3月頃から5月の ゴールデンウィークくらいまでこのアサリが旬になります。
朝食にアサリの味噌汁とか出てくると無性に嬉しくなるのは私だけでしょうか?
いい出汁がきいてネギでも入っていると本当に美味しいと思います。
また、お店でも二枚貝の中でも一番売れるのがこの貝です。
売上も結構な金額になるのでしっかり販売しないといけない大事な貝です。
今回はこのアサリについて思いつくところを紹介してみたいと思います。
アサリの基本情報
分類 | 二枚貝網マルスダレガイ科アサリ亜科アサリ属アサリ |
名称 | アサリ |
別名・地方名 | 浅利 |
英語名 | Japanese littleneck clam,Japanese cockle,Manila clam |
学名 | Ruditapes firippinarum(A.Adams&Reeve,1850) |
分布 | 浅くて塩分の少ない砂あるいは砂泥底に分布。 |
主な漁法 | 底曳漁 |
備考 | ・殻の模様は変化に富む ・生食には向かない |
アサリはどんな貝?
アサリというとゴールデンウィークに潮干狩りで獲れる貝というイメージが強いですね。
大変人気でおいしい貝ではありますが売る側の視点でみると取り扱いが非常に難しい貝です。
貝の中では生命力が一番弱い貝といえます。
ハマグリ、シジミに比べても環境の変化に弱い貝です。
日持ちもしないので取り扱いが難しい貝といえます。
死ぬと口が開くと言われますが、生ているものが口を少し開けている時もあるので音で見分けるのが一番確実です。
いくつかの貝を触ったときにカラカラと軽い音がすれば死んだものが混じっているということです。
この見分け方はあらゆる二枚貝に当てはまりますので覚えておくとよいでしょう。
また、一定の条件になると貝毒を出すことがあるので販売できなくなる時もあります。
貝毒がは発生したときは出荷時点でする検査に引っかかるので市場自体に入荷しません。
実際4月の終わり頃に発生することが多いようです。
アサリの貝毒については ↓ こちらを参照ください。
アサリなどの二枚貝類は、希に、海域に特定のプランクトンが特異的に増殖すると、そのプランクトンを摂食して毒を体内に蓄積することが知られています。
貝毒には麻痺性貝毒と下痢性貝毒の2種類があり、麻痺性貝毒では舌、口唇のしびれや運動失調、下痢性貝毒では下痢・腹痛等といった特有の症状が現れます。貝毒は調理などの加熱では消えません。
愛知県ホームページ水産科貝毒情報
あと、アサリの身抜きという加工品が売られています。アサリむき身ともいいます。
大きい目の粒だったりするので佃煮を作ったり、クラムチャウダーを作ったりするときに重宝します。
これは冷凍で流通しますがほぼ中国加工になります。
他の加工地は少ないと思いますのでこればかりは中国加工ものを使うしかないようです。
おいしい食べ方は?
アサリは日本ではお味噌汁にするのが一般的ですが世界各国で食べられているのでいろんな料理方法があります。
酒蒸し、佃煮、炊き込みご飯、深川丼、ボンゴレスパゲティ、クラムチャウダー、パエリアなど。
クラムチャウダーおいしいですね。
結構和洋いろんな料理に使えます。
最も料理方法の多い使い勝手のよい二枚貝といえます。
アサリの砂抜き
アサリは砂泥底に棲んでいたりするので砂抜きが必要です。
夏場は2〜3時間ほど、冬場は5〜8時間ほど3%ほどの塩水に浸しておく必要があります。
50度ほどのお湯につけると砂出しも早くできるという言い方もされます。
確かにアサリもそれだけ熱いとびっくりして砂を吐き出すということがあるようです。
また、アサリが再び砂を吸わないように下にザルをあてるといいと言われます。
砂出し済みと表示してあるものもありますがそれでもやっぱり家で再度砂出しをした方が無難なようです。
生き物なので工場で作られるものと同じように完全を期待するのは無理なようです。
アサリは水から茹でるのか?
