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切身を学ぼう!【鮮魚担当者必見】達人へのロードマップ 惜しげもなくノウハウ大公開

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真カジキの切身

魚の切身は簡単ようでいて実はなかなか難しいものです。

幅や長さを同じに揃えたり、場所によって厚みを変えたりと「商品」といえるまでさまざまな技術が駆使されているのです。

今回は切身を上手に切るための基礎的な考え方について解説したいと思います。

技術向上したい方はまずはここをしっかりと理解してください。

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切身は技術の宝庫

ブリの切身

魚の切身のおもしろいところは全てグラム数に合わせてもダメな点です。

というのも同じグラム数で合わせても端っこと真ん中で商品の価値が全く違うからです。

別に自宅で自分が食べる分にはどんな切り方でも問題ないわけです。

ただ商品として売っていこうとする時は、売れる切身=商品として価値のある切身を切らないといけないわけです。

何を重要視するかはその企業ごとに違いますが、ここでは攻める鮮魚売場としてしっかり売れる切身の切り方を紹介したいと思います。

切身で大事な7つのポイント
  1. 切身の長さは全て同じに揃える
  2. 合わすのはトレーの幅
  3. 尾とわからないように端は大きく取る
  4. 切身の大きさは頭尾が大きめ
  5. 2切目、3切目が一番技術がいる
  6. ブリ・サバは開店ギリギリに切る
  7. アラは基本的に値入れ計算に入れない

