>> まず読んでほしい記事はこちら

【正しい魚捌き方】アラを包丁で叩いてはダメな理由 労災発生企業必見!

【PR】本サイトのコンテンツはプロモーションを含んでいます。

魚を捌いて25年のリッキーです。

最近現場でよく見るのですが包丁を叩きつけて魚のアラを処理している人がいます。

正直違和感を覚えます。

包丁を使っていて包丁を叩きつけることはあるのでしょうか?

いろいろ考えを巡らせてみても、

包丁を叩きつけることはない

という結論に落ち着きます。

でもみんな叩いています。

おそらく魚の頭や骨を叩かずに処理できる方法があるのを知らないのだと思います。

しっかり教えていないのも問題だと思います。

そこで今回は正しい魚の捌き方というテーマでなぜ魚をアラを叩いてはダメなのか解説したいと思います。

魚捌きの初心者だけでなく中級者も参考になると思うので最後までご覧ください。

※ここでいうアラは魚捌いた後の頭や骨、内臓などを食べやすいように処理されたものを指します。

Sponsored Links

包丁を叩きつけてはいけない一番の理由

魚をアラを叩いて処理してはダメな理由は簡単です。

非常に危ない

からです。

まずこれが一番の理由です。

非情を通り越して極めて危ないといってもいいと思います。

包丁を叩くときに手を添えますね。

これが事故のもとなのです。

包丁やアラがズレて手を切ったり削いだり大怪我をしたりします。

実際これが原因の労災が多数報告されています。

もちろん包丁の刃の向いた方向に手を置いてはいけないというのは最初に習うと思います。

ところが包丁を叩きつけるときにズレないように手を添えたりします。

まさに包丁の刃の向いた方向に手を置いているわけです。

急いでいたり慌ててやっていると思わずブレたりして手を切ってしまうのです。

非常に危ないことをやっているのです。

包丁を叩きつけてはいけないもう一つの理由

包丁を叩きつけてはいけないもう一つの理由は、

まな板のダメージが大きく手間とコストが増える

からです。

これは長く魚を捌いていると結構痛手になります。

というのも魚屋のまな板は結構高価なものだから出来るだけへこませないように使いたいわけです。

ところが包丁で叩きつけるクセを持っている人だとワンシーズンでまな板が使えなくなります。

ひどい人になるとまな板がえぐられていることもあります。

丁寧に意識して使えば2、3年は持つはずです。

まな板の交換や削るための経費と手間も結構負担大きいものです。

そもそもまな板を乱暴に扱う人は同僚に嫌われます。

プロの仕事としても評価されないでしょう。

魚のアラを叩かずに処理する方法

では、魚のアラを叩かずに処理する方法はあるのでしょうか?