これまたよく質問されるが、
アサリは水から茹でるの?それとも沸騰してからの方がいいのか?
ということです。
正直、諸説あって混乱しています。
しかし結局アサリは身も小さく殻もそんなに厚くないので長く火にかけると縮んで硬くなってしまいます。マイナス面が大きいと思います。
なので私はアサリは沸騰した中に入れてフワッと火を通したほうがいいと思っています。
ゆっくり茹でようが短時間で茹でようが出汁の出方はいうほど違わないと思ます。
海原雄山先生のような繊細な味の違いを見分けられる能力をお持ちな方なら別でしょうが、普通においしく食べる分には沸騰した湯に入れて作ればいいと思います。
ちなみにハマグリは殻も硬く身も大きいので水からゆっくり茹でてた方がいいと思います。
どうやって買う?
一年中売られています。ただ、先ほども話したように貝毒が発生すると市場に出ませんのでその間はお店でも売られないということになります。
旬の時期になるとどこの魚屋さんでも特売が入れたりします。
なので100gあたり98円(税込104円)くらいで販売されます。
品物がいいものは100gあたり200円(税込216円)前後になるでしょうか?
海水に入ったパックも鮮度よくていいですが賞味期限が短かったりして産地から近いところ以外では使い勝手が良くないかもしれません。
あと余談ですがホンビノスという別の貝を大あさりいって売っていた時期がありました。
現在は名称を正確に表示しないといけないのでホンビノスの名前で売っていると思います。
どうやって売る?
アサリは3、4月の稼ぎ頭なのでその時期はしっかり販売しましょう。
対面で海水を入れたバットでグラム売りをしたり皿盛りしたりすると爆発的に売れます。
手間はかかりますがイベント時などにやってみると効果抜群です。
一般的には水を抜いてパックで販売しますが劣化しやすいので次の日確認した方が良いでしょう。
パックするときは穴を開けないとすぐ死んでします。
とにかく鮮魚部門での商品クレームで一番多いのがこのアサリです。
できるだけ当日販売を心がけもし残るようならしっかり商品を確認して出すようにしてください。
めんどくさいですがそれをしないと信用が損なわれる結果になりかねません。
品質の悪いアサリ
とにかく鮮魚でいえば、商品のクレーム、お申し出のトップはアサリです。
それだけ弱いということです。
お客さんにしても、4月中旬くらいから夏の時期にアサリの購入は控えた方がいいです。
特にGW前後から以降は品質が不安定になりますのでくれぐれも注意しましょう。
その時期は取り扱いやめるのも一つの選択肢と言えるでしょう。
水が濁る
お店で入荷した時に写真のように水が濁っている場合があります。
このような箱のアサリはもうダメです。廃棄するしかないです。
貝が死んでいる
口が開いて閉じない貝ももうしんでいます。
見分け方は簡単です。みて判断するというより音を鳴らして見分けるます。
貝同士を手で持って揺さぶったとき軽い音がしたものは死んでいる貝です。
ガサガサっという感じです。
生きている貝の場合はコロコロと軽くない音がします。
音で区別する方法をマスターすべきです。
バクダン
死んでいるというわけではないですが貝の中に砂をたくさん持っているものがありそれが料理を台無しにすることがあります。アサリだけでなくシジミでもあります。
これは正直見た目でわかりにくいのでお店としてもこの手のクレームはどうしようもないところです。お詫びして返金するしかないところです。
お客さんとしては必ず砂抜きしてから使うようにしましょう。
買ったとしても必ず砂抜きをして状態を確認してからお鍋に入れるようにしましょう。
最後に
とにかく貝の中で最も弱い貝です。
取扱いに細心の注意が必要でしょう。
なので買うときもしっかり品物を見て買いましょう。
参考サイト ぼうずコンニャク市場魚貝類図鑑
<終わり>
朝食にアサリの味噌汁でるとその日一日元気でいられるような気がします!