切身で大事なところを7つ挙げさせていただきました。

これはあくまで攻める鮮魚売場、すなわち強い鮮魚になるための考え方を前提としています。

なので、一般の鮮魚部門には厳しい内容になっているかもしれません。

これだけではわからないと思うのでそれぞれ解説していきます。

1.切身の長さは全て同じに揃える

長さの揃ったサバ切身

切身の長さはすべて同じに揃えないといけません。

まずこれが基本です。

三枚おろしした魚の形は尾の方へ行くほど短くなっています。

そのまま切ると尾の方が短くなります。

包丁の技術が要求されるところです。

包丁の角度、寝かせ方を変えてすべての切身の幅を揃えることになります。

大体4kg前後ならそのまま胴切りで切ります。

それ以上大きい時は三枚おろしを真ん中で割って腹と背にわけ小切れにして切ったりします。

2.合わすのはトレーの幅

カジキの切身

同じ長さといっても基準がないといけません。

基本はトレーの幅に合わせます。

3.尾とわからないように端は大きく取る

ブリの切身

これは切身の価値を高めるために第一切れ目を大きく切り取るということです。

大きく切ったらもったいないのではないかということですが、その大きくとった尻尾はアラとして生かすやり方を講じます。

値入れ計算の精度が必要とされるところです。

4.切身の大きさ

尾をトリミングして切るわけですが、その最初に切る切身と最後に切る切身は気持ち大きめに切ります。

グラム数を同じで切るのではないというのはここのことです。

尾の処理

まず、尾は商品価値が低いと考えます。

客さんの立場からいえば脂も少なく美味しくないから買いたくない切身になります。

なので少し大きめに切ってボリューム感を出して商品価値を少しでも威上げるのです。

頭の方(最後の切身)の処理

次に切身をしていって最後の一切れは腹の大きく空いた部分になります。

いってみれば空洞が大きい部分で可食部分が少ないわけです。

ここも商品価値が一つ低いと考えるので大きめに見せることで商品価値を上げます。

切身の真ん中の処理

切身を買おうとする人からすると切身の真ん中の方を買いたいわけです。

上2つの処理をしないと真ん中だけ売れて端っこが売れ残るわけです。

だから上記の処理のように端っこの切身に色をつけるというかメリットを出すのです。

5.2切目、3切目が一番技術がいる

ブリの切身

一般的指導としては上記のような端っこの処理で止まります。

端っこを大きくしろまでは教えてくれるのです。

ただ、問題なのは2切目、3切目なのです。

ここを意識して切らないと貧弱な下手くそな切身になるのです。

なので私としてはこの2切目、3切目をチェックするのです。

そして貧弱になっていたらここも大きめに切るように指導するのです。

同時に包丁のハスの掛け方すなわち包丁をねかす角度もチェックします。

6.ブリ・サバは開店ギリギリに切る

ブリの小切れ

そもそも攻める鮮魚理論では始業してすぐ青魚を切身にするような愚かなことはさせません。

鮮度にこだわると魚屋ではよく言われるのですが、色の変わりやすい青魚を開店の2時間3時間前に切る仕組みにしておいて本当に鮮度にこだわるといっていいのでしょうか。

自分達の作業効率だけを優先して青魚の切身を早々に作るなんてことは非常にナンセンスです。

例えば10時開店の店ならサバの切身は9時以降に切るべきですし、なんなら開店してから切らせるべきです。

ブリの切身も同じです。

全国のスーパーの鮮魚で少なくとも8時前にブリの切身を切っている店があるとすればそれはダメな魚屋です。

どんなに売れている店でも、どんなに人が少なくても、どんなに他にやることがあるといっても青魚の切身は後ろの方、開店の1時間前ほどに持ってくるべきです。

それができない店は口が裂けても鮮度にこだわるといってはいけないでしょう。

ここは絶対妥協してはいけないところです。

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7.アラは値入れ計算に入れない

養殖ブリのアラ

アラを値入れ計算に入れないということです。

いやいやそんなでは切身の値段が高くなるといわれるかもしれません。

でも攻める鮮魚理論でいうと入れるべきでありません。

なぜならアラは売場に出して30分で売れる値段をつけるようにしたいからです。

つまりアラに利益を期待するのでなく早く売り切ってしまうことに重きを置きたいのです。

結果的に利益が残ればいいわけです。

アラに大きな期待をしないというのが基本的な考え方です。

そうしないといつまでも売れないアラだらけの売場になって大事な身を売る場所がなくなってしまいます。

これが切身を量販する店のやり方です。

ただ例外がないわけではなく魚が高く高額の切身になるときはアラを値入れ計算に入れる場合があります。

その時はアラもたくさん出ない前提です。

切身の基礎

上記7ポイント以外にちょっとした小技を紹介します。

意外とこちらも基礎的な部分があったりして役に立つように思います。

背が上で切る魚と身を上にして切る魚

銀鮭などの冷凍魚を切るときは背を上に向けて切ります。

塩鮭フィレもそうです。

その逆に生秋鮭やブリなどの柔らかいチルド魚は身を上に向けて切ります。

冷凍魚など固い魚は背を上、生フィレなど柔らかい魚は身を上にして切る

これは基本中の基本ですね。

包丁は立てて引く

切身をするのに包丁を入れるときは最後包丁を立てて引くんでしたね。

これは切り口をキレイに見せるためのコツです。

このとききれない包丁を使っていると切り口がガタガタになります。

切身の切り口を見ればその店の管理レベルがすぐにわかるのはこの点からです。

冷凍魚が硬くて切れないとき

冷凍魚が硬くて包丁が入らないときがあります。

その時は包丁を水で濡らすと包丁が入りやすいものです。

試しにやってみてください。

切身は2切、3切が基本

切身は2切、3切が基本なのはみなさんご存知ですね。

2、3の組み合わせならどんな家族構成の方にも対応できるからです。

売れ方によって3切を多くする場合、2切を多くする場合あります。

ちなみに盛り付けるときは3切から盛り付けます。

多い切身から抜いていくんですね。

そして3切を真ん中の形のいい切身にするというのは切身を売れるようにするちょっとしたコツです。

もちろん3切に尾は入れません。

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まとめ

荒牧酒の輪切り

今回は切身の基礎的な部分の考え方について紹介しました。

ここからステップアップしていくのですがまずはこの基本的な考え方が理解できないと売れる魚屋になっていきません。

なので、しっかりと上記の7つの内容を理解してください。

わからないことあれば公式LINEでお問い合わせください。

魚の切身の切り方マスターしたい方はぜひ次のステップも楽しみにしていてください。

<終わり>

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リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属