結論を先に言えば、

叩かずにアラを処理する方法はあります

やり方は次の2つです。

  • 包丁を振り下ろすのでなく包丁の背を叩く
  • 叩くのでなく弾(はじ)くです。

それぞれ簡単に解説します。

包丁の背を叩いて割る

包丁を振り下ろさなくても包丁の背を叩くことで処理できます。

例えば頭を割る方法です。

まず口先を落としてから包丁を入れて割ると思います。

切った断面に包丁を入れますがこのとき軟骨部分の柔らかいところがあります。

そこを見つけて包丁を少し入れそれから包丁の背を叩いて割るのが正しいやり方です。

その時、包丁は刃元の部分を使うようにしましょう。

軟骨の柔らかい部分を見つけ出すのがポイントです。

叩くのでなく弾(はじ)く

包丁を弾いて使うのが正しいやり方です。

これは骨を切るときに使います。

例えばブリやタラの大きいサイズは骨も結構大きくて頑丈です。

なので包丁を思い切って叩いて割った方がいいと思うのでしょうが違います。

包丁を持つ手にスナップを効かせてチョンと弾くのです。

まな板に付くかつかないところで包丁を戻すのです。

包丁の重みを利用して一瞬のインパクトで切るので十分切れます。

この使い方を覚えると処理速度も速くなるしまな板にも優しいのでぜひマスターしましょう。

ドシっと落とすのでなくチョンと弾くのがポイントです。

これは本格的な技術を習得している人がいないとなかなか教えてもらえない包丁さばきです。

Sponsored Links

アラを販売する重要性

そもそもアラ処理をしないところはここまで包丁の使い方を知らなくていいでしょう。

しかし海沿いにある産地に店舗があるのであれば魚のアラは戦略的に重要です。

アラ販売が重要な理由
  • 利益貢献度が非常に高い
  • 魚好きな人はまずアラを求める
  • 鮮度感が出る

一つずつ解説していきます。

アラ販売の利益貢献度の高さ

アラは利益貢献度が非常に高いです。

基本魚の値入れは正味で考えます。

身を売るときにアラは除いて計算するのが一般的です。

とするとアラは原価のない商品になるので利益貢献度が高まります。

意識の高いお店はアラを大事に販売しています。

下処理も丁寧にキレイにしっかり処理します。

逆に売れない店はアラをとりあえず出すくらいにしか考えないので適当に出しています。

適当に処理されたアラは結局売れないということになり負のスパイラルに入っていきます。

魚屋の繁盛店は大抵アラの売り方が上手です。だから売れていきます。

魚好きの人はアラを求める

魚好きの人はおいしいものを知っています。

そしてアラが一番おいしいということも知っています。

だから魚好きの人は魚屋さんに行くといつもおいしそうなアラがないか探します。

キレイに処理されたアラがあれば魚好きは必ず買っていきます。

アラが売れれば原価のないものが売れるわけなのでお店は儲けが出て繁盛していきます。

WIN×WINの関係になっていくわけです。

繁盛店で必ず安くキレイに処理されたアラが出ているのはそういう理由からです。

このようにアラは販売戦略上非常に重要なのです。

魚屋らしい鮮度感がでる

魚屋なので切身を売るのは当然だと思います。

普通の店はここで終わります。

ところが繁盛店は必ず魚のアラが安く売ります。

ときにはカートに乗せたまま販売されたりします。

そこに魚を加工して切身にしているというストーリーが見えてきます。

お客さんは処理されたアラを見ることで新鮮な魚を今ここで捌いて処理したというシーンを思い浮かべるのです。

アラが売場に出ていることがまさに売場の鮮度感UPするということです。

魚のアラは鮮度感を出す重要ツールということを理解しましょう!

アラ処理が必要な魚の種類

正しいアラを覚えたところで魚種別にアラの処理の仕方を見ていきましょう。

アラ処理が必要な魚は次の通りです。

アラ処理をよくする魚の種類
  • タイ
  • ブリ
  • タラ
  • その他

どれも旬があり時期によっては大量に処理が必要になります。

それぞれ処理の仕方に特徴があるので少し解説します。

タイ

タイのアラは魚屋において最も処理されている魚といえます。

ウロコも大きく、骨や頭が硬いのでアラ処理には非常に気を使います。

背ビレが硬くて大きいので処理する前に先に落とした方がいいでしょう。

このタイのアラ処理をしっかりしないと売れません。

このタイのアラ処理をするときも包丁で叩くことはありません。

タイは先に口先を落とすことはありません。

そのまま歯の間の包丁を入れて割っていきます。

軟骨を見つけるのがポイントでそこが見つかれば包丁の背を叩くことで容易に割れます。

片刃の包丁は自然に曲がっていくので意識しないと真っ二つに割れません。

ときに向きを逆にしたりして調整します。

頭のウロコをしっかり落とさないと売れないものです。

ブリ

ブリも10kg超えるとなかなか処理が大変です。

これを叩きつけて割る人がいます。

大変なのもわかりますがこれで怪我する人が多発しています。

必ず包丁の背を叩い割るクセをつけましょう。

ブリは口先というか鼻先を少し落としてから鼻の軟骨部分に包丁を入れて割っています。

もちろん包丁の背を叩いて割ります。

12kgくらいまではこれでいけます。

半分にした頭をさらに割ったりします。

10kg超えると値段的に三等分にするときがありますがオススメしません。

基本半分まででいいと思います。

包丁でできるのは半分までです。

それ以上はノコギリのようなものを使うようにしましょう。

現実はお客さんに言われるとして三等分にしているところが多いようですが無理しないことです。

タラ

タラはタイやブリに比べると骨も頭も柔らかい魚です。

なので包丁を叩きつけて処理する人が多いようです。

包丁を弾く技はまさにこのタラで活かせる技でしょう。

リズムよくトントンという感じで処理したいものです。

くれぐれも上から包丁を振り下ろすようなやり方は避けましょう。

その他の魚

スズキ、金目鯛はアラを売るのはオススメしません。

自分もこの2つの魚のアラは売場に出さないようにしています。

ウロコが細かく取りにくくいからです。

結局この魚のアラを煮付けてもウロコが舌に当たりおいしく感じません。

ご自宅で丁寧に取る自信がないようなら諦めた方がいいと思います。

シマアジやクロダイなどはよくアラ販売したりします。

Sponsored Links

最後に

とにかくアラ処理は包丁を使う中でも最も危険な作業といえます。

正しい手順でやらないと非常に痛い目を見ます。

被害も大きくなりがちです。

安全を優先に考えていきたいものです。

包丁を振り下ろして叩い割るということがなくなるように技術を更新していって欲しいです。

そのためにもなんで危険なのかを理解することが必要です。

とにかく硬いものは、

  • 包丁の背を叩い割る
  • 包丁を弾いて切る

この2つ技術を覚えてください。

今回の記事を読んでいただいてその危険性を理解してもらえたら幸いです。

<終わり>

トップページへ



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT US
リッキー
鮮魚アドバイザー・刺身インストラクター・現役水産バイヤー 30年間培った鮮魚の販売、加工、管理技術を初心者に向けてわかりやすく解説。 なかなか教えてくれない秘技裏技も惜しげもなく公開。 一般向けにはみんなが笑顔になるお刺身の作り方ご案内。 すべてが魚食好きの人のために!日夜リアル、WEBで奮闘しています。 有限会社西村研究室(水産コンサルタント事務所)所属