鮮魚の対面には季節折々のいろんな魚が並らびます。
刺身用に魚をおろすとしてどの魚が難しいでしょうか?
他の人はどの魚をおろすのが苦手でしょう?
初心者がおろすのに注意しないといけない魚はどれでしょうか?
調理のベテランリッキーが一般的におろすのが難しいと言われている魚について解説してみたいと思います。
目次
おろすのが難しい魚はこれ!
難しい難しくないというのは客観的な数値で把握しにくいものです。
ここでは簡単に天然真鯛を基準にして難しいか簡単か考えてみたいと思います。
魚屋必須の天然真鯛を普通と考えましょう。
で、この天然真鯛と比べて難しいかどうかをみると、
天然ヒラメ、サヨリ、タラ、シマアジ、ウスバハギ
これらの魚が天然真鯛よりおろすのが難しい魚といえます。
まだまだあると思いますが実際対面調理で依頼が多いものに対象を絞るとこんな感じになります。
一つずつ見ていきましょう!
天然ヒラメ
ヒラメをおろせれば一人前といわれます。
天然平目が最難関
最高難易度高いのはヒラメでしょう。
身の薄さ、幅広さ、表と裏で厚み点、いろいろな点でハードルが高い。
ヒラメのおろし方
おろし方次は2つ
この2パターンあります。
大きいサイズはいずれにしても5枚下ろしになるでしょう。
3枚おろしと5枚おろしの選択
小さいサイズをどちらにするかという選択です、
キレイに下ろすなら5枚おろし
スピード重視なら3枚下ろし
になります。
スーパーや対面をかかえてる店では3枚おろしを推奨します。
5枚おろしにしていたら間に合いません。
寿司店や割烹では5枚おろしをすることになるでしょう。
縁側をしっかり残したい場合です。
寿司屋さんや高級料理店では5枚おろしにします。
メリットは皮が引きやすくえんがわがしっかり残る点です。
小売店でも扱い少ないところは五枚おろしにするところが多いかもしれません。
3枚おろしの限界サイズ
2.0kgくらいまでならしっかりと縁側をつけておろせると思います。
リッキーも3.0kgまでならほぼ3枚おろしでやってしまいます。
やはり3枚おろしの方が調理スピードの点で圧倒的に早いです。
5枚おろしもキレイで丁寧なのはわかりますが対面では時間がかかりすぎます。
3枚おろしでやってもそんなに身も小さくなりませんし縁側もそれなりに残ります。
対面の場合は素早くを優先してください。
5枚おろしを選択する場合
それに対して5枚おろしにするときは3.0kg以上の場合で縁側をしっかり残したいときです。
3.0kg以上になりますとさすがに包丁が届かなので時間はかかっても五枚おろしにします。
また料理屋さんや飲食店なんかだと縁側がしっかり残ってないといけないので丁寧に五枚おろしするのでしょう。
いずれにしても身の薄い魚なのでおろすのが難しい魚の一つです。
攻略ポイント
攻略ポイントは包丁の音です。
包丁の刃先をカタカタと鳴らして音で判断できるようにすることです。
カタカタと音を鳴らすことを習慣にしましょう。
包丁の入れ方を間違うと包丁が骨の下にいってしまって大変苦労することになります。
その意味でヒラメはおろすのが最も難しい魚といえます。
サヨリ 春旬魚
サヨリが取れる地域は限られているかもしれませんがサヨリも捌くのが難しい魚の一つです。
難しい理由
身が柔らかいというのもありますが魚体が細く繊細さが必要になります。
少しでも鮮度が落ちると皮もズル剥けたりしてやりにくいものです。
みなさんの中でもサヨリの時期が調理するの一番苦手という人多いかもしれません。
慣れればスッースッーとおろして皮を剥くだけなのでなんてことないのですが、慣れるまでは四苦八苦する魚です。
攻略ポイント
皮を剥くときのポイントは、包丁の刃を使わずに包丁の背を使っておろすということです。
いわゆる背越しです。
そうすると切れずに素早くおろせます。
ただこのサヨリも皮を剥いたあと銀色がついてないと価値が下がります。
ここも難しい点です。
背越しをする際に包丁の背をしっかりまな板に押し付けるように擦り付けるとうまくいきやすいです。
しっかり意識しましょう。
あと、お腹出しのときに薄腹の黒いマクはキレイに取り除かなくてもいいです。
どっちみちあとで薄腹をとってしまいます。
水にさらす時間が長くなると鮮度も落としてしまう点要注意です。
またサヨリおろす作業は相当ヒマな店でない限り朝一番にやってはいけません。
昼からとか余裕ができてからやるようにしてください。
朝は他にやることたくさんあるはずです。
大事な商品を出し遅れることがないようにタイミングを考えましょう。
真ダラ 大きいサイズ
おろすのが手強い魚はまだまだあります。
それはタラです。
それも真鱈の大きめサイズをおろすのが難しいです。
というのはタラは他の魚と骨の構造が違うのです。
硬い骨が胃袋を包み込むような構造になっています。
なのでタラは骨に沿ったおろし方をします。
小さいタラならそのままの勢いで三枚おろしにできますが大きいサイズになると骨が硬いので特殊なおろし方になります。
ここについては後日YouTubeにアップにして解説したいと思っています。
サラッと知りたい方は下記記事をご参照ください。
シマアジ 銀色をつけておろさないといけない点
シマアジを扱うこともありますでしょうか?
