鮮魚バイヤーとして毎日市場へ行って魚を買付していると、いつもおいしいお刺身を食べているんでしょ!と思われている方も多いかもしれませんがそんなことはありません。
というのもちゃんとお皿にキレイに盛られる刺身はほとんど食べる機会がないからです。
確かに試食で食べることありますがそれはそれで義務的なので味わうまではいきません。
それでも今まで食べたお刺身の中で一番おいしかったものは?と聞かれたら即答で、
新鮮な
サバの刺身
と返答させていただいています!
もちろんおいしい刺身は他にもあると思います。
ただ毎日数多くの魚を扱う鮮魚小売りのプロとして言わせていただくとこの結論に落ち着きます。
今回はそもそも正しい答えはないとは思っていますが、この機会に本当に美味しいお刺身について考えてみたいと思います。
目次
本当に旨いと思う刺身はあまりない
自分が刺身を作ることを仕事にしているせいか、本当に旨いなと思える刺身に出会うことはあまりありません。
食べなれているといえばそれまでですが、対象が一般の人で平均的なおいしさというものを基準にしているからだと思っています。
プライベートで食べるのであればガッツリクセの強いものとか野生味あふれる刺身が印象に残るのだと思います。
しかしながら仕事で提供するときは万人受けするという基準で選定したり提供したりします。
売れるが前提ですから。
その土地で人気の刺身を優先することになります。
それが自分の嗜好と合うとは限らないので、仕事で食べる刺身に多くは期待しないということになります。
なのでおいしい刺身という場合も売れる人気の魚を前提とするのです。
一番旨い刺身がサバの理由
では、なぜ一番旨いと思った刺身がサバなんでしょうか?
それはたまたま食べたサバの刺身が脂ののった秋サバだったからではないかと思います。
みなさんもご存知サバの旬は秋ですね。
ウロコ雲が広がる頃のサバが煮ても焼いても美味しいというのはよく知られていることだと思います。
その秋のサバを刺身で食べたことがありました。
サバといえば今話題のアニサキス被害が多く発生するということで刺身、しめ鯖で食べる際は注意が必要な刺身といえます。
ところがそのサバの刺身を生で食べる機会があったのです。
どこかの料理屋さんだったと思います。
当時はアニサキス問題もあまり話題にならなかったおおらかな時代です。
食べた瞬間、これはなんと旨い刺身だと思いました。
口の中でサバの脂の甘みが広がると同時に赤身の奥深い味わいが鼻に抜けるような感覚で脳天にズシンと突き刺る衝撃を感じました。
今までで食べた刺身は比べ物にならないくらい旨い!!!と思ったのです。
しめ鯖で秋サバのおいしさはもちろん知っていたわけですが本当の生、刺身として食べる鯖のおいしさにテンション爆上がりのおいしさを実感したのです。
そんな経験もあって自分の中ではサバの刺身のおいしさに完全に魅了されてしまいました。
なので今までで一番おいしい刺身はと聞かれると、いつもサバの刺身と言っているのです。
ただ店売りができないのが残念なところです。
その他においしかった刺身というと何があるでしょうか?
静岡で食べた天然真鯛の刺身も忘れられない
白身魚の刺身もおいしいですが、普段印象に残るほどおいしいと思うことはないかもしれません。
しかしながらあの時食べたタイの刺身はメチャクチャうまかったなという記憶が残っています。
もう数十年前になるでしょうか。
自分が学生時代、お医者さんの学会の設営する会社で全国各地へ出張したりするアルバイトしていた頃の話です。
出張先の静岡で食べた天然真鯛の刺身が今でも印象に残っているくらいとてもおいしかったのです。
そのときの天然真鯛の刺身は確かヒラ造りだったと思います。
厚みのある刺身だっと思います。
スーパーなどではタイなど白身魚を刺身にする場合削ぎ切りにすることが多いです。
削ぎ切りは刺身を薄く切る時にする切り方ですが上品な切り方です。
それに対してヒラ造りは普通に切る切り方でどちらかというと厚みを見せたい刺身をするときに使われます。
ブリやカツオなどはこの切り方がおいしいと言われています。
で、その時の刺身は豪快に姿づくりで厚めにヒラ造りで切っていたので天然真鯛のおいしさが強烈に感じられたのです。
大きなタイでしかも活じめだったようにも思います。
その時にタイってこんなに旨いものか〜!とつくづく感じたのでした。
タイが本当においしいなと思ったのはその時一度切りだけです。
なので白身魚であってもタイあたりは厚めのヒラ造りで食べたい派です!
子供の頃食べたフクラギの刺身が旨いなと思った!
今思えば、新潟県の柏崎市に住んでいた私は子供の頃からよく刺身を食べていたかもしません。
日本海沿いの町ですからそんなもんですね。
母も浜育ちということで私が釣ってきたボラ(トド)を自分で刺身にして食べるくらいの勢いでした。
子供ながらにそこまではいけない、食べれないと引いて見ていました。
ある時その母が買ってきてくれたフクラギの刺身がメチャクチャおいしかったというのが記憶の片隅に残っています。
新潟ではフクラギのことをフクラゲといっていたように思います。
ブリの幼魚ですね。
ある時たまたま晩ご飯のおかず用に買ってきていたんだと思います。
もしかしたら脂がのっていたのかもしれません。
フクラギは個体ごとに差がかなりある魚です。
そのフクラギがあまりにおいしくてまた買ってきて欲しいと懇願したくらいです。
ただ、次に買ってきたものはそれほどでもなかくてガッカリしたことも覚えています。
あれはなんだったのでしょうか?
ただあの時食べたフクラギと同じくらいおいしいフクラギと後になってから出会えたのです!
それはフクラギを昆布〆にしたものを食べた時です。
あ〜ッ、これか!と思いました。
子供の頃食べたフクラギが昆布〆にされていたことはないと思いますが、脂ののり加減で昆布風味が感じられておいしいと思ったんだと思います。
似たようなおいしさだということを知り驚きました。
それ以来フクラギの昆布〆にハマったりもしました。
ちょっと刺身ではないですがこれもおいしかった!
純粋な刺身ではないですが、
ブリぬた
も相当おいしいものだと思いました。
食べた瞬間、こんなおいしいものがあるものかと思ったくらいです。
まず、緑色のタレに食欲をそそられますがそれ以上に葉ニンニクとの風味というものが刺身にこんなに合うものかと思いました。
「ぬた」にはなりますが、刺身の親戚と考えると究極のおいしさを兼ね備えていると思います。
詳しくはこちら↓を
>>ブリぬた(高知)【食味検証】実際作って食べてみたら驚きの結果が!
まとめ
とりあえず今回は3品種+1品種のおいしい刺身を紹介しました。
その中でもサバの刺身は最高においしいと思っています。
これは揺るがないものと確信しています。
まだまだおいしいお刺身はあるんでしょう。
というかまだ食べたことないおいしい刺身もたくさんあると思います。
その中でこういう選択をしてしまうのは僭越で申し訳ありませんが自分としてはやっぱりサバの刺身が最高位と結論づけさせていただきたいと思います。
みなさんがおいしいと思う刺身はなんでしょうか?
よかったら聞かせてくださいね。
第2弾、3弾も書きたくなりました。
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