近所のスーパーマーケットでお刺身を買っておいしくなかったという経験ありませんか?
子供に食べさせてもなぜか手をつけてくれないという経験ありませんか?
魚の鮮度がいいという地元のお店なら大丈夫なんだけど、どうしても全国チェーン店の大きなスーパーマーケットで買ったお刺身がおいしくないと思ったりしたことはないでしょうか?
今回はなぜそんなことになるのか、スーパー、魚屋さんの隅から隅まで知っているリッキーがわかりやすく解説してみたいと思います。
※この記事は特定のお店の糾弾を目的とするものではありません。あくまでの消費者の皆さんが嫌な思いされないために美味しいお刺身の選び方をご案内するものです。この点ご理解ください。
目次
理由は簡単
理由は至って簡単です。
古い魚を刺身にするからです。
数日前に下ろした魚を刺身にするからです。
え〜っ! なにそれ〜!って感じですね。
大手のスーパーがそんなことするんだろうか?
いまどきのスーパーがそんな変なことしますでしょうか?
と疑問に思ってしまいます。
でもみなさんもウスウス勘づいていたのではないでしょうか。
全国チェーンのお店の刺身がおいしくないことを。
これには大手スーパーならではの問題があるのです。
たくさんの魚を捌くには当日朝からおろしていては間に合わない
スーパーマーケットの魚屋さんの朝は早いです。
朝仕入れた魚を仕分けしたり、魚を盛り付けしたり、パックしたり、値段をつけたり、売場に並べたりたくさんの作業が必要になります。それを朝早くから出社してやるのです。
それにプラスしてレジに登録した商品の値段変更やPOP(値段表示)作成など裏の作業もたくさんあります。
売れるお店ともなると扱う魚の量や種類も想像以上に多いものです。
しかも刺身にするまで無数の作業が発生します。
結果、朝仕入れたものを当日刺身にできないということになります。
正確にいうとやりきれないのです。
ここでまずスーパーマーケットでは鮮度の妥協が生じます。
事前におろしたり皮をひいたり準備した刺身を使わなければならないからです。
確かに魚の種類も量も少ない小さいお店だと扱うのは2、3尾なのですぐできると思います。
少しの量であるなら朝から丸物を下ろして刺身を作るという形も可能です。
実際そうやって小さい魚屋さん刺身を作るのでとても鮮度がいいということがあるわけです。
しかしスーパーや量販店などは朝からそういった作業ができないのです。
刺身の準備は前日にする
そうすると考えるのが刺身になる過程の一部を前日の夕方にやろうという選択をするのです。
長年魚を扱うプロの目から見て前日に処理するのであればまず鮮度の問題はないと思います。
実際ほとんどのお店ではこういった処理がされています。
鮮度のいいものを使うところであれば逆に熟成して美味しくなるということもよくあります。
評判の寿司屋や割烹などでも前日処理は当然あるわけです。
前日に処理したからといってそれ自体は悪いことではなく、それで魚が生臭くなるというわけでありません。
鮮度に大きく影響しない事前準備というのは絶対ダメというわけではないのです。
前日に準備した刺身が全てまずいということはないです。
問題はそれ以上経ったものを刺身にするから!