このシマアジもある意味捌くのが難しい魚の一つです。
ただおろすこと自体は難しくありません。
難しいのは皮を引くときに銀色をつけてキレイにおろさないといけないという点です。
なかなか技術が要ります。
これがなかなか難しいのです。
まな板がへっこんでいたりすると最悪です。
綺麗な銀色がつかなくなったりします。
シマアジはこの銀色の皮目がキレイに残ってないと商品価値がダダ下りしてしまいます。
その意味で上級者でないとなかなかうまくおろせません。
難易度が高い魚の一つと言えます。
番外編 ウスバハギ (通称うまづら)
この魚はリッキーが初心者の頃に相当四苦八苦した魚なので番外編でエントリーさせていただきます。
このウスバハギ馴染みないかもしれません。
いわゆるB級魚といわれる魚群の一つです。
肝と一緒に食べるウマズラハギとは違って純粋に身だけを使うハギです。
※肝も使わないことはないですが。
そして刺身だけで十分価値があるというか美味しい魚です。
ただ、大型でブサイクな魚なので売場に姿を見せることはあまりないようです。
リッキーのお店は相場が下がったときは必ず対面コーナーに並べます。
真っ白な身で薄造りにするととっても美味しそうです。
昆布〆にしても美味しいです。
このウスバハギ がなんでおろすのが難しいかというと、背の部分に大きなコブというか軟骨が盛り上がっている部分があるからです。
天然真鯛のようにスッと包丁を入れられないというか途中で包丁を浮かせたりしながらおろさないといけないのでまさに技が必要になります。
リッキーも初心者の頃このウスバハギおろすのが本当に苦痛でした。
なぜならそのコブの部分に手こずって時間がかかってしまうからです。
それを5尾もやったりするともう疲れ切ってしまいました。
どんだけ時間かかるんだよって!
そんな嫌な経験もあるのでこのウスバハギをおろすのが難しい魚の4番目に置いておきたいと思います。
その他おろすのが難しい魚
あとは天然真鯛のおろし方がわかっていれば難なくおろせるものばかりではないでしょうか?
しいていうなら細い体型をした魚がちょっと難しいかなという感じです。
こち、やがらなど。
ただ上に挙げた魚ほどは難しくないので慣れの部分で解決できると思います。
あと車鯛もおろし方少し違いますがおろす前に外側に包丁で線入れればおろすこと自体はそんなに難しくないと思います。
難しそうだが割とおろしやすい魚
逆に難しいように思えるが意外と簡単におろせる魚も紹介します。
10.0kg以上の天然ぶり
大きいぶりをおろすのは大変なようですが基本5.0kgのぶりと一緒です。
そんなに難しくはないでしょう。
最初の片身は三枚おろしをする際尾を持ち上げながらしないと身がえぐれてしまいます。
骨も引っかかってやりにくいはずです。
しっかり持ち上げながらやるものです。
もう反対の片身は骨がついたのを上のままにおろしtた方がいいでしょう。身割れを防げます。
大きなしいらも同じです。そんなに難しいことはありません。
まぐろ・カツオ
まぐろ、カツオもちょっとおろし方違いますけど覚えればそんなに難しくありません。
共に皮が薄いので勢いよくやるとすぐ破れるのでこの点少し難しいかもしれませんがそこまでの難易度ではありません。
ただ40.0kg以上のマグロは4つ割とかしないといけないので難しいでしょうが普通お店ですることは少ないでしょうからここでは省きます。
まとめ
皆さんいかがでしょうか?
ヒラメ、サヨリ、マタラはみなさんも苦戦しているのではないでしょうか?
まだまだ難しい魚あるかもしれません。
今思いつくところではこんな感じになります。
やっぱり魚好きにとっては自分で魚をどこまでおろせるかは気になるところです。
このおろすのが難しい魚でもしっかり対応できるようになれば、気難しい先輩をギャフンといわせることができます。
いつも気を遣ってばかりでは面白くありません。
ぜひこういった難しいといわれる魚も捌けるようになってください。
総じて天然ヒラメがおろせるようになれば一人前と言えるでしょう。
皆さん感想も気になるところです。
ぜひSNSかメールで声をかけてみてください。必ず返信しますよ!
<終わり>
苦手な魚がくると慌てちゃうんですよね!