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現役鮮魚バイヤーが語る【禁句】市場で絶対言ってはいけない一言がコレ!

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鮮魚バイヤーをやって30年近くになります。

その間魚市場でいろいろな経験をしてきました。

今回はその経験の中でつくづく思うところをあえて紹介したいと思います。

鮮魚の仕入れに悩んでいる人に参考になれば幸いです。

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魚の買い付けは高度な経験値が必要とされる

当然のことですが魚の買い付けというのは経験値が必要とされ非常に難しいと思います。

魚ごとに形も大きさも違うからです。

産地でも評価が変わります。

さらに脂のノリという外見では区別しにくい状態まで判断しないといけないのです。

もちろん慣れれば簡単なのですがそこに至るまでに数多くの失敗をすることになります。

私自身も売り物にならないような魚を買い付けたり、必要以上に魚を買いすぎて途方に暮れるとようなことが何度もありました。

そういう失敗を繰り返して達人の域に達するのです。※自分はまだまだですが…。

だから鮮魚のバイヤー、買付担当というのは年配者が多いわけです。

セリ人や仲買の人の市場の重鎮的な人でも年齢層が高いのはやはり高い経験値が必要となるからです。

ただ大事なことはその時の判断の中で最良のものを選ぶことです。

それしかありません。

全ての知識や経験、さらには感覚まで総動員してこれはと思うものを自信を持って買い付けるしかないのです。

もちろん後から反省することはありますがその時の判断で最良だと思えば買うしかないのです。

その意味で反省はしても後悔はする必要ないと思っています。

結局は人次第

で、つくづく思うのは魚の良し悪しは人次第ということです。

これについては以前も記事を書いています。

>>鮮魚の仕入れは人で買え!【買付の極意】多魚種大量仕入れを瞬時にこなす方法はコレ!〜さかなのさ

要は買い付けする魚をすべて見ることはできないので、売り人の力量や人間性に依存する部分が相当多いということです。

だから信用できる人と取引するというのが理想になります。

もちろんいろんな人と付き合いせざるを得ないこともあるでしょう。

結局は付き合う相手次第なのです。

信頼関係を構築できる人と付き合っていくしかなわけです。

市場関わる人は個性は揃いの理由

付き合うといっても市場の人というのはとかく個性的な人が多いです。

なぜ個性的な人が多いかというと市場がその地域の主力魚を独占しているからです。

魚を独占していてある意味優越的な立場にあるので悪くいえば好き勝手いえるわけです。

ここはもう少し説明がいりますね。

島国日本では各地域に主要な魚がいます。

その地方地域でしか取れない魚というものが結構います。

例えば、シロエビやサクラエビという海老がいます。

シロエビは富山、サクラエビは静岡というようにその地域でないと獲れないのです。

もちろん近隣の県でも取れるかもしれませんがメインはそれぞれ県というようにほぼその漁業権をその県の市場が握っているのです。

もし県外の人がほしいと思ってもその市場を通じて買うしかないのです。

場外流通が増えていると言ってもメインはやはり市場なのです。

それが昔から市場の既得権益にもなっているということです。

鮮魚だけでなくカニ、イカ、エビ、各貝類、牡蠣やなまこなどもその地域でしかとれないまたはその地域が主要な産地ということで、そこの市場が事実上独占的に管理している状態になっているのです。

なので市場の人は強気なのです。

また自分のところで獲れるものは自分のところに住んでいる人に食べてほしいという想いが強くあります。

そんなことで県外や外部の人から見ると閉鎖的にも見えるわけです。

市場の人との付き合い方

なのでリッキーも市場の人には一定程度気を使いながら買い付けをしています。

とはいえこれは別にヘイコラ下手に出ろと言っているわけではありません。

我々もプライドを持って買い付けしているのでその意味では対等でいいと思います。

店舗数やネームバリューではありません。

ただその土地にしかない魚を扱っているという意味の敬意を払うことも必要ではないかと思うわけです。

この辺は自店の志向や営業方針もあるので一概にとはいえませんが多かれ少なかれ謙虚な態度で臨むべきだと思います。

市場の人にいってはいけない一言

で、本題に入りますが、私の経験上市場で言ってはいけない言葉があると思っています。

それは、

安い魚ないの?

