スーパーの鮮魚部門で使う数字の内実践で使うものをわかりやすくまとめました。
会社でも計数管理の勉強を教えてくれるけどわかりにくいという人も多いと思います。
それは教える人自体が現場で使う数字を使ってないからなのです。
鮮魚の現場で使わない数字が実に多いからです。
彼らの教えるのはテスト、昇格試験のための計数を前提です。
そういう数字は現場では使うものと少し内容がずれているのです。
店長になるときに勉強すれば十分です。
ここではそういった無駄な数字は省いてあります。
実際に使える大事な数字だけを取り上げています。
この記事ををしっかり読み込めば鮮魚の数字に強くなるでしょう。
詳細はリンクを貼っているのでその記事をご参照ください。
目次
計数管理わかったようでわからない
みなさんは職場で計数の勉強をする機会があると思います。
魚屋でも避けて通れない数字の話ということですがなかなか苦手意識持っている人も多いのではないでしょうか?
わかったようでわからないというのが本音だと思います。
まず第一にちゃんと教えてもらってないよ〜!と思っている人がほとんどではないでしょうか。
というのは時間の関係もあるんでしょうか、とりあえず一通りのことだけパパッと説明されて終わりっていうところが多いですね。
質問したかったけどそんな雰囲気でもないということなんですね。
少なくとも理解し切らないまま講義は終わりだったりするのです。
これはあなたが悪いわけではありません。
教える人が魚屋のことをわかってないだけなのです。
今回は計数をもっと勉強したい人のために家でも確認できるように過去に書いた計数の記事をまとめてみました。
できるだけ現場で使えるように的を絞って解説してあります。
もっと魚屋の計数のこと勉強したいという人がより理解が深められば幸いです。
それでははじめましょう!
売上を上げるために一番大事な数字は?
まず最初に頭に入れてほしいのは数字は使う場面によって軽重があるんですね。
つまり全部を覚えなくていいということです。
なのでここでは大事な数字だけを強調するのでまずはここに出てくる数字を言葉をしっかり理解してください。
それから全体を覚えるというので十分です。
たとえば、
売上の構造を考えるにあたっては点数が一番大事です。
わかりますか?
先に答えをいうと部門で一番コントロールしやすい数字だからです。
コレだけだとわかりませんね。
あらためて売上の構造を見てみましょう。
売上高の構造は2つの数式から成り立っています。
①売上高=一品単価×点数
②売上高=客数×客単価
両方とも売上高を計算するときに使う数式ですが、4つの要素から成り立っています。
客数、客単価、一品単価、点数
一般的には4つの数字が全部大事と教えられます。
確かに全て大事なのは間違いありません。
しかし、鮮魚部門で一番大事な数字は点数なのです。
客数や客単価はむしろ販促部や商品部、店長の管轄です。
客数や客単価は部門が直接的に自由に変化させられる数字ではありません。
②の数式は部門ではあまり使わないのです。
部門で使うのは①の数式だけです。
部門レベルではこの点数か単価または両方を上げることが大事になるわけです。
その中でも点数が一番コントロールしやすい数字になるのというわけです。
現場の努力でたくさん売ればいいわけですからやりやすいですね。
まあ点数を増やす手段はバンドルとか他にもいろいろ技があります。
いずれにしても全部に力を入れるのでなく点数に集中して数字を変化させれば効果は早いわけです。
このように出てくる数字に強弱をつけて取り組んでほしいわけです。
そんな話が下の記事に書かれています。
>>鮮魚の売上高 〜構造を理解して売上UP! 【鮮魚の計数シリーズ第1回】
部門が頑張っているか見る指標はコレ!
売上が良くないときに見てほしいのが部門構成比です。
前日の日報帳票をパソコンで見れば出ていると思います。
雨が降ったから魚が売れなかったとか自分に言い訳をしていませんか。
確かに影響あるかもしれません。
でもだからといって売上落としてもいいかといえばそういうわけにはいきませんね。
条件は他の部門も一緒ですから。
そんなときに他の部門と比べて頑張っていたかどうか見る指標があります。
それが構成比です。
各部門の売上高を店全体の売上高で割ったものを部門構成比と言います。
通常は率%で表現します。
一般的なスーパーマーケットの鮮魚部門だと10.0%前後のところが多いのかもしれません。
毎日この構成比を見ていると大体曜日で似たような数字になることがわかります。
平均の構成比がわかれば雨降った日でも鮮魚部門がちゃんとやっていたかどうか確認できるのです。
雨が降ったとしても他の部門より著しく落としていれば遊んでいたと言われてもしょうがないのです。
そんなことを書いた記事が下の記事になります。
>>部門構成比の意味 〜なにをみる指標かわかる?【鮮魚の計数第2回】
ロスとは
ロス出すな!ロス出すな!とうるさいですね。
これをいう人は本当に魚のことわかってないなと思います。
こんなことばかり言っていたら部門は萎縮してしまって商品出さなくなってしまいます。
そうすると売上減少という定型的な負のスパイラルに入って取り返しがつかないことになります。
確かにいくら売上があってもロスが多ければ利益は残りません。
それでロスを管理しようとするわけですがこのロスという概念を理解するのが意外と難しいです。
そもそもこのロスの捉え方が企業によって違います。
あるべき売上高を算出して出すか、ただの見切り金額と廃棄金額を足したものと見るか。
シビアに見るかざっくり見るかの違いですが簡単にいうと利益に対する取り組み方で異なるという結論になります。
そんな理屈を解説したのが次の記事になります。
ここはざっくりでもいいのでしっかり理解してほしいところです。
>>鮮魚のロスの意味 〜ロスを減らすには【鮮魚の計数シリーズ 第3回】
鮮魚の歩留りとは?
