令和になってから鮮魚対面を作る店が増えてきました。
やっぱり地方では魚が評判でないと店が繁盛しないということを周知されてきたんでしょうか。
この「さかなのさ」でも言い続けてきたことなのでその流れはウェルカムといったところです。
まあ、昔から魚屋のトレンドは流行っては廃れての繰り返しなので対面販売についてもたまたまその周期になっているだけなのかもしれません。
温故知新ではないですが何気に新しいブームのように見えて実は昔もやっていたということあるものです。
基本はいつの時代も変わらないといった人がいましたが、まさにその通りだと思います。
今回対面に必要な調理技術という具体的事例を検証しながら、実際に成功している対面売場というものがどんな風に運営されているかみてみましょう。
目次
対面販売は魚屋の本質
やっぱり魚屋対面に並べられた魚を選んで買うという売り方が基本だと思います。
バラ売りの利便性もさることながら魚屋のワクワク感、期待感をもたすことができる点非常に有用なのです。
もちろん、魚がパックされたり包装されていた方がお客さんは持って行きやすいんじゃないというのもわかります。取りやすさというのは確かに大事です。
しかしながらよくよく考えると対面販売って合理的で、今の時代にあったな売り方なんですね。
というのも、包装資材自体にコストがかかってそれが魚価にのってその分高くなっているわけです。また使い終わったトレイなんかも捨てるのに苦労されていますね。
対面販売であれば残紙にくるんでビニール袋に入れればそれだけで済むわけです。
その分魚も安くできるし、ゴミも減らせるわけです・
環境に非常に優しい売り方なんだと思います。
これからは可能な限りゴミを出さないシンプルなライフスタイルが求められる時代だと思います。
そんなときに2021年7月トレイを使わないスーパーが登場しました!
「ゼロウェイスト 斗々屋京都本店」
新しい仕組みづくりを始めようとされているスーパーなので名前だけでも覚えておいてください。
実際売場を全部パックにすると月間のトレイ代もすごいことになります。ちょっとキレイに見えるトレイにしようものなら更に高く着きます。
リッキーも経験しましたが小洒落た新店を作るときにトレイもこだわっていいものにすると最終的に利益が吹っ飛んで残らないということもあるわけです。
できるだけ資材を使わない方がお店にとってもメリットがあるわけです。
対面販売が見直されて当然だと思います。
対面販売でなにを売るか?
ここは以前にも記事を書いているので割愛しますが、
基本売れる魚を売れらないと意味がないでしょう。
しかしながら実際はそうではないようです。
というのも手間がかかるところなので対面に高級魚を飾りで置いたりして取り繕ったりするところが多いからです。それを後でか次の日か刺身にしようという感じなのかな。
意気揚々として対面売場を作ったのはいいがうまくいかせないといったことがよくあります。
ここのところはこちらの記事を参考にしてみてください。
>>鮮魚対面を極める!令和の時代の鮮魚売場の作り方 小売りのプロが解説!
いずれにしてもその店の顔になる対面売場には鮮度のいい近海魚を置いてしっかり売らないと店全体のイメージが良くなりません。海に近い地方の魚屋では絶対的な条件になります。
鮮魚対面で必要な調理技術
鮮魚対面をうまく回転させられるようになると、今度は調理をする人の技量の問題ができてきます。
というのは、対面販売が人気になり弾みがつくと捌く魚の量が半端でなくなるからです。
アジやサバの三枚おろしはもちろんのこと、鯛などの白身魚の刺身用皮むきなどもしないといけません。
どの魚をどこまで調理するかはそのお店次第かもしれませんが、攻める鮮魚売場を作るならほとんどの調理をするべきです。
となると調理技術のレベルがそれなりなものが要求されます。
普通のスーパーマーケットなどはこの辺であきらめるのだと思います。
無理せず、簡単な調理だけにしようということで。
それも無理はないかと思います。
しかしながら、それを乗り越えると年商20億のお店作りが可能になるわけです。
地方の小さい店が大手GMS、中堅SMを駆逐するのです。
しかも最低15年は右肩上がりになるわけです。
それだけ対面販売の威力は大きいということです。
商売の醍醐味と言えるでしょう。
海から遠くない地方のSMなら絶対売れる対面売場を構築すべきです。
では対面売場に立つには具体的にどこまで調理技術が必要なのでしょう?
もちろん、三枚おろしやお腹出しはしなければなりません。
基本店で売っている魚も一通り調理しなければならないでしょう。
地域的にそのまま丸のまま持っていってくれるようなところはそれはそれで楽ですが、今時はやはり調理しないと売りにくいと思います。
で、一人で対面に立つにはどこまで調理できる必要があるかというと、
ヒラメを5分以内に刺身用皮むきまでできる
ところまでできる必要があるでしょう。
ベテランならは3分あればおろせますね。
そばにできる人がいるのであればそこまでできないくてもいいですが、単独で対面売場に立つような場合はこの基準が必要です。
この基準が満たされて初めて単独で対面売場に立てるわけです。
どうでしょう。ヒラメはおそらくおろしにくさで言えばトップクラスです。
逆に言えば、ヒラメがおろせるなら魚屋としてはまずは一人前と言っていいでしょう。
もちろん、ガチャガチャはダメですよ。
それなりに丁寧におろせればいいです。
スピードも大事で5分でおろすとなると三枚おろしでおろせるようにしておいたほうがいいでしょう。
五枚おろしでもいいですが時間かかりますね。
2kgくらいまでなら三枚おろしで縁側しっかりつけておろせると思います。
ここが攻める鮮魚対面売場の肝のところです。
ヒラメがおろせるということは他の白身魚もおろせているという判断になります。
未だかつて人件費を削って鮮魚強化できたお店は一つもない!
最近では各企業もそこまで求めないのかもしれません。
そこまで育つまで時間をかけようとしないからです。
ただ、本気で魚を強化しようとするときは対面販売は必須ですし、調理技術も一定のレベルそなわった人材が必要です。
言い方を変えると鮮魚をここまで強化すればどんな競合が来てもビクともしない盤石な体制を作れるということです。
いつもいってますが、中途半端に人件費も抑えて魚を強化しようとするのが一番最悪です。
鮮魚強化というのは人件費というコストをしっかりかけなければできないことだからです。
これは今までの歴史から明らかなのです。
二兎おうものは一頭も得ずです。
しっかり強化できなのであれば、徹底してローコストで運営するべきでしょう。
最後に
鮮魚対面の話になると熱くなってしまいますね。
とはいえ対面は双刃の剣城でもあります。
店全体のイメージを上げてくれることもあれば下げてしまう場合もあります。
やるなら徹底してやればいいし、やらないなら徹底してやらなければいいんですよね。
ただ北陸に限ってかもしれませんが鮮魚で繁盛しているのはやっぱり対面でしっかり売っているところだし、対面がない魚屋が繁盛しているって話を聞いたことないところを見るとやはり本格的に鮮魚を強化するときには対面売場がカギになるんでしょうね。
<終わり>
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