という言葉です。

会社から利益を上げろと言われたりしているのでついつい出てしまいがちな言葉だと思います。

特に経験の浅い若いバイヤーは本音そのままに、

安くしてよ!

などと言い放ったりすることがあります。

私に言わせれば市場でこの言葉は絶対に言ってはいけない言葉だと思っています。

気持ちはわかります。

みんなそういう気持ちがあるのも知っています。

ただ、その言葉を発するとどうなるか目に見えて明らかなので言わないほうがいいと思っています。

安い魚をくれくれと言うとどうなるでしょうか?

鮮度の悪いか傷モノの魚しかあたらなくなります。

これはほぼ100%そうなります。

というのも魚には相場というものがあり相手も常に損するわけにいかないからです。

たまにならともかく継続的に相場以下で安く出してくれと言われても絶対無理なのです。

いつも顔見るたび安いのないかないかと言っていたらどうでしょう。

もし常に相場より安い値段を求められたら、それはいわく付きのものを出すしかないということになります。

それが上得意さんだとしてもです。

特に駆け出しのころはこの理屈を理解していない人が多いのです。

そもそも荷受けや仲買などは取引先ごとに売り渡す魚のレベルを設定しているものです。

この魚はこのお客さんには出せないとかこのお客さんならこのレベルでいいとかあらかじめ算段しています。

大衆魚でも太物でもそうです。

安いものしか言わないバイヤーは正規品でなくB級品やっておけばいいとなるのです。

当然のことです。

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ではどうしたらいい魚を安く買い付けできるか

では安く買いたい場合はどうしたらいいのでしょうか?

これは急がば回れです。

値段をいわずに黙って言われた値段買うのです。

安くしてと言おうが言うまいが結果は同じです。

であるならあえて安くと言わないことです。

そしてこの人なら信頼できると思う人に注文を集中するのです。

その人に注文を集中して売り上げをしっかりつくってあげるのです。

先に相手に儲けてもらうのです。

そうすればしばらくしたら向こうから値段を下げましょうかと言ってくるはずです。

こちらが何もいわなくてもです。

市場の人もメリットあるお客さんは絶対に離しません。

自分から離れないように色々手を打ってくるものです。

そうすると自分から安くしてと言わなくても相手が勝手に判断して安くしてくれるのです。

そうなればこっちのものです。

この関係を構築することが非常に大事なのです。

「急がば回れ」とはそういう意味なのです。

悪い魚が納品された場合の対応

もし仮に悪い魚が納品された場合も対応の仕方でこの後の関係が違ってきます。

すぐに連絡して自分達はこんなレベルの魚では満足できないと訴えるです。

ウチはこんなレベルの魚扱いたくない強く言うのです。

時に突き返すことがあってもいいです。

とにかく鮮度を大事にするという態度をしっかり示すのです。

で、それを継続するのです。

そうするとシケなどでちょっと鮮度が落ちる魚しかないような場合でもなにも言わなくても値段さげてくれたりします。

市場の人は値段を優先にする人より鮮度を優先する人を大事にします。

これも結果的に魚を安く買うコツになります。

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まとめ

いかがでしたか?

見ているとわかりますがベテランほど値段のことは言わないものです。

逆にいう人の店はいつまで経ってもパッとせずバタバタの魚しかおいてません。

結局店づくりもそうなってしまうのです。

値段が合わなければ買わなければいいだけです。

安くしてくれと言うのがどれだけマイナスになるかということです。

結局安くしてという言葉は自分だけ得したいと言っているようなものなのです。

どんな商売でもいえるのでしょうが相手のことを考えずに自分だけメリットを得ようとすれば誰も相手にしてくれなくなるでしょう。

目先の利益に惑わされずに大局をしっかり見ていける力量を磨きたいものです。

それが長く商いを続けられるポイントだと思います。

<終わり>

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リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属