式ではマイナス20℃以下で24時以上ですから一晩ではものたりないです。
家庭用の冷凍庫は開けたり閉めたするので出来るだけ奥の方に置いてください。
冷凍かけても多少端っこが色変わるくらいで味が大きく変化するということはありませんのでご安心を。
やはり寄生虫対策はしっかりとっておきましょう。
自分は生で食べるという人は自己責任でお願いします。
せめて三枚おろしの時しっかり確認してください。
自分はチャンと取り除いたから大丈夫という人はそのままスライスしてお召し上がりください。
というか昔はそのまま生食していたんですよね。
リッキーも冷凍してよと言いながら自分では生(冷凍なし)で食べると思います。
もしあたっても保健所には自分の判断でやったと言います。
ここで確認してほしいのは、①塩や酢ではアニサキスは死なないということと②身の中に入っている場合もあるという点でず。
>>魚捌く包丁を買うならこれ!【主婦必見】台所でオススメの究極の1本!刺身もOK
魚屋のシメサバ 〜刺身スライス
さあ、酢じめのところまで出来上がりました。
ほとんどシメサバは出来上がりです。
あとは切り方です。
冷凍をかけた人は前日冷蔵庫に移してゆっくり解凍させてください。
ここからの工程は、
①骨抜き → ②皮むき → ③スライス → ④盛り付け
の順になります。
全体の流れをポイントを絞って解説します。
解凍できたら、さばの中骨をピンセットで取ります。硬い中骨は上半分くらいにしかありません。硬い骨だけ取れればOK。
中骨が取れたら頭のほうから手で皮をむきます。上部を一列はがして身を押さえて一気に剥くときれいにはがれます。
後はお好みの厚さにスライスします。背のほうに一筋包丁で線入れたほうが醤油がしみやすいでよいでしょう。八重切りでもよいです。
盛り付けて完成!
さらに写真を見ながら詳しく解説します。
1.出来上がったシメサバの骨抜き

さばの中骨をピンセット=骨抜きで取ります。
右利きの人は左手を身に添えて右手に持った骨抜きで抜くので写真のような感じで置きます。左利きの人は逆になります。
身をしっかり押さえてやってください。押さえ方が甘いと身がガチャガチャになります。
わからずにこの骨抜きをしないでスライスする人結構多いです。
ここはちゃんと取りましょう!
もちろんそのまま食べても害になるということではありません。
ただ骨っぽくて食べにくくておいしくないというだけです。
<骨の取り方は3パターン>
①ピンセットで抜くやり方
②中骨ついた部位を取り除いてしまうやり方
②包丁でVの字で骨を切り取るやり方
シメサバは完全に骨を取りたいので①か②やり方でやります。
ちなみにもう一つのVの字で取るやり方は柔らかい骨の魚アジやとびうおなどを刺身にするときに重宝します。覚えておいてください。
2.シメサバの皮むき

シメサバの皮むきは頭の方から手でむきます。
腹のところまで一列はがして一気に剥くときれいにはがれます。
ちゃんと一列剥がしてからやらないと身が半分なくなったりします。
リッキーもこれで何度痛い目を見たか!
一番おいしいところが。。。

特に腹の方をしっかり押さえないと皮についていってガバッと身がなくなってしまいます。
特に薄腹のところが皮と一緒にくっついていかないうように注意しましょう。
あとこれも忘れてそのまま切ったりすることがあります。
そもそも皮を取るものだというのを知らない人も結構います。
大概切りにくいので気づきます。
3.シメサバのスライス

後はお好みの厚さにスライスします。
背のほうに数筋包丁で線入れたほうが醤油がしみやすいでよいでしょう。
八重切りでもよいです。
刺身の上手い下手はしめ鯖の刺身を見るのが一番よくわかると言われています。
銀メタリックな色合いは切り口を鮮明に見せてくれるからでしょうか?
技術の差が出やすいということはあると思います。
シメサバの完成

以前リッキーが切った自家製シメサバのスライスです。
こんな風に切ればカッコいいでしょうね。

包丁の重さでスッーと滑らすとキレイに切れますよ。
刺身の切り方の世界もやり始めると奥深いですね。

お店ではシメサバをこんな風に盛り付けます。
写真のシメサバに大葉使っていますがこれはNGです。
基本シメサバに大葉は使っていけません。笹とかを利用すべきです。
大葉と酢の相性が悪く色も悪くなるからです。
バランスが大事ですね。
\ 自分じゃムリ!と思った方はこちら /
シメサバと昨今のアニサキス事情
昨今の状況ですと、アニサキス被害の報告は寿司店や料理屋さんから発生したりすることが多いようです。
スーパーはほとんど冷凍ものを使うようになりました。
味に妥協できるかどうかで違いが出てきているようです。
繰り返しになりますが、家庭で召し上がる際は二晩冷凍かけることをおすすめします。
酢じめまでできてから冷凍かければ良いです。
食べる前に冷蔵庫で解凍し、皮をとってからスライスしてください。
冷凍かけるとはいえ、味は生でするのとあまり変わらないですよ!
最後に

シメサバにあうのはやっぱり辛口の日本酒の熱燗でしょう。
北陸の立山、新潟の越の寒梅、灘の剣菱なんかもいいでしょう。
シメサバは塩3時間、酢に3時間が基本です。
これで一番美味しい半レア状態になります。
鮮度の良いさばが入ったらぜひ自家製のしめ鯖に挑戦してみてください。
わからないことあれば、リッキーの質問コーナーにお問い合わせいただければすぐに回答させていただきます。
<終わり>
やっぱり秋サバで作る自家製しめ鯖のおいしさは格別です!