魚屋に特に求められるのがこの歩留りです。
歩留りとは魚の重さがトリミングによって目減りすることで魚屋が損しないようにするための技術です。
これをしっかり計算して売価をつけないとロスが増えてしまいます。
ただ間に受けてそのままやるととんでもない時間だけが浪費してしまいます。
その辺の実務的な話が下の記事で書かれています。
>>魚の歩留りとは?超わかりやすい鮮魚部門の数字の話 第4回
2・8の原則は売上に関わる指標の一つ
これはパレートの法則という言い方で教科書に載っていたりします。
一番スタンダードな使い方としては、
2割の商品で8割の売上を作るということですが、ABC分析も似たような考え方に基づいています。
要は全部がむしゃらにがんばるのでなく2割の重要な商品だけしっかり売り込めば結果ををしっかり出せるという技術です。
私はこれを理解したおかげで大きな売りを作るのに自信がつきました。
さらに詳しくはこちらの記事で。
>>2・8(ニハチ)の原則とは?超わかりやすい鮮魚部門の数字の話 第5回
売上は努力、利益は知恵ってどんな意味?
「売上は努力、利益は知恵」という言葉は商いの心得として普遍の道理だと理解します。
スーパーマーケットも所詮商いです。
まさにこの言葉の意味を理解すればちょっとしたお店であれば不振状態を脱することができる非常に重い言葉として受け止めています。
売上というものは客観的な環境の変化の影響を受けやすいものです。
隣に競合が出てきた、過去例のないほどの大雪が降ったなど、客観的状況によって上がったり下がったりします。
ある意味売上は自分の力だけではどうしようもないものといえます。
だからやるべきことをやってひたむきに頑張るしかないということです。
それで努力という言葉が使われます。
それに対して利益は知恵と言われたりします。
簡単にいうと利益は管理でどうにでもなるということです。
確かに頭を使って考えたり試行錯誤することによって利益が変化できたりします。
少し概念的で抽象的な話になりますがこの言葉の意味をしっかり理解することが自分のできることできないことが明確になって逆に辛い状況や困難を克服しやすくなるということです。
特にリーダーなる人に読んでほしくてこの記事を書きました。
>>「売上は努力、利益は知恵」【魚屋の心得】〜意味わかる?第6回
売上と荒利の関係は?
ここは先ほどのロスの話と大きくかかわるところです。
荒利高が非常に大事なのですが店舗数が多いとその評価の基準が荒利率になります。
その荒利率をあげようとするとそれと表裏一体の関係にあるロス率を減らそうと当然なります。
本来ロス率を減らし荒利率を上げようとするときに一番いいのは売上高をあげることです。
ただそれをあきらめ売場に商品を出さないという選択肢をとる人がいます。
率を強く求めるとよりそういう傾向になります。
商品を出さなければ率はとりあえず上がり一時的にしのげるからです。
担当者としてはとりあえず怒られたくないからです。
担当者の能力の問題もありますがそういうことがよくあります。
ただこれがダメなやり方というのはみなさんもお分かりですね。
このやり方をしばらく続けると確実に売上が落ち結果的に荒利高も落ちます。
先ほど言った負のスパイラルに入るのです。
なので魚を売場で回転させながら売上を上げるという方向へ向かうべきなのです。
その辺のことが下の記事で書かれてます。
>>荒利率をあげようとすると売上高さらには荒利額が下がる理由 鮮魚の計数第7回
荒利改善の方法
荒利が上がらなくて悩んでいると思います。
荒利といった場合荒利高と荒利率の問題があり得るわけですが先ほども述べたように荒利率で見るというのが一般的です。
ただ究極的には荒利高が上がらなければその施策は成功といえないのも事実です。
この回は荒利高をあげるための方法を全て列挙してみました。
全部やるべきものというよりやり残しがないかの確認用です。
そこの中で自店にとって効果上げられそうなものをピックアップして取り組んでいただきたいです。
このような資料はあまり公開されていないので役に立てばと思います。
>>第8回 荒利不振の原因は? 〜スーパーの鮮魚部門の一番大きな悩みはこれ!〜さかなのさ
曜日別販売点数把握の重要性
みなさんにぜひ把握していただきたいのが曜日別の販売点数です。
毎日売上高や予算達成率、昨年対比は毎日見るでしょうがこの曜日別販売点数も毎日追っかけてほしいです。
例えば一品単価が300円としたら1,000点売れば30万円です。
これが1週間の曜日でいつが一番多いのかから始まって、週末の点数を曜日で把握してほしいのです。
火曜市をやるところは火曜日が多いでしょうし、しないところは火曜日の点数は少ないでしょうし。
まずこの点数の曜日別の推移を把握することが非常に次の戦術を考えるにあたって役に立つのです。
>>第9回 販売点数を曜日別に把握せよ!【ズバリ】スーパーの鮮魚チーフができる売上UPの基本 〜さかなのさ
まとめ
自宅でゆっくり計数の勉強できたらいいだろうなと思ってこのまとめ記事を作りました。
会社で教えてもらうだけでは足りないんですね。
聞き逃したり、意味を質問できなかったり。
まず自分がそうでした。
なのでこうやって無料で情報を公開しています。
もちろん、一企業のノウハウではなく一般的で普遍的な形での提供を意識しています。
数字のコントロールができるということはすごい技術だと思います。
しっかりと勉強して自分の身につけたいものです。
ただ効率的やっていかないと時間がいくらあっても足りません。
計数は難しく考えたらキリがないものです。
そのためにわかりやすく気軽に使えるツールとしてお役に立てたらいいですね。
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水曜日限定にはなりますが楽しい話題も交えての内容でやらせていただきます。
<終わり>
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