実は前日おろした刺身を使い切れないということがあります。
各会社でおろした魚の使用期限というのがあるはずです。
その使い残した魚をもう1日使うことが許されている場合も結構多いと思います。
特に白身魚などはおろしてから2日日くらいは認められているところがあります。
そういう消費期限ギリギリのものを使うときが生臭いお刺身となり得るのです。
要は売れてない店はそういう刺身の割合が増えるわけです。
回転の良い店は途中でなくなってさらに新しいのをおろして使うという感じになります。
もちろん次の日で使い切るようにすればいいのでしょうがその辺の調整がうまくいかないことがあり得ます。
経験というかセンスの問題にもなるかもしれませんがもありますがそういう在庫管理がうまくない人も多いです。
ルールに従った形でもそういうことがあり得るのです。
これが刺身が美味しくないと言われる一つの原因なのです
大手はセンターで一日留まる
大手スーパーの構造的な問題があります。
複数店舗を持つ大手は必ず集配センターを持っています。
市場に併設されていたりもします。
市場で競り落とされた魚もそのセンターへ各店へ配分されるのですが競りが遅い時などは翌日まわしになったりします。
持つ魚ならいいですが甘エビやスルメイカなど色の変わる魚まで留めたりすることがあります。
最初はちゃんとやるのですがそのうち留め留めだらけになるのです。
これが大手スーパーの悪いところです。
特売なんかあると2、3日も集めたりします。
ここまでくると渋滞です。
店に行った時点で鮮度が悪いわけです。
これはどこの大手も似たようなものです。
だから魚は小さい店の方が負けない鮮度がいいと言えるのです。
構造的な問題を解決しない限り鮮度の改善はできないでしょう。
おそらく大手はできないと思いますが。
もう一つはもともと鮮度悪い魚を使う場合。
もう一つ原因があります。
しかもこれこそがおいしくない刺身を生む原因になるところです。
よくあるのが生魚が売れない店などが鮮度の落ちた魚を刺身に回してそれを翌日の刺身使う場合。
結構こうお店あります。
店に入荷した時点で鮮度落ちているということもあり得ます。
鮮度の基準は各社ルールがあるにしてもグレーゾーンもあるわけです。
鮮度が悪いとわかってなんでするかということなんですが、刺身にしないとロスが出て担当者の成績が悪くなるのです。
そうすると無理をして刺身にしてしまうのです。
大手スーパーマーケットなどに多いです。
もちろん鮮度の判断ができない場合もあります。
最近多いのですが経験の少ない人を責任者にしている大手のスーパーマーケットなどはこういったケースが多いです。
いずれにせよ生魚売れてないような店ではやっぱり刺身の鮮度も良くないということになります。
大体これでスーパーの刺身が美味しくない原因というものがわかりました。
ただ、もう一つ深掘りしてみたいと思います。
なんで大手スーパーマーケットの刺身が美味しくないのかという点です。
ちなみに鮮度を客観的科学的に判断できる指標があります。
現場で使うことはないですが予備知識として持っておきましょう。
詳しくは下記の記事で。
結論 結局刺身がおいしくないお店というのは…
結局刺身がおいしくないお店というのは自分たちの効率や保身ばかり考えて、お客さんが求めることに真摯に向き合ってないところなんですね。
視点がお客さんでなく組織の上の方に行っているところなのです。
地方のローカルスーパーマーケットや鮮魚店が大手に勝てる理由
今述べたように魚に関しては決して大手だから勝てるというわけではないと思います。
美味しさを二の次にしているわけだからお客さんに選ばれませんよと言いたいです。
魚の世界だけは大手スーパーよりも地元の小さいスーパーや魚屋さんが勝てるチャンスがあるのです。
>>小さな魚屋が大手スーパーマーケットに勝つ方法 〜さかなのさ
お客さんにとってみれば大手スーパーよりも地元のスーパーマーケットで魚が売れてる店の方が刺身美味しくてオススメですよということです。
小さなローカルスーパーマーケットや鮮魚店は地物の天然魚をどんどん使って鮮度を吟味しながら美味しいお刺身をしっかり作ってチャレンジしてください。
ただし毎日あるかというとそうではないでしょうが。
きっちりやっていけば安売りをしなくても大手に勝てるはずです。
新鮮な魚を使ってこんなヒラ造りのお刺身作りませんか!











せっかく買ったお刺身が生臭いと感じたらこれがこんなやり方でリカバリもできますよ!
良かったら参考にしてみてください。
最後に
魚はやっぱり地方がおもしろいです。
地方には地元の人たちに支持された鮮魚店やスーパーマーケットが必ずあるはずです。
地物もたくさん取り扱っていて、刺身の鮮度もいいというお店があるはずです。
そういうお店を見逃さないようにしたいですね。
この「さかなのさ」でもそういったお店をどんどん紹介していきたいです。
みなさんのお刺身ライフを充実させてくれるお店。
いくと目新しい魚介類が置いてあってワクワクさせてくれるようなお店
そんなお店を育てていきたいですね。
まずは、リッキーの地元の石川県内でおすすめのお店2店舗紹介しておきます。
もう一つ千葉県で有名なこの鮮魚店。実際にリッキーも行ってその売り方にビックリしたお店。まさに地元の人に愛される魚屋さんでした。
地元の人たちの信頼があるからずっと成り立っているんでしょうね。
まだまだおすすめの地方の鮮魚店あると思います。
全国各地の素敵な魚屋さん、鮮魚コーナー情報あったら教えてくださいね!
参考記事 自分でさばいて刺身にしたい北陸の魚7選 5月下旬編
<終わり>
せっかく買ったのに残念な思いをさせないでよ!って感じですね。