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トビウオ【夏旬魚】捌くのに最も手間がかかる魚屋泣かせの魚

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6月頃になるとトビウオの入荷が増えてきます。

アゴとも呼ばれ加工品としても需要が高いですがここでは生鮮魚としてみていくことにします。

身は淡白な白身魚です。

お店の立場でいうとこのトビウオ作業行程が最も多い魚になるのでなかなか手間がかかる魚の一つといえます。

ただ、安くて儲かるということでそれなりに必死におろしたりするわけです。

基本的にフライや塩焼き用として需要が高いお魚です。

リッキー

たくさん売りたいときは三枚おろしにしないといけないかな。

お刺身もおいしいですが難点は身に特有の寄生虫がいる点です。

時期や地域によってということですがこの辺も含めて解説してみたいと思います。

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トビウオの基本情報

分類 ダツ目トビウオ科ハマトビウオ属                
名称トビウオ
別名・地方名アゴ
英語名Japanese flyingfish
学名Cypselurus agoo (Temminck and Schlegel, 1846)
分布海水魚
主な漁法刺網漁、巻網漁、定置網漁
備考・トビウオの種類がたくさんあり、正直よくわからない
・販売する上では角トビ、丸トビで区別できればよい
・あご出汁はとび煮干しからとった出汁のこと
・卵も加工され「とびっ子」として子供に人気。

トビウオはどんな魚?

長い羽根が特徴で、実際敵にお掛けられる時には海面を飛んで逃げる魚です。

実際にその姿を見たらカッコイイでしょうね!

食用になるトビウオはハマトビウオ、ツクシトビウオ、マルトビウオ、トビウオの四種類。

ただ流通上は全てトビウオとされてはっきり区別されない。

刺身用は角トビ、フライ用は丸トビというくらい認識しかない。

ハマトビウオが大型で頭が角ばっているので角トビと呼ばれる。

ツクシトビウオ、マルトビウオは丸トビになると思われます。

トビウオのおいしい食べ方は?

まず刺身がおいしいです。

ただ角トビしか刺身にしません。というかしない方がいいでしょう。

丸トビも初夏の早い時期には刺身にすることもありますが暑くなるにつれて寄生虫の数が増えるので基本加熱用三枚おろしにします。

まあ、加熱すれば寄生虫がいても問題はないということですが感覚的にはちょっと引いてしまいそうな話です。

ただ、昔からそうやって食べてきたこともあるのでそこは不問に伏したいと思います。

それを言ったら魚だけでなく肉野菜についても全て食べれなくなってしまいますので。

とはいえ、トビウオのフライはおいしいものです。

あとは塩焼きや加工して出汁にして食べられることが多いと思います。

くさやの原料

トビウオといえば思い出すのが「くさや」という人も多いかもしれません。

トビウオは八丈島・新島の名物「くさや」の原料でもあります。

匂いが強烈なので有名ですが焼くと本当においしいと思いました。

参考までにネット商品を載せておきます。

トビウオの卵はとびっ子に

トビウオの卵は生珍味などの加工品でよく使われます。

代表的なものがとびっ子で回転寿司やお魚屋さんのお寿司で人気です。

こちらも参考までに紹介しておきます。

メーカーでいうとカネ徳さんが有名です。

どうやって買う?

6月に入るとお店にトビウオの三枚おろしが並びます。

丸の状態でパックされる店もあると思います。

地域によっては朝どれで入荷したりします。

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どうやって売る?

仕入値は非常に安い魚です。

k500円以下でしょう。それ以上の時は仕入れないことです。

あとは頑張って三枚おろしできるかにかかります。

丸物で売ってもいいですが結局動きにくいので加工した方がよいかもしれません。

刺身にするのは春先の角トビです。

丸トビが安いからといって皮を剥いて刺身用にしようと思っても寄生虫がいて結局使えないということになるので暑くなったらもう加熱用として割り切りましょう。

トビウオの寄生虫 ディディモゾイド類吸虫

この魚の難点は黄色い寄生虫が身に入る個体がある点かな。

上の写真のような黄色虫が結構な頻度で入ります。

特に夏場の丸トビに多いです。

ほぼ100%に近い確率で入ると思っているので真夏にはあまり売りたくありません。

5、6月の早い時期は少ないようです。

三枚おろしにした時点で判断できます。

身の内側にもいますが、皮を剥いたところの方が結構いるような気がします。

三枚おろしにして大丈夫と思っても皮をひくとこんな感じになります。

皮目全体に黄色くなっているところが寄生虫です。

こうなるともう使いようがないので廃棄にします。

これはディディモゾイド吸虫という寄生虫で人体に影響があまりない寄生虫と言われています。

袋状になって潜んでいて生きているときは黄色で死ぬと黒くなるようです。

詳しくは>>ディディモゾイド類吸虫 食品衛生の窓口 東京都福祉保健局

カツオ、カジキ、トビウオに多い寄生虫ということです。

確かにかじきの腹のところに袋状のオレンジ色のを見ることがありますがあの仲間の寄生虫の仲間なんですね。

結構知らず知らずのうちにたべているかもしれません。

お店の取り扱いとしてもこの虫がいたらフライや塩焼きなどの加熱にまわすということもする店があるようです。

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最後に

トビウオは魚価も安く正直利益商材です。

ただ、加工する手順が魚の中でも最も多い部類ともいえます。

それだけ手間がかかるということです。

加工に回せる人的余裕がないと利益どころでなくなるでしょう。

ちょうど入荷増える時期は魚も少なくなる時期なのでそのくらいの余裕は捻出したいものです。

あとは寄生虫の扱いですか。

6月初旬くらいまでとしておいた方が良さそうです。

刺身も鹿児島とか九州方面の角とび(ハマとび)だけにした方がよさそうです。

参考サイト ぼうずコンニャク市場魚貝類図鑑

<終わり>